ルパート・マードック 政治的立場

ルパート・マードック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 13:09 UTC 版)

政治的立場

1970年代半ばまでは、マードックのグループ各紙は左派であるオーストラリア労働党イギリス労働党支持だったが、その後は右派であるオーストラリア自由党イギリス保守党支持に回っている。マードックは「リベラルどもを潰そう」とも発言している。一般的に傘下の21世紀フォックスなどが親米・親イスラエルなどの姿勢をとり、これまでロナルド・レーガンマーガレット・サッチャージョージ・ウォーカー・ブッシュデービッド・キャメロンといった新保守主義新自由主義の政治家を支持してきており、マードック本人も保守主義者であるとされる。しかし、保守主義者ながら反王制であることでも有名で、特にイギリス王室に対する報道は激烈である。このように、日和見とも言える態度がしばしば批判の対象となっている。

マードック本人は、自身の政治的立場を「リバタリアニズムの信奉者」だと述べている[4]

私生活

彼はこれまでに4回結婚している。

1956年にパトリシア・ブッカーと結婚し一女(プルーデンス・マードック)をもうけたが1967年に離婚した。この結婚に関しては彼は多くを述べていない。

同年、社員でエストニア移民出身の若い女性、アンナ・トーヴと結婚し、エリザベス(1968年生まれ)、ラクラン(1971年生まれ)、ジェームズ(1972年生まれ)の二男一女をもうけている。アンナ夫人とは1999年に離婚し17億ドルにのぼる慰謝料を支払った。

その半月後、当時70歳のマードックは当時30歳のウェンディ・デン(鄧文迪、1969年に中国徐州に生まれ広州で育ち、米国に留学したあと、香港のスターTVの副社長を務めていた)と結婚している。ウェンディとの間にはグレース(2001年生まれ)とクロエ(2003年生まれ)の二女が生まれている。2013年6月、ウェンディとの離婚をニューヨーク州高等裁判所に提出した[5]

2015年10月25日ローリング・ストーンズボーカルミック・ジャガーの元妻で元モデルのジェリー・ホール (Jerry Hallとの交際が報じられ、2016年1月12日、同日発行のタイムズで婚約を発表、3月5日にロンドンで結婚した。婚約の6年後、2022年に離婚した[6]

2023年3月にはアン・レスリー・スミス氏にプロポーズしたものの、2週間後に婚約を破棄した[7]

2024年3月、3人目の妻であるウェンディ・デンを通じて知り合い、前年夏より交際していたロシア出身の元分子生物学者であるエレナ・ジューコワと婚約を発表、同年6月1日カリフォルニア州ベルエアにある自身のワイナリーで挙式した[8]

エリザベス、ラクラン、ジェームズの三人はそれぞれニューズ・コーポレーション内の重役となり父の後継者の座を争ったが、次男ジェームズを除く二人はすでにグループを離れ独自のビジネスを進めており、ジェームズが後継者とみなされている。エリザベスは一度離婚し、イギリスの中堅規模の広告会社「フロイド・コミュニケーションズ」の創設者でジークムント・フロイトの曾孫にあたるマシュー・フロイト (Matthew Freud(1963年生まれ)と結婚している。

メディア上での描写

  • 自身が所有するFOXネットワークの人気番組で、様々な米英の有名人が本人役でゲスト出演する『ザ・シンプソンズ』においては「わしが世界征服を企む悪のメディア王、ルパート・マードックである」[9]というセリフを喋った事もあり、ユーモアには一定の理解を示す人物である(シンプソンズのスタッフをはじめ、FOXネットワーク等の関係者には民主党支持のリベラル派で反マードックを表明する者も少なくないにもかかわらず)[10]
  • 映画『007トゥモロー・ネバー・ダイ』に登場する、英中間に戦争を起こさせ、それらを独占報道することで莫大な利益を得ると共に、戦後の中国での放映権を獲得しようと画策するメディア王のエリオット・カーヴァーは、ルパート・マードックのライバルだったロバート・マクスウェルがモデルとされているが、ルパートを皮肉った部分も持ち合わせている[11]
  • FOXテレビのロジャー・エイルズのセクシャルハラスメントを描いた『スキャンダル』では、ルパート・マードック役をマルコム・マクダウェルが演じた。冒頭シーンでは、メディア・コングロマリットとしてニューズ・コーポレーション社のビル全体の紹介がなされる。また、息子のラックラン・マードックジェームズ・マードックなども演じられ無能の兄弟と揶揄されている。

  1. ^ “「メディア王」FOX社ルパート・マードック会長が退任 後任は長男のラクラン氏”. FNNプライムオンライン. (2023年9月22日). https://www.fnn.jp/articles/CX/590034#goog_rewarded 2023年9月23日閲覧。 
  2. ^ ディズニーが21世紀フォックスの買収を完了(TechCrunch 2019年3月21日)
  3. ^ バーンド・デバスマン・ジュニア、ケイティー・ラザル (2023年9月22日). “「メディア王」マードック氏が米FOXの会長退任へ 後任は長男”. BBCNEWS JAPAN. 2023年9月22日閲覧。
  4. ^ https://www.sourcewatch.org/index.php?title=Rupert_Murdoch#Murdoch.27s_politics
  5. ^ メディア王ルパート・マードック、三度目の離婚へ 慰謝料に注目!?
  6. ^ Jerry Hall files for divorce from Rupert Murdoch in US court” (英語). the Guardian (2022年7月2日). 2022年8月16日閲覧。
  7. ^ メディア王マードック氏が5回目の結婚、元学者ジューコワ氏とワイナリーで挙式”. CNN.co.jp. 2024年6月7日閲覧。
  8. ^ 御年93歳の元メディア王、ルパート・マードックが5回目の結婚! 新婦は元妻の紹介”. 25ans (2024年6月6日). 2024年6月7日閲覧。
  9. ^ [1] 原語ではRupert Murdoch, the billionaire tyrant.
  10. ^ https://thinkprogress.org/2007/10/01/the-simpsons-sucks-up-to-rupert-murdoch/
  11. ^ 町山智浩『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』文藝春秋、2008年 p194






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