伝染るんです。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 00:26 UTC 版)
概要
起承転結が絶対条件だった従来の4コマ漫画の常識を覆し、不条理ギャグ漫画というジャンルを確立させたパイオニア、記念碑的な作品として評価されている。連載開始後は多くの亜流を生み、漫画界のみならずお笑い界や芸能界、CM業界などにおいても同様のテイストを持った表現を広めることとなった。このことから「ギャグ」に対するパラダイムシフトと考えられている。
名前の由来は、富士フイルムの「写ルンです」。竹熊健太郎と、漫画の担当編集者・江上英樹の会話から生まれたネーミング。第一巻のあとがきによると、吉田自身は「スキップ魂」というタイトルで決めていたとのこと。
1990年に東京の原宿に『伝染るんです。』のキャラクターショップ「かわうそ屋」が開店。単行本では1990年当時の吉田の年齢は“42歳”と表記されていたが、このキャラクターショップの開店セレモニーに出席した際に、吉田の当時の実年齢は“27歳”であることが判明した。
1992年3月6日にはタカラより、ファミリーコンピュータ用ゲームソフト・『伝染るんです。かわうそハワイへ行く』が発売された。同年6月25日、オリジナルビデオソフト・『伝染るんです。ビデオ』(タカラ映像事業部)なども発売された。
2012年には東日本大震災復興支援企画「ヒーローズ・カムバック」の第3弾作品として、18年ぶりの新作「伝染るんです。外伝『サラマンダー』」がビッグコミックスピリッツに掲載された。
かわうそをはじめとした本作のキャラが登場する別作品として『山田シリーズ』が挙げられる。
作中のギャグ「下の人などいない!」は「中の人」というインターネットスラングの元ネタ。
2021年4月3日、東京新聞にて「かわうそセブン」として土曜と日曜の朝刊にカラーの4コマ漫画として連載を開始した(月に一回程度、休刊日の前日などに休載としていた)。2022年7月8日からWEB連載が開始され、毎月第2・第4金曜日に更新。同時に、紙上では土曜のみ連載となるも、2024年2月24日で連載が終了した。
- ^ 『伝染るんです。』 5巻、小学館〈小学館文庫〉、1997年。ISBN 4-09-192345-3。
- ^ a b “古田新太がかわうそ役!? 吉田戦車の漫画『伝染るんです。』実写化決定”. ORICON NEWS. (2009年9月28日) 2017年12月11日閲覧。
- ^ 「慎の父・貫一が1巻での息子の仕事ぶりをみかねてきっちり造った」という設定。巻末のクレジットも「祖父江貫一」名義になっている。ただし内部の装丁は、1巻目同様に引き続いて奇抜なものとなっている。
- ^ 「良いものだ」という称賛の意味ではなく、「もうよいではないか」という辟易の意味。
- ^ 登場時のコマ内に決まって「たけひろ(オール5)」と書き込まれている。
- ^ ほかのコマで別の子どもが好きなものを「巨人」「卵焼き」と答えており、(発表時点で)20年以上前の「子どもの定番」とされた「巨人・大鵬・卵焼き」に引っかけたギャグである。
- ^ そのため尻は濡らさずに済んだが、代わりに頭部と胴が濡れた。
- ^ 彼が考案した、犬をひもでつないで歩く行為。しかし周囲からは「犬の散歩」と認識される。
- ^ a b “『伝染るんです。』携帯コンテンツdwango.jp各サイトにて 7月6日より 先行独占配信”. 株式会社ドワンゴ. 2017年12月11日閲覧。
- ^ a b “アニメ『伝染るんです。』、モバイルサイト"dwango.jp"で先行配信開始”. マイナビニュース. (2009年7月6日) 2017年12月11日閲覧。
- ^ “COSPA×FLYER vol.1 カンニング竹山×『伝染るんです。』”. PARCO-CITY FLYER. 2017年12月11日閲覧。
- ^ “BeeTV 伝染るんです。official site”. ULM Co.,Ltd.. 2017年12月11日閲覧。
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