リック・ディアス
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リック・ディアス (RICK DIAS) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型機動兵器「モビルスーツ (MS)」のひとつ。初出は、1985年に放送されたテレビアニメ『機動戦士Ζガンダム』。
注釈
- ^ このデザインはのちに藤田一己によってクリンナップされ、百式と命名されて本編に登場した。
- ^ 小説では、ブレックス・フォーラ准将がガンダリウム・ガンマを使用した初めてのMSなので「ガンマ・ガンダム」という名称を提案したが、シャア・アズナブルによって「リック・ディアス」という別のコードネームが採用されたことになっている。
- ^ このことは、放送当時に発売されたプラモデルを永野自身が改造してシュツルム・ディアスを製作した際に明かしている[7][要ページ番号]。
- ^ ドムタイプにガンダム系の機能を掛け合わせた機体とも呼ばれる[18]ほか、クワトロによってAE社にもたらされたドワス改が原型とした媒体もみられる[19]。
- ^ この呼称は、ガンダリウムγの採用と、RX-78ガンダムとガンダムGP02をα、βと数えて(リック・ディアスの開発にはGP02にも携わった旧ジオン公国系技術者が多く参加していた)3番目のガンダムとしたことに起因している[23]。この際の命名以降、νガンダムまでのAE社製ガンダムにはギリシア・アルファベットを冠したコードネームが慣例となった[14]。
- ^ 機種名の冠詞「リック」(RICK)は「MS-09R リック・ドム」と同じく宇宙用を意味する[24]が、宇宙戦専用であった「リック・ドム」と違い、本機の実際の仕様は汎用機であり、地球上の大気圏内・有重力下でも運用に支障はない。
- ^ この命名の経緯はアニメと若干ストーリーの異なる小説版で語られたものであり、アニメの劇中では語られないものの、『機動戦士ガンダムΖΖ』の第1話「プレリュードΖΖ」などで確認できるうえ、関連資料でも設定として記載されている。ただし、「ディアス」に関しては「エゥーゴの活動が折り返し地点に到達した」云々といった記述は小説版にはなく、ブレックスから意味を問われたクワトロ自身は「喜望峰の発見者でそういった名前の人がいた」といった程度の認識で、「ゴロで意味はない」とする趣旨の発言にとどめている。
- ^ 当時の地球連邦軍における型式番号の命名規則は、各開発拠点に割り当てられた10-19の数値の後に開発順で1桁の数字がつけられる方式がとられているが、09で始まる基地は存在しない。なお、MSA-009とする資料もある[28][29]。
- ^ 一方で、基本フレームは地球連邦軍の規格を流用し、経費削減と製造期間の削減を図ったとする資料も存在する[12]。
- ^ 第4話を参照。
- ^ 第13話を参照。
- ^ 『U.C. ARMS GALLERY 03』では、スペックでの出力は百式のビーム・ライフルBR-M-87と同じ2.8MWとされるが、本文ではM-87の出力はL-86の2倍とされている。
- ^ a b ビーム・サーベルの設定画より[38]。
- ^ 月刊「コミックボンボン」別冊『Ζガンダムを10倍楽しむ本』の永野護によるピンナップに見られる。また、アニメ『ガンダムビルドファイターズ』第3話にてこの使用方法が再現されている。
- ^ 連載時のみでムックには未収録。
- ^ ビーム・ピストルの形状は『SD CLUB』第12号掲載小説の挿絵で確認できるが、上方からのみで量産型のものとの判別は難しい。
- ^ 膝アーマーがガルバルディβのもので、下腕部の形状も通常機と異なる。
- ^ 以上が「移動用ロケット推力」。ほかに「スラスター推力」として「7,900kg×2」が記載されているが、総推力には計上されていない。なお、『RE/100 MSK-008 ディジェ』付属説明書では総推力を「74,000kg(ロケット)+15,800kg(ジェット)」としている。
- ^ アムロ用の1機のみ開発されたとする資料もみられる[76]。
- ^ 旧1/144やRE/100のプラモデルでの成型色は、ライト・ブルーに近い。
- ^ ただし "Constantly changing" と英文表記。
- ^ a b c ただし "Undisclosed" と英文表記。
出典
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- 1 リック・ディアスとは
- 2 リック・ディアスの概要
- 3 試作機・バリエーション
- 4 ディジェ
- 5 脚注
固有名詞の分類
- リック・ディアスのページへのリンク