仙台城 概要

仙台城

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/08 22:04 UTC 版)

概要

慶長年間に伊達政宗が築城してから、廃藩置県廃城令までの約270年に渡り伊達氏代々の居城であり、仙台藩の政庁であった。二代藩主伊達忠宗の代に完成した仙台城は約2万坪で、大藩にふさわしい大規模な城であった。

地震などによる損害を受けながらも修復を繰り返し、奥羽越列藩同盟盟主として戊辰戦争を経るも、一度も戦火を見ることなく城としての役割を終えて、明治維新を迎えた。その後は明治から大正にかけて陸軍用地となり多くの建築物が解体された。数少ない遺構であった大手門、脇櫓、巽門は国宝(旧国宝)に指定されていたが、第二次世界大戦時の仙台空襲により焼失した。現在では、宮城県知事公舎正門に転用された寅の門の部材が残るのみである。

仙台城跡の土地の権利関係は複雑であり、仙台城跡のうち仙台市が所有している区画(青葉山公園)はごく一部である。戦前の経緯から宮城県護国神社国立大学法人東北大学が所有している区画が多く、現在でも本丸と二の丸の中に境界が存在している。

「青葉城」という雅称を持ち、宮城県護国神社は当地を「青葉城」または「青葉城址」と呼称している。一方、青葉山公園として当地を管理している仙台市は「青葉城(青葉城址)」ではなく「仙台城跡」と呼称している。2003年に国の史跡「仙台城跡」として登録される前は「仙台城址」とも呼称され、現在でも青葉通地下道の案内等に名残がある。このため同一の城跡でありながら複数の案内表記が存在しており、両者を併記する例も見られる。

三の丸にある仙台市博物館の周囲には堀や石垣が見られる。ここから徒歩で青葉山の山道を登っていくと、山頂に築かれた巨大な本丸の石垣が目の前に現れる。本丸からは、東方面に仙台市中心部と仙台平野、天気が良ければ太平洋まで一望することが出来る。北方面の二の丸跡地は現在は東北大学の敷地となっているが、このうち東側の東屋付近とロータリーの北東部分は同大学ではなく仙台市が所有する青葉山公園の飛び地となっている。

また、空襲で焼失した大手門や大手門脇櫓、土塀や明治時代に焼失した本丸御殿、門、櫓、土塀の木造復元計画もある。


  1. ^ a b 仙台城跡 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 仙台城跡関連年表”. 仙台市. 2020年12月2日閲覧。
  3. ^ 小林清治「仙台築城の歴史的意義」『伊達政宗の研究』(吉川弘文館、2008年) ISBN 978-4-642-02875-2 P202-213
  4. ^ 伊達政宗の胸像、「仙臺緑彩館」へ引っ越し 26日にお披露目”. 河北新報. 2023年4月14日閲覧。
  5. ^ 夜の杜の都味わって河北新報
  6. ^ 仙台城跡 夜の観光魅力アップ企画をDC以降も継続します(仙台観光コンベンション協会)
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  8. ^ a b INC, SANKEI DIGITAL (2020年5月10日). “【千田嘉博のお城探偵】伊達政宗の仙台城 強き独眼竜の志(2/2ページ)”. 産経ニュース. 2022年9月24日閲覧。
  9. ^ 西ヶ谷恭弘著『ポケット図鑑 日本の城』主婦の友社、1995年
  10. ^ a b 仙台城・脇櫓も建て替えへ 大手門と一体で復元
  11. ^ a b “仙台城”大手門復元 仙台市は「脇櫓」を解体し一体整備 「脇櫓」屋根が史実とは異なる形状と判明
  12. ^ 光明山孝勝寺|宮城県仙台市”. 光明山孝勝寺|宮城県仙台市. 2021年3月11日閲覧。
  13. ^ 旧仙台城板倉 - 仙台市の指定・登録文化財”. www.sendai-c.ed.jp. 2021年3月11日閲覧。
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