仙台城 考古資料

仙台城

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 07:16 UTC 版)

考古資料

城郭遺構

現在、仙台城址は青葉山公園として整備されているが、二の丸が東北大学川内キャンパス、三の丸が仙台市博物館としてそれぞれ利用されている。本丸から三の丸にかけて石垣および土塁が現存し、三の丸には長沼および五色沼と呼ばれる水堀が残る。馬場の跡地については川内追廻を参照。

太鼓塀については明治以降のものか江戸期のものか判断が分かれるところである。

城内に残された建造物は第二次世界大戦頃までにすべてが失われたが、寅の門が宮城県知事公館の門(県指定有形文化財)として移築され現存する。この門は以前は二階建ての楼門形式であった。また、本丸搦手の辰ノ口門が満興寺山門として、山門が孝勝寺山門として[10]、二の丸勘定所の板倉と伝えられる建物(県指定有形文化財)が宮城野区岩切の民家[11]に移築現存する。

この他、勾当台地区にあった藩校養賢堂正門が、泰心院山門(市指定有形文化財)として移築され現存する。

古代遺構

仙台城の遺構ではないが本丸跡や二の丸跡で実施された発掘調査で、縄文土器、石器、弥生土器が出土している[2]。また、発掘調査で二の丸跡西側には平安時代に窯があった可能性が指摘されている[2]

復元

大手門脇櫓再建

1964年(昭和39年)に、民間の寄付を募って大手門脇櫓が復元された。これが江戸時代の姿を示す唯一の建築である。向かいに石垣があるため、脇櫓と石垣の距離をもって往時の大手門の大きさをしのぶことができる。脇櫓を復元し仙台市に寄付した期成会は、次に大手門の復元を計画したが、資金と用地の問題があって果たせなかった。

本丸北壁石垣修復

1990年代になると本丸の石垣崩落のおそれが出てきたため、石垣の状況をモニターするセンサーが取り付けられた。その後、1998年度から2003年度までの工期で石垣の解体修理が実施された。この修理は、元の石材一つ一つに番号を付け、可能な限り保存を優先して行われた。この過程で、3期にわたる石垣の存在が確認され、過去に数度の修復が行われていたことが分かった。

工事終了後、本丸北東隅にあった艮櫓(うしとらやぐら)を復元する計画であったが、石垣調査によって、艮櫓は第三期石垣の上には存在しなかったことが判明した。第一期と第二期の石垣は第三期の石垣より後ろにひっこんだ位置にあるため、復元しても櫓が下から見えなくなり、景観も合わない。さらに、櫓の基礎工事が貴重な遺跡である石垣の基礎部分を破壊することになるという懸念も出てきた。城跡の市有地部分が国の史跡に指定されたことに伴い、史跡保存の意見が優勢となり、艮櫓復元は着工前の2003年5月に中止になった。

石垣修理の成果もあってか、東日本大震災とその余震においても、本丸の巨大な石垣は、大きな被害を受ける事はなかった。真下の県道は普段から交通量が多く、震災当時は交通が混乱し多くの車両や人で渋滞していたが、繰り返す余震にも関わらず人的被害は出なかった。

本丸御殿の中心的な建物だった「大広間」の発掘調査が行われ、その成果を元に建物規模や部屋割りが地面に表示された。大広間は430畳もある大型の御殿建築である。大広間は取り外しのできる障壁画が現存している他、平面図と立面図もあるので復元の期待が持てる建物である。

大手門復元計画

仙台市教育委員会は2021年度から2038年度までの整備基本計画で大手門の復元を計画している[12]。2021年度から基礎調査が行われる[12]。昭和初期の写真と照合すると現在の再建された隅櫓と形状が異なる事が分かり大手門の再建と一体的に再建されることになった[13][14]

景観

現在、本丸は公園として整備され、石垣の端部には危険防止用の柵が設置されているのみである為、仙台市街の景観を広範囲に見渡す事が出来る。同時に、当時の藩都を囲む神社仏閣、河川を合わせた防衛施設の連携を垣間見る事も可能である。

本丸の伊達政宗騎馬像付近の展望台からの眺望。仙台市都心部を西南西方向から眺めている。遠くには仙台湾も見ることができる。



  1. ^ a b 仙台城跡 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 仙台城跡関連年表”. 仙台市. 2020年12月2日閲覧。
  3. ^ 小林清治「仙台築城の歴史的意義」『伊達政宗の研究』(吉川弘文館、2008年) ISBN 978-4-642-02875-2 P202-213
  4. ^ 夜の杜の都味わって河北新報
  5. ^ 仙台城跡 夜の観光魅力アップ企画をDC以降も継続します(仙台観光コンベンション協会)
  6. ^ http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110319t13055.htm
  7. ^ 西ヶ谷恭弘著『ポケット図鑑 日本の城』主婦の友社 1995年
  8. ^ 仙台城・脇櫓も建て替えへ 大手門と一体で復元
  9. ^ “仙台城”大手門復元 仙台市は「脇櫓」を解体し一体整備 「脇櫓」屋根が史実とは異なる形状と判明
  10. ^ 光明山孝勝寺|宮城県仙台市” (日本語). 光明山孝勝寺|宮城県仙台市. 2021年3月11日閲覧。
  11. ^ 旧仙台城板倉 - 仙台市の指定・登録文化財”. www.sendai-c.ed.jp. 2021年3月11日閲覧。
  12. ^ a b “市道仙台城跡線の廃止を検討へ 大手門復元計画”. 河北新報 (河北新報). (2020年12月2日). https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202012/20201202_11017.html 2020年12月2日閲覧。 
  13. ^ 仙台城・脇櫓も建て替えへ 大手門と一体で復元
  14. ^ “仙台城”大手門復元 仙台市は「脇櫓」を解体し一体整備 「脇櫓」屋根が史実とは異なる形状と判明


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