東名ハイウェイバス 車両

東名ハイウェイバス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 06:50 UTC 版)

車両

座席・装備等

2024年現在では、日野・セレガ三菱ふそう・エアロエーススカニアInterCityDDの3車種が使用されている[注釈 6]

  • 4列シート便はハイデッカー車両。
    • 補助席なし・センターアームレスト付きのワイドシート(楽座シート)か、補助席付きのスタンダードシートの2種類。
  • 3列シート便はダブルデッカー(二階建て)車両[注釈 7]
    • 独立3列シートはフットレストとレッグレスト付き、3列スタンダードシート。スカニア・InterCityDDは2階3列・1階4列の配置。
      • InterCityDDの3列席はクレイドル・シートを採用。また同車は全席USBポートとフリーWi-Fiを備える。
  • 車両トイレ完備・車内禁煙。新しい車両には充電コンセント(USBポートの場合あり)や車内空気清浄機を装備。
※整備や運用などの都合でシート仕様が予告無く変更となる場合がある。
※時刻表で4列ワイドシートや3列シート表記のある便でも、繁忙期に車両変更する場合や2号車以降の増車においては車内設備が異なる場合がある(補助席付き4列シートなど)。

車両の歴史

国鉄専用型式(P-MS735SA) 744-4952→H654-84452

国鉄バス時代

国鉄バスでは、東名高速線には高速バス運行に特化した特別設計の車両を導入していた。これらの車両は「国鉄専用型式」と通称された。

なお、1969年の開通直後には、東京 - 静岡などの短距離ローカル便用に市販型式であるいすゞ・BH20Pを使用したことがあったが、やや小型かつトイレが装備されていなかったため、短期間で国鉄専用型式の車両に置き換えられ、地方営業所の貸切車へ転用された。

1981年導入車までは標準床車で増備されたが、1984年に導入された新車 (P-MS735SA) はハイデッカーとなった1986年には初のスーパーハイデッカー車としてドリーム号用に三菱エアロクィーンW (P-MU525TA改) を導入している。

民営化以降

1987年度のJR東日本バスの新車は、MS735SAとほぼ同一の仕様ながら車体をエアロバスと同様にした車両 (P-MS725SA改) となった。一挙に35台が導入され、JR東日本バスの国鉄専用型式標準床車を置き換えた。JR東海でも1988年度以降にほぼ同型の車両を投入し、標準床車はほぼ置き換えられた。

JR東海バスでは、まず1988年3月のダイヤ改正で登場した超特急便「東名ライナー」専用車としてエアロクィーンWを導入し、1989年から1990年にかけてエアロバス車体とエアロクィーンMのシャーシを組み合わせた車両 (P-MS729SA改、U-MS729SA) を導入。1991年からはドリームなごや号との共通運用で一部の超特急便「東名ライナー」に2階建車両(三菱ふそう・エアロキング)を導入した(後に「スーパーライナー」にも導入)。

1993年からJRバス関東に導入されたニューエアロバスはハイデッカー・折戸車体ながら過給器なしで400psエンジンを搭載するU-MS821PAが選択された(1994年からはJR東海バスでも導入)。

1996年、JRバス関東に発売直後のいすゞ・ガーラハイデッカー車 (KC-LV782R1) が2台導入された[注釈 8]。東名高速線では28年ぶりのいすゞ車で、過給器なしでV型12気筒420psエンジンという性能であった。同時期に導入されていたのは三菱ふそう・ニューエアロバス (KC-MS822PA) が420ps、日野・セレガFD (KC-RU4FSDB) が430psだった。また、1997年からJRバス関東では三菱ふそう・エアロバス「スタンダードデッカー」「SX観光仕様」(KC-MS829SA) を投入したが、従来400ps以上のエンジンが標準になっていて、355psというエンジンでは物足りない、車内も足元も狭いなど乗務員・乗客ともに評判が悪く2年程で常磐高速バスなど他路線へ転用された。

その後は日野・セレガRや日産ディーゼル・スペースアローなどが導入されている。2005年ジェイアールバステックは「スワローエクスプレス」塗装のガーラ、JR東海バスは4列ワイドシートの新型セレガを導入、2007年以降はヘッドレスト・センターアームレスト付き4列ワイドシート(楽座シート)車両を各社で導入している。

プレミアムシート(744-05994)
スーパーシート(後にビジネスシートに改装)(744-10993)

2009年以降、JR東海バスは豪華化粧室(パウダールーム仕様トイレ)の4列ワイドシート車両、プレミアムシート搭載の2階建車両、ハイブリッド車両(セレガ)の4列ワイドシート車両、スーパーシート(後にビジネスシートに改装)搭載の2階建て車両などを順次導入。JRバス関東・JRバステックも4列ワイドシート(楽座シート)車両を順次追加導入している。

  • 改良型独立3列シートは大型フットレストとレッグレスト・ACコンセント・Wi-Fi、3列デラックスシート。下記のプレミアムシート搭載車とビジネスシート搭載車の一般席(通常席)。
  • プレミアムシート(シート間隔135cm・リクライニング約156度・シート幅約60cm・可動式枕・大型フットレストとレッグレスト・専用車内荷室・仕切りカーテン・ワンドリンクサービス・ACコンセント・Wi-Fi)。運賃+特別シート料金。一階に3席。
  • ビジネスシート(シート間隔118cm・リクライニング約145度・可動式枕・オットマンと大型レッグレスト・ACコンセント・仕切り壁や仕切りカーテン・Wi-Fi・独立3列)。運賃+特別シート料金。二階席前方に6席。

2018年9月1日より、当路線では初の外国製の車両である、スカニアInterCityDDが、新東名スーパーライナー1往復に投入された[注釈 9]

過去の車両画像

注釈

  1. ^ 上り便は霞ヶ関に停車(降車専用)
  2. ^ 橋梁工事のため、上りバス停は2021年11月29日から閉鎖中。
  3. ^ a b 東京駅発着便と異なり、静岡駅 - 東名静岡 - 東名焼津西の停車順となる。
  4. ^ 新東名スーパーライナー21号・23号のみ名古屋駅(広小路口)着。
  5. ^ 例えば、本改正前の「特急51便」は改正後は「東名ライナー51号」、愛称のない急行便は「急行301便」だったものが「東名301号」となった。
  6. ^ DD車(InterCityDD)は東海のみ。
  7. ^ ダブルデッカー車(InterCityDD)は新東名経由の直行便に充てられる。
  8. ^ その後、初代ガーラは2005年に当路線に参入したJRバステックにも導入された(後述)。現在は引退している。
  9. ^ 2020年3月まではまではJRバス関東の車両(4列シート)が使用されていた。その後、同年6月からはJR東海バスの車両(1階4列・2階3列シート)が使用されている。

出典

  1. ^ 用賀パーキングエリアで渋滞を避けて高速バスから電車へ乗り継ぎ 首都高速道路株式会社
  2. ^ 用賀 PA 高速バス&レールライド 乗り継ぎ乗車券の販売終了について 国土交通省
  3. ^ 用賀PAで高速バスから東急田園都市線への乗り継ぎ実証実験 首都高速道路株式会社
  4. ^ a b c 「東名ハイウェイバス」回数券の発売区間見直し等について” (2021年12月17日). 2022年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月7日閲覧。
  5. ^ a b 東名ハイウェイバスのダイヤ改正のお知らせ”. ジェイアール東海バス (2024年1月23日). 2024年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月3日閲覧。
  6. ^ a b c 日本交通公社『国鉄監修 交通公社の時刻表』1982年11月号、p.472
  7. ^ JRバス関東公式メールマガジンバックナンバーバスTABI No.6”. 2010年5月9日閲覧。
  8. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '94年版』ジェー・アール・アール、1994年7月1日、185頁。ISBN 4-88283-115-5 
  9. ^ 【ダイヤ改正】東名ハイウェイバス一部ダイヤ改正のお知らせ”. ジェイアール東海バス (2015年9月9日). 2015年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月1日閲覧。
  10. ^ 消費税率変更に伴う高速バスの運賃について”. ジェイアールバス関東 (2019年9月2日). 2019年10月5日閲覧。
  11. ^ 消費税率変更に伴う運賃改定について”. ジェイアール東海バス (2019年8月29日). 2019年10月5日閲覧。
  12. ^ 東名ハイウェイバス50周年記念JRバス展を開催します。”. ジェイアールバス関東. 2020年4月5日閲覧。
  13. ^ 【2/28追記】「東名ハイウェイバス50周年記念 ジェイアールバス展」の中止のおしらせ”. ジェイアールバス関東. 2020年4月5日閲覧。
  14. ^ 【東名ハイウェイバス】ダイヤ改正について”. ジェイアールバス関東 (2021年1月14日). 2021年2月7日閲覧。
  15. ^ 【東名ハイウェイバス】ダイヤ改正について”. ジェイアール東海バス (2020年12月25日). 2021年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月7日閲覧。
  16. ^ 下り東名小山バスストップは通常通り利用可能。
  17. ^ 東名高速道路 耐震補強工事に伴う東名小山バス停(上り線)の一時休止について”. 中日本高速道路. 2022年2月27日閲覧。
  18. ^ 名古屋市内~東京間の高速バスのダイヤ改正のお知らせ”. ジェイアール東海バス (2022年8月19日). 2022年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月27日閲覧。
  19. ^ 4/1~ 東名ハイウェイバス・ドリームなごや号の運行本数の変更等について”. ジェイアールバス関東 (2023年2月27日). 2023年4月9日閲覧。
  20. ^ 東名ハイウェイバスのダイヤ改正のお知らせ”. ジェイアール東海バス (2023年2月24日). 2023年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月9日閲覧。
  21. ^ a b 【3/1(金)】東京~名古屋方面間のダイヤ改定等のお知らせ”. ジェイアールバス関東 (2024年1月29日). 2024年3月3日閲覧。





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