亜寒帯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 15:16 UTC 版)
植生と土壌
- トレワーサによる細分により、亜寒帯地域の植生と土壌を区分して説明することができる。
- 湿潤大陸性気候(Da、Db)に属する地域(おもに南部)では、針葉樹林と広葉樹林の混合林が広がり、肥沃な褐色森林土が分布している。
- 亜寒帯気候(Dc、Dd)に属する地域(おもに北部)では、タイガと呼ばれる針葉樹の純林(単一樹種が大半を占める森林)が形成され、寒冷な気候のため有機物の分解が進まず、溶脱作用によって酸性のポドゾルと呼ばれるやせた灰白色の土が多くを占める。地下には年間を通じて凍結したままの永久凍土が広がる。地球温暖化の進行とともに永久凍土が解けて閉じこめられていた有機物が分解し、強力な温室効果物質であるメタンとなって大気中に放出されるという悪循環の形成が報告されている。
主な農作物
土地がやせて穀物生産など農作物栽培に向かない地域や月平均気温10℃以上が3ヶ月以下(Dc,Dd気候)の地域では放牧や酪農が行われる。地域によっては、冷涼な気候に強いジャガイモ・ライ麦・蕎麦などが栽培されているところがある。北海道や中国東北部など、比較的低緯度で夏季に高温湿潤となる地域では稲作も行われている。
酪農は主に大消費地に近い地域、放牧はそうでない地域で行われている。
参考文献
- 矢澤大二『気候地域論考―その思潮と展開―』古今書院、1989年11月20日、738pp. ISBN 4-7722-1113-6
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