苗刀とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 苗刀の意味・解説 

苗刀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/18 14:44 UTC 版)

苗刀1
苗刀2

苗刀(みょうとう/ミャオダオ、ピンイン: miáo dāo)は、倭寇が使った日本刀(恐らくは大太刀)を元にの頃から製造されている長大な倭刀、もしくはそれを扱う中国武術[1]

概要

長さが有る割に細く、軽量に造られているため、「苗(なえ)の如き刀」という意味で「苗刀」と呼ばれるようになった[2]。日本刀と比べると、が鍔もとに向かって細くなるなど、若干形状が変化している[3]

倭寇が明の軍隊を苦しめた要因を多くの者は日本刀の性能に求めたが、一部の者は日本剣術の技の身軽さや素早さ体捌きにあると考えた[4]

倭寇の撃退に成功した明の将軍・戚継光は、対倭寇戦で得た陰流剣術の目録を研究し『辛酉刀法』を著した[3]。また、戚継光は倭刀や鳥銃(火縄銃)を装備した兵を含む部隊(同じ装備の兵ごとに部隊を分けるのではなく、多様な装備を持つ兵を一定の比率で混在させたもの)をどのように運用するかを研究し[4]、北方民族の侵入を撃退することに成功した[5]

武術としての苗刀は、1621年に程宗猷が『単刀法選』を著したことに始まる。程宗猷は、日本の刀術を学んだという劉雲峰なる人物に学んだという[3]。次いで、1644年に呉殳が『単刀図説』を著した。現在まで伝わる苗刀の技法は、この二書の内容がもとになっている。苗刀は劈掛拳に併伝されていることが多い[2]

近代に至り、1927年に中央国術館で「二路苗刀」という套路(形)が制定された[6]中華民国総統府侍衛隊の武術教官を務めた劉雲樵が設立した武壇国術推広中心で行われている四路苗刀は、現在大陸に伝わっているものと比べると、よりシンプルな動作が多く日本剣術に近い[7]

また、意拳の一部の系統で「双把剣」という刀術を伝えている。これは後に太気拳を開いた澤井健一が伝えた日本剣術であるが、苗刀のような長大なは使用しない。

関連項目

外部リンク

脚注




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「苗刀」の関連用語

苗刀のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



苗刀のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの苗刀 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS