魚野川 魚野川の概要

魚野川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 03:33 UTC 版)

魚野川
南魚沼市を流れる魚野川
水系 一級水系 信濃川
種別 一級河川
延長 66.7 km
平均流量 -- m³/s
流域面積 1519 km²
水源 谷川岳
水源の標高 1977 m
河口・合流先 信濃川
流域 新潟県中越地方
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概要

新潟県群馬県の県境の谷川岳西麓一帯に源を発し、新潟県の魚沼地方を南から北へ向かって貫流し、長岡市東川口付近で信濃川と合流する。

上流部の土樽駅付近でも比較的川幅が広い。

豊富な水量と、上質な水質を持ち、魚沼地方の生活・産業(稲作・酒造など)の重要な基盤となっている。 名前のとおり、ニジマスなどの川魚も多くすみ、鮎釣りをする人の姿、やな場を仕込んで漁をする人の姿がしばしば見受けられる。

名称の由来

魚の多い川なので魚野川、イオ(鮭のこと)が遡上する川なのでイオノ川、多くの沼があったので五百沼から転じてイオヌマ川、「魚沼を流れる川」が訛って魚野川となった、など諸説ある。かつては別名として上田川・魚沼川・大野川などとも称した(上田川は越後国全図、魚沼川は新編会津風土記などに見える)。

「魚沼」は『和名抄』の時代からある地名であり、「伊乎乃」と訓ずる。『節用集』では「伊保野」と訓ずる。いずれも読みは「イオノ」「イホノ」であり、そこから「イオヌ」「ウオヌマ」「ウオノ」「オオノ」等に変化が見られる。

上田川はかつて南魚沼郡を上田庄とも呼んだことから。

主要な支川

上流側から順に以下の通りである。

歴史

1495年明応4年)には、上杉家魚野川舟運の許可を出すなど、かなり古い時代から舟運が行われてきた。

南魚沼郡誌によれば、1637年寛永14年)の記録に六日町に48艘、浦佐(現在の南魚沼市北部)に50艘、小出島(現在の魚沼市中心部)に24艘の胴高船があったという。

江戸時代を通じて三国街道を行く旅行者や魚沼の年貢米、さらには特産品の輸送に船が用いられた。

この頃の遡上上流点は、六日町宿(現在の南魚沼市中心部)であり、いったん下流に下った船は、川岸に沿って一週間以上かけて上流まで引き上げていた。

明治時代に入ると鉄道が敷設され、信越本線や上越北線(全通後は上越線)の開通に伴い、輸送船を必要とした貨客が激減。

これにより大正年間のうちに姿を消している[3]

渡し舟は、堀之内町(現在の魚沼市北部)などに戦後まで残った。

主な事故として、1950年(昭和25年)7月4日に発生した転覆死亡事故が挙げられる。

通学する学生ら20人以上を乗せた渡し舟が転覆し、5人が命を落とした[4]

2020年現在、魚沼市北部の堀之内地域には川沿いに渡し舟があったことを記念する舟方公園が開かれ、公園たもとにある宇賀地橋の親柱上には三波春夫の歌「おーい舟方さんよ」(1957年)で取り上げられた舟方の像が、公園内には魚野川を詠んだ宮柊二の歌碑がそれぞれ建立されている[5]

災害の歴史

現在の魚沼市一帯が狭窄部になっていること、信濃川本流の洪水時には魚野川へ逆流する現象が見られたことなどから、かつての流域一帯は水害の常襲地帯であった(魚沼市の歴史を参照されたい)。これらの対策として、1960年代に建設省(現在の国土交通省)直轄工事による河川改修が開始、1993年平成5年)に完成をみている。


  1. ^ a b c d e f g h i j 魚野川圏域河川整備計画 pp.1-5 - 新潟県土木部河川管理課.2019年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c 信濃川水系破間川流域河川整備計画”. 新潟県土木部河川管理課. 2020年5月11日閲覧。
  3. ^ 藤倉朋良『図解にいいがた歴史散歩<南魚沼>』p118 新潟日報事業社出版部
  4. ^ 「渡船が転覆」『日本経済新聞』昭和25年7月5日
  5. ^ 舟方公園及び魚野川/魚沼の魅力情報ボックス”. 新潟県. 2020年1月23日閲覧。
  6. ^ 魚野川支川鎌倉沢川における歴史的砂防施設について (PDF) - 砂防学会.2019年4月15日閲覧。
  7. ^ 魚野川支川鎌倉沢川における歴史的砂防施設について(その2) (PDF) - 砂防学会.2019年4月15日閲覧。
  8. ^ 鎌倉沢川の砂防施設が登録有形文化財に登録されました - 新潟県南魚沼地域振興局地域整備部.2019年4月15日閲覧。
  9. ^ 文化遺産オンライン:鎌倉沢川第一号堰堤 - 2019年9月15日閲覧。
  10. ^ JR上越線清水トンネル関連施設群 - 土木学会関東支部.2019年4月15日閲覧。


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