国会 (大韓民国)
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歴史
- 1948年2月26日:国際連合朝鮮委員会(UNTCOK)が南朝鮮(駐韓米軍軍政庁統治下の朝鮮地域)単独での選挙実施案を可決した。
- 1948年5月10日:憲法制定のために南朝鮮地域のみでの単独総選挙を実施し、制憲議会が設置されて7月17日に大韓民国憲法を公布した。
- 1950年6月25日:朝鮮戦争勃発。政府と共に国会も大邱を経て釜山に移転した。
- 1953年9月21日:7月27日の休戦協定発効により、政府がソウルに遷都したのに伴い国会もソウルへ戻る。
- 1975年:ソウル特別市中区太平路の旧議事堂から、汝矣島の現議事堂へ移転した。
制度・組織
制度
一院制、解散はない。国会法で在籍議員が200人に満たない場合、解散し総選挙を行う場合がある。第二共和国時代は二院制を採用し、民議院(下院)と参議院(上院)が設置されていた[注 3]。
立法支援組織
- 国会事務処(국회사무처)
- 国会図書館(국회도서관)
- 国会予算政策処(국회예산정책처)
- 国会立法調査処(국회입법조사처)
- 出典:국회의 구성(国会の構成)、国会ホームページ(2017年6月27日閲覧)
常任委員会(상임위원회)
- 国会運営委員会(국회운영위원회)
- 法制司法委員会(법제사법위원회)
- 政務委員会(정무위원회)
- 企画財政委員会(기획재정위원회)
- 教育委員会(교육위원회)
- 科学技術情報放送通信委員会(과학기술정보방송통신위원회)
- 外交統一委員会(외교통일위원회)
- 国防委員会(국방위원회)
- 行政安全委員会(행정안전위원회)
- 文化体育観光委員会(문화체육관광위원회)
- 農林畜産食品海洋水産委員会(농림축산식품해양수산위원회)
- 産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(산업통상자원중소벤처기업위원회)
- 保健福祉委員会(보건복지위원회)
- 環境労働委員会(환경노동위원회)
- 国土交通委員会(국토교통위원회)
- 情報委員会(정보위원회)
- 女性家族委員会(여성가족위원회)
- 出典:위원회안내:상임위원회(委員会案内:常任委員会)、韓国国会ホームページ(2022年6月20日閲覧)
議員
- 選挙権:満18歳以上の韓国国民[4]。
- 被選挙権:満25歳以上の韓国国民。
- 任期:4年
- 定数:300議席(第19代国会と同様)
- 地方区:253議席
- 比例代表:47議席
- 選挙制度:小選挙区比例代表並立制
交渉団体名 | 政党名 | 2020年総選挙直後 | 2024年3月22日基準 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
選挙区 | 比例代表 | 合計 | 選挙区 | 比例代表 | 合計 | ||
共に民主党 | 共に民主党 | 163 | 0 | 163 | 132 | 10 | 142 |
国民の力 | 国民の力 | 84 | 0 | 84 | 86 | 15 | 101 |
非交渉団体 | 未来韓国党 | 0 | 19 | 19 | 合併し未来統合党(現・国民の力)に | ||
共に市民党 | 0 | 17 | 17 | 合併し共に民主党に | |||
緑色正義党 | 1 | 5 | 6 | 1 | 5 | 6 | |
国民の党 | 0 | 3 | 3 | 合併し国民の力に | |||
開かれた民主党 | 0 | 3 | 3 | 合併し共に民主党に | |||
進歩党 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | |
自由統一党 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | |
基本所得党 | 新政党 | 合併し新進歩連合に | |||||
時代転換 | 合併し国民の力に | ||||||
韓国の希望 | 合併し改革新党に | ||||||
改革新党 | 3 | 1 | 4 | ||||
新しい未来 | 5 | 0 | 5 | ||||
共に民主連合 | 7 | 7 | 14 | ||||
国民の未来 | 5 | 8 | 13 | ||||
祖国革新党 | 1 | 0 | 1 | ||||
無所属 | 5 | 0 | 5 | 8 | 1 | 9 | |
合計 | 253 | 47 | 300 | 250 | 47 | 297 |
韓国の民主化が実現し、第6共和国が発足して以来、国会議長団と国会委員長団は交渉団体間の交渉を通じて配分するのが原則であり、理論的に仮定したとき交渉団体が1ヵ所だけの場合、当該交渉団体である政党が国会議長団と国会委員長団の両方を総なめすることになった場合もありうるが、交渉団体は、国民の力系列を位数とした保守政党とともに、民主党系列を位数としたリベラル系政党を中心に、常に複数の政党以上存在していたため、盧武鉉政府以来[注 5][6][注 6][7]国会議長職と法司委員長職の第1党と第2党の分離および国会議長団と国会委員長団を与野党の議席数で分けるのが慣例となっている[注 5][6]。その他にも本会議での発言時間と発言人数、国会議長団との議事日程協議、本会議上程案件表決協議、各常任委員や特別委員会委員などの人員比率なども交渉団体間協議を通じて決めるのが原則である[8]。直近の第20代総選挙(2016年4月)において20議席以上を獲得した共に民主党、セヌリ党と国民の党の三党が第20代国会における院内交渉団体の資格を有していたが、朴槿恵大統領弾劾訴追が国会で可決された際に造反したセヌリ党の非主流派議員30名が2016年12月27日に離党と新党結成を表明、同日に院内交渉団体「改革保守新党」の登録を行った。これにより院内交渉団体は四つとなった[9][10]。その後、国民の党は正しい政党と統合して「正しい未来党」を結成、国民の党内で統合に反対する人たちが結成した民主平和党は正義党と共同院内交渉団体「平和と正義の議員の会(平和と正義)」を結成した(2018年4月2日登録)[11][12]。第20代国会の任期が満了し、第21代国会の招集のために実施される総選挙を控えて保守陣営とリベラル陣営間の政界改編と離合集散が起きたが、第21代国会議員総選挙の結果、リベラル党である共に民主党と保守党である未来統合党の両党体制に再編され、2022年5月19日基準で第21代国会で院内交渉団体は共に民主党と国民の力の両党のみが存在し、その他政党は非交渉団体である状況である。
議員の兼任の禁止
韓国では国会法第29条第1項に基づき、国会議員は国務総理、国務委員を除く公職を兼ねることができない[13]。例えば、非国務委員の大統領室秘書官または地方公共団体の首長などは兼任できないため、これらの職に就く予定がある場合は国会議員を辞職しなければならない。ただし、公益目的の名誉職、他の法律で議員が任命・委嘱されるよう定めた職、政党法による政党幹部などの政党職を兼任することができる。国会法第29条第3項によると、議員は当選前から上記の公職・名誉職(政党職を除く)を務める場合は任期開始後の1か月以内に、任期中にこれらの職を務める場合はすぐに議長に書面で申告しなければならない。なお、これら以外の公共機関の運営に関する法律第4条に基づく公共機関(韓国銀行を含む)の役職員、農業協同組合法・水産業協同組合法による協同組合、その中央会または付属会社の役職員、政党法第22条第1項により政党の党員となることができる教員などは国会法第29条第2項により、国会議員の任期開始日までにその公職を休職又は辞職しなければならない[13]。
また、国会法第29条第1項に基づき、議員はその職務以外に営利を目的とする業務に従事することができない。ただし、議員本人が所有する土地・建物等の財産を活用し、賃貸業などの営利業務をする時、議員の職務遂行に支障がない場合は従事することができる。国会法第29条第3項によると、当選前から上記の営利業務に従事する場合は任期開始後1ヶ月以内に、任期中に営利業務に従事する場合はすぐに議長に書面で申告しなければならない。上記以外の営利業務に従事する場合には国会法第29条の2により、国会議員の任期開始後6か月以内にその営利業務を休業又は廃業しなければならない[13]。
注釈
- ^ 第22代国会議員選挙を控え、共に民主党側の公認候補者審査過程で、党代表の李在明から金自身が下位20%に該当するという通知を受け、政治的な侮辱感を感じたとし、2024年2月19日に共に民主党から離党した。その後、3月4日に国民の力へ移籍した。
- ^ 併用制議席を30議席に限定する条項は2020年1月14日に公布された公職選挙法附則によって第21代総選挙に限り適用されたもので、第22代総選挙からは第21代国会の多数党である共に民主党代表の李在明によるいわゆる準連動型比例代表制の維持宣言で、公職選挙法第189条の2により比例代表の全議席を小選挙区比例代表併用制で配分する予定となる。
- ^ 参議院は1952年の改憲によって新設されたが、野党への牽制から当時の李承晩大統領が参議院開設に必要な法改正・議員選出選挙を行わなかったので、第一共和国時代が終わるまで設置されなかった。
- ^ 地方区の国会議員選挙で5人以上当選者を輩出した政党は、比例代表国会議員選挙で政党名簿投票の結果、3%未満得票したとしても比例代表議席を例外的に配分する。
- ^ a b 第21代国会前半期の院構成に至ってこの慣例が破られ、第1党の民主党が国会議長団と国会委員長団の両方を占めることになった事件が起きたが、2021年夏に院構成の再交渉が行われ、与野党の議席数に応じて国会議長団および国会委員長団が配分されることになった。
- ^ 日本では法案を作る際に、各議会に付いている法制局で議員の補佐機関として法案の体系を整え、常任委員会に渡して審議し、議決を経て法案が成立するが、韓国では法案の体系を整え、法案が上下法令と衝突しないか、法案の文言に誤りがないかなどの役割は国会法制司法委員会で全面的に担う。 単元制国会の下で法案の性急な通過を阻止し、十分な議論を経ることができるようにするための緩衝の役割を果たす装置を用意したという解釈があるが、そのため、各常任委員会で法案を審議しても、2次的に法制司法委員会の再審議を経てこそ本会議の議決を経ることができるが、すべての法案の再審議を法制司法委員会で引き受ける点を勘案し、特定党の国会運営独走を阻止するために国会議長が所属する政党と法制司法委員会委員長が所属する政党は分離するのが慣例になってきた。
- ^ 盧武鉉政権(参与政府)以降は慣例上、国会の第1党の最多選議員の中からの候補者を党内で選出し、国会議長候補者として指名する。指名された候補者は国会本会議で議長選挙を経て最終的に選出される。
- ^ 金大中政権以降は憲法上、三権分立の一角である立法府の首長が退任後に公職に引き続き就くことは適切でないという理由などで、国会議長職を務めた人物の大半は議長職を退任した後、議員の任期満了と共に政界を引退するのが慣例になっている。それ以前は、国会議長経験者が議長退任以降に新たに実施される総選挙にも立候補したことがあり、それぞれ異なる会期の国会で議長として再選出されるケースもあった。
- ^ 不名誉な事件に関わったと疑われる直前、国会議長の朴の自主辞任で前任者の残任任期があまり残っておらず、第18代国会任期満了を控えた時点であり、当時与野党間の合意を通じて後任者を選挙せず、国会法によって多数党の国会副議長資格で2012年2月27日以降任期満了時まで国会議長の職務権限を代行した。
- ^ 国会法制司法委員会委員長選出過程で韓国の民主化以後、第6共和国以来政治的慣例だった第2党配分の前例が守られず、共に民主党が国会委員長職全てを占める事件が起き、当時未来統合党が第2党担当国会副議長選出にボイコットして空席だったが、2021年7月に与野党間の院構成に関する合意がなされ、国会第2党である国民の力で最多当選議員に属する鄭鎮碩が国会副議長に選出された。
出典
- ^ 김철선 (2024年3月4日). “김영주 부의장 與 입당…"정치가 사리사욕 도구로 쓰여선 안돼"(종합)” (朝鮮語). 연합뉴스. 2024年3月4日閲覧。
- ^ “공직선거법”. www.law.go.kr. 2022年5月26日閲覧。
- ^ “'준연동형 비례제' 이번엔 캡 벗었다…계산법은 킬러문항”. NEWS1. 2024年2月5日閲覧。
- ^ “選挙権年齢が18歳以上に” (日本語). 聯合ニュース. (2020年2月3日) 2021年7月14日閲覧。
- ^ “[社説]35年ぶりに政権党の民主党が国会委員長職をすべて総なめする…。 後始末をどうするつもり?(韓国語記事)”. 世界日報. (2020年6月29日) 2020年6月29日閲覧。
- ^ a b “與, 결국 법사위원장 선출 강행… 왜 이렇게 법사위에 집착할까?”. 韓国日報. (2020年6月16日) 2020年6月16日閲覧。
- ^ “(법사위 바꾸자)③전문가들 "'법사위 꼬장' 없애야 일하는 국회된다"”. newstomato.com. 2021年7月29日閲覧。
- ^ 奥村牧人「大韓民国の議会制度」、国立国会図書館発行『レファレンス』(平成21年8月号)99頁
- ^ “与党非主流派29人が離党と新党結成宣言 4党体制に=韓国”. 聯合ニュース. (2016年12月27日) 2016年12月29日閲覧。
- ^ “与党離党議員が総会開催 新党の院内代表選出=韓国”. 聯合ニュース. (2016年12月27日) 2016年12月29日閲覧。
- ^ “民主平和党と正義党が共同交渉団体を構成、代表に魯会燦氏”. 東亜日報(日本語版). (2018年3月30日) 2018年4月4日閲覧。
- ^ “'평화와 정의' 공식 출범…"폐쇄적 국회에 새 바람 일으키겠다"('平和と正義'公式発足…"閉鎖的な国会に新しい風起こしたい")”. 朝鮮日報(本国版). (2018年4月2日) 2018年4月4日閲覧。
- ^ a b c “의원 겸직 및 영리업무 종사” (朝鮮語). 제20대 국회개원. 2022年5月20日閲覧。
- ^ a b c “국회의장 소개 선출과 역할 - 국회의장 - 의원활동 - 대한민국국회”. www.assembly.go.kr. 2022年5月25日閲覧。
- ^ “국회법”. www.law.go.kr. 2022年5月25日閲覧。
- ^ 2012年1月、2008年に行われたハンナラ党の代表選挙で買収工作を行ったとの疑惑が浮上。同年2月9日に辞任。“韓国国会議長が辞任 現金買収工作疑惑で”. 聯合ニュース. (2012年2月9日) 2012年2月10日閲覧。
- ^ “国会、1年3ヵ月ぶりに議長団·常任委員長団正常化(韓国語記事)”. 아주경제. (2021年8月31日) 2021年8月31日閲覧。
- ^ 李俊錫国民の力前代表を対象にした国民の力党員倫理委員会の懲戒処分をめぐる党内葛藤と、これによって起きた裁判所の仮処分決定審議などの事件が発生し、李俊錫国民の力代表は代表としての権限をすべて失い、その過程で党指導部の役割を果たす非常対策委員会が発足したが、 第2党担当国会副議長を務めていた鄭鎮碩が非常対策委員会委員長に推戴され、鄭鎮碩が国会副議長職と与党代表の職務を事実上引き受ける与党非常対策委員会委員長職を兼職するのは正しくないという主張が提起され、鄭鎮碩が国会副議長職を辞任し、続いて実施した国会副議長補欠選挙で鄭宇沢議員が当選し、第21代国会任期満了日まで国会副議長職を遂行する予定だ。“韓国 きょうのニュース(10月25日)”. 聯合ニュース. (2022年10月25日) 2022年10月25日閲覧。“「非常対策委員長兼国会副議長」鄭鎮碩··「辞退」の代わりに「兼任しない」と言う理由は?(韓国語記事)”. 京郷新聞. (2022年9月13日) 2022年9月13日閲覧。
- ^ 국회의원 배지 '國→국회'로 바뀐다
- ^ '國→국회'로…의원 배지 한글화, 운영위 전체회의 통과
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