霧の旗
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『霧の旗』(きりのはた)は、松本清張の長編小説。兄の弁護を断った弁護士に対する、女性の理不尽な復讐を描く、リーガル・サスペンス。『婦人公論』に連載され(1959年7月号 - 1960年3月号、連載中の挿絵は山本正)、1961年3月に中央公論社より刊行された。
注釈
- ^ 小説第1節では、「煉瓦の建物が道の両方に高く並んでいる区域」と描写されているが、現在は、写真左側の三菱一号館(再建)を除き、大半が現代的なビルとなっている。
- ^ 連載中の名は「河野頼子」[1]。
- ^ 山田洋次の発言によれば、「やっぱり城戸さんが「こんな犯罪ものなんて」「こんな暗い話」って、乗らないんですよね。だいぶスッタモンダしたなあ。最終的にはぼく(山田)が「もうしようがない」と思って、城戸さんのところへ行って「わかりました。サスペンスものなんてのは城戸さんはお嫌いだから、ダメだろうとぼくは最初から思ってたんです。だから、やっぱりそうだったかということで諦めます」と言ったら、「ちょっと待て。そこまでおれは心が狭い人間じゃない」と(笑)」。城戸さんってそういういいところがあったんです。「じゃあ、まあ、やるか」となって、それでようやく実現したんです」[8]。
- ^ この枠は『日曜エンターテインメント』の枠だが、本作は『日曜エンタ』扱いはされない。なお20:58 - 21:00には『今夜のドラマスペシャル』を別途放送。
出典
- ^ a b 週刊『松本清張』 8号 霧の旗 2009, p. 10-11.
- ^ 白井佳夫と橋本忍による対談「橋本忍が語る清張映画の魅力」(『松本清張研究』第5号(1998年、砂書房)収録)
- ^ 天沢退二郎「『霧の旗』をめぐって」(『松本清張研究』第4号(1998年、砂書房)収録)
- ^ 作田啓一『深層社会の点描』(1973年、筑摩書房)
- ^ 川本三郎『ミステリと東京』(2007年、平凡社)
- ^ 酒井順子「松本清張の女たち」第6回「『婦人公論』における松本清張1」(『小説新潮』2023年1月号掲載)
- ^ a b c d 大黒東洋士「再出発する中村錦之助君へ -人生の壁を乗り越えて時代劇の大スターに-」『キネマ旬報』1965年9月上旬号、キネマ旬報社、31頁。
- ^ a b 山田 & 川本 2012, p. 24.
- ^ 山田 & 川本 2012, p. 29-30.
- ^ 山田 & 川本 2012, p. 34.
- ^ 井沢淳、高橋英一、日高真也、白井隆三、三堤有樹、小倉友昭「TOPIC JOURNAL」『キネマ旬報』1965年7月上旬号、キネマ旬報社、42-43頁。
- ^ a b 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、230-231頁。ISBN 4-87376595-1。
- ^ 西河克己・権藤晋『西河克己映画修行』(1993年、ワイズ出版)に加えて、『近代映画ハロー冬の号 霧の旗特集号』(1978年1月、近代映画社)
- ^ 週刊『松本清張』 8号 霧の旗 2009, p. 21.
- ^ a b c d e f g h i j k l 「今月のグラフ 「オリンピック序曲」 「出所祝い」 「海兵四号生徒」 「霧の旗」 (他)」『映画テレビ技術 = The motion picture & TV engineering』第231号、日本映画テレビ技術協会、1971年11月1日、4頁。NDLJP:4433012/3
- ^ a b c d e f 「テレフィルム 「霧の旗」制作にあたって / 大原誠 ; 並木豊」『映画テレビ技術 = The motion picture & TV engineering』第234号、日本映画テレビ技術協会、1972年2月1日、27 - 29頁。NDLJP:4433015/14
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