檀君 概要

檀君

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/14 00:50 UTC 版)

概要

高麗時代一然著『三国遺事』(1280年代成立)に『魏書』からの引用と見られるのが、檀君の文献上の初出である。『東国通鑑』(1485年)にも類似の説話が載っている。しかし引用元とされる『魏書』(陳寿の『三国志』や魏収の『北魏書』)などの中国の史書には檀君に該当する記述がまったくない。中国の史書にはまったく登場せず、初めて朝鮮の歴史書に登場するのも13世紀と遅い。通常は神話として扱われ、歴史事実とは看做されておらず、檀君という王が実在した、あるいは檀君が築いたとされる檀君朝鮮が存在したという証拠はほとんどなく、壇君が実在の人物だった可能性はゼロに近い、と研究者は語っている[3]

なお、偽書とされる『桓檀古記』、『揆園史話』には『三国遺事』とは異なる記述がなされている。

檀君の名の由来

檀君王倹という言葉は、もともとは由来の異なる二人の神、檀君と王倹を結び付けたものである。12世紀に成立した高麗の正史『三国史記』や『三国遺事』が書かれたが、この檀は仏教説話に結び付いており、当時仏教の盛んだった妙香山がその信仰の中心地だった。檀は本来インド東南アジアなど熱帯系の植物で朝鮮には自生しないが、妙香山は今でも香木で覆われた山として有名であった。『三国史記』高句麗本紀第五東川王の条には平壌にかつて住んでいた仙人の名前として王倹という人名が出てくる。ただし『三国史記』には檀君という王がいたことは全く書かれていない。

檀君神話には並行する伝承が存在し、夫余建国神話[注 1]、及びツングース系の諸民族に伝わる獣祖神話[注 2]などがある。


注釈

  1. ^ 夫余の建国神話に登場する天神「解慕漱(ヘモス)」と檀君神話の「桓雄(ハムス)」は漢字の当て字の違いで元々は同じ音を表しており、同名同一の神であった。[要出典]雄の字を「ス」と読むのは韓訓。
  2. ^ ツングース系の獣祖神話においては人間の男女、熊の牡牝、虎の牡牝の組み合わせがすべて存在するが、民族の祖先となるのは人間の女性から生まれた場合だけで、父系の祖先が獣(虎か熊かはその民族または部族によって異なる)である。人間の男と牝虎の間には子供はできず、牝熊との間に生まれた子供は男が逃亡しようとしたため怒った母熊によって殺されてしまう。つまり本来の獣祖神話においては母系が獣の民族は存在できないことになっている。

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