愛育幼稚園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 21:49 UTC 版)
園の特色
愛育幼稚園は、初代山下俊郎園長、二代牛島義友園長によって保育方針が確立され、以来その伝統に則った保育が行われてきた。後に東京都立大学 (1949-2011)教授を歴任し、日本保育学会会長、世界幼児機構(OMEP)日本委員長を務めた山下俊郎は、人間形成の基礎的段階である幼児期に、将来社会的にも文化的にも適応できる行動様式を習得させる必要があるとして、基本的習慣の大切さを強調した。次の牛島義友は、幼児期は「想像生活時代」であるとして、子供の想像力を十分に伸ばすよう、伸々と遊びを豊富に体験させ、遊びを通じて協調的な社会生活を経験するようにとの方針を打ち出した。子供が積木でつくるような夢のある旧・八角形園舎(昭和28年落成)を建てたのもこの趣旨からである。また。牛島は、「発達カリキュラム」をつくり、保育の方針と具体的な経験のさせ方を研究し、指導した。したがって、愛育幼稚園の保育は知識教育ではなく、社会性や情操の涵養、基礎的生活訓練を主とした総合的保育のなかで、子供の自然の発達を促進させ、子供の基本的要求(教師を独占したいという強い願望的要求)と他の社会的要求(協力への要求)とを調和的に満足させるような保育となっている。
教育方針
- 「なごやかな雰囲気の中でのびのびと活動させ、社会性を円満にのばし情緒面の調和的発達を図る」
近隣の施設
交通アクセス
主な関係人物
総裁
- 初代 - 久邇宮大妃俔子(1934年(昭和9年) 3月 - 1946年(昭和21年) 1月)
- 二代 - 三笠宮妃百合子(1948年(昭和23年) 4月 - 2010年(平成22年) 9月30日)[3]
- 三代 - 秋篠宮妃紀子(2010年(平成22年) 10月1日 - )[3]
母子愛育会
- 清浦奎吾 - 初代会長、23代内閣総理大臣。
- 関屋貞三郎 - 初代理事長、元枢密顧問官、元宮内次官。
- 米山梅吉 - 初代監事、三井信託創立者。監事就任の翌1937年には青山学院幼稚園・青山学院初等部を創立した[4]。
- 古川貞二郎 - 会長、元内閣官房副長官、元厚生事務次官。
- 羽毛田信吾 - 理事長、7代宮内庁長官、元厚生事務次官。
- 吉原健二 - 理事、元厚生事務次官。元厚生事務次官宅連続襲撃事件で自宅を襲撃された。
- 岡井崇 - 理事、愛育研究所部長、愛育病院院長。
- 大山正 - 元会長、元愛育研究所所長、元厚生事務次官。
- 新居善太郎 - 元会長、元京都府知事、元大阪府知事。
- 上村一 - 元会長、元環境事務次官。
- 中山寿彦 - 元理事、日本医師会4代会長、元国務大臣。
- 森村開作 - 元理事、森村財閥7代目、慶應義塾評議員・理事。
愛育研究所
- 柳澤正義 - 名誉所長、国立成育医療センター名誉総長。
- 稲田龍吉 - 初代所長、日本医師会3代会長。1919年(大正8年)にはノーベル生理学・医学賞の候補となった[5]。
- 衞藤隆 - 元所長、東京大学名誉教授。
- 内藤寿七郎 - 元所長、日本小児科医会名誉会長、愛育病院名誉院長。乳幼児の治療と検診、育児知識の普及に努め、「育児の神様」と呼ばれた[6]。
- 栗山重信 - 元所長、東京大学名誉教授、国立東京第一病院名誉院長。
- 石野清治 - 元所長、元厚生事務次官。
- 高橋悦二郎 - 元副所長、元愛育病院院長代行、元女子栄養大学教授。
- 牛島義友 - 元部長、元愛育幼稚園園長、九州大学名誉教授。
- 網野武博 - 元部長、元上智大学教授、日本福祉心理学会会長。
- 柏女霊峰 - 元部長、淑徳大学教授。
- 村山貞雄 - 元所員、日本女子大学名誉教授、東京保育専門学校校長。
- 三木安正 - 元所員、全日本特別支援教育研究連盟結成者、東京大学名誉教授。
- 波多野勤子 - 元所員、元国立音楽大学教授。著書『少年期』がベストセラーとなった。
- 平井信義 - 元所員、元お茶の水女子大学教授、大妻女子大学名誉教授。著書『「心の基地」はおかあさん』が140万部のベストセラーとなった。
- 高橋種昭 - 元所員、元日本女子大学教授、群馬社会福祉大学教授。
- 草間吉夫 - 元所員、前茨城県高萩市市長。
- ^ 母子愛育会の歩み
- ^ 松濤幼稚園廃園後に見られる教育ビジネスによる一広告例:ジャック幼児教育研究所『3年保育受験準備クラス』「青山学院幼稚園など附属幼稚園やご三家(若葉会、枝光会、愛育幼稚園)などを志望されるお子様のためのクラス。」ジャック渋谷教室
- ^ a b “愛育会総裁に紀子さま”. 日本経済新聞 (2010年10月1日). 2022年3月22日閲覧。
- ^ 米山梅吉 年譜
- ^ Nomination Database for the Nobel Prize in Physiology or Medicine, 1901-1953ノーベル財団(英語)。この推薦はこの年の受賞者であるジュール・ボルデを加えた3名を対象に、フランス人学者からなされている。
- ^ アップリカ育児研究所 新「育児の原理」
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