ユニコーン 出典

ユニコーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 09:18 UTC 版)

ユニコーン英語: Unicorn, ギリシア語: Μονόκερως, ラテン語: Ūnicornuus)は、一角獣(いっかくじゅう)とも呼ばれ、額の中央に一本のが生えたに似た伝説の生き物である。語源はラテン語の ūnus 「一つ」と cornū 「角」を合成した形容詞 ūnicornis (一角の)で、ギリシア語の「モノケロース」(モノセロス[1] から来ている。非常に獰猛であるが人間の力で殺すことが可能な生物で、処女の懐に抱かれておとなしくなるという。角には蛇などの毒で汚された水を清める力があるという。海の生物であるイッカクの角はユニコーンの角として乱獲されたとも言われる。


  1. ^ ギリシア語 Μονόκερως = μόνος 「一つ」+ κέρας 「角」
  2. ^ 偶蹄目の蹄。よく「割れている」と誤解されるがそうではなく、ヒトで言えば中指と薬指に相当する。
  3. ^ ゾウと戦うユニコーン。『クイーン・メアリー詩篇集』(The Queen Mary Psalter)第100葉裏より、1310 – 1320年頃、大英図書館蔵。
  4. ^ プリニウスの『博物誌』(Naturalis historia)第8巻第29(20)章第71節アエリアヌスの『動物の特性について』(Περὶ Ζῴων Ἰδιότητος)第17巻第44章 では、サイゾウとの戦いに備え、角を岩で研ぐとある。
  5. ^ アルベルトゥス・マグヌス 『動物について』(De animalibus)第22巻第2部第1章第106節「ユニコーンについて」 より。
  6. ^ 尾形希和子 『教会の怪物たち』 講談社〈講談社メチエ〉、2013年、90頁。
  7. ^ レオナルド・ダ・ヴィンチ一角獣をつれた貴婦人」 1470年代、ペン画、アシュモレアン博物館、オックスフォード
  8. ^ Odell Shepard, The Lore of the Unicorn, London: Merchant Book Company Limited, 1996. シェパードは一角獣の方を unicorn、その武器である角の方を古いイタリア語の形式の alicorno (ポルトガル語では alicornio)に基づいて、alicorn と使い分けている。
  9. ^ ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ『パルチヴァール』(加倉井粛之、伊東泰治、馬場勝弥、小栗友一 訳) 郁文堂 1974年 ISBN 4-261-07118-5。改訂第5刷 1998年、256頁上・下、482-483詩節。
  10. ^ アストラガロスΆστραγάλους)とは、くるぶしの間にある距骨(ターロス、Talus)と呼ばれる動物の骨の部分で、古代ギリシア人やローマ人は、この骨をサイコロとして使っていた。
  11. ^ ここに出て来るヘラジカ(Alces)には、後肢の膝関節がなく、一度横たわると二度と起き上がれないと言う(カエサル『ガリア戦記』第6巻第27節)。これと似た話が プリニウスの『博物誌』第8巻第16(15)章第39節 にも見られる。そこにはアクリス(Achlis)というヘラジカに似た生き物が紹介されているが、後肢の関節を持たないことなどカエサルの言うヘラジカ(Alces)と内容が一致している。
  12. ^ 逸名作家『西洋中世奇譚集成 東方の驚異』(池上俊一訳)講談社学術文庫 2009 (ISBN 978-4-06-291951-7)、122頁。
  13. ^ 中世のラテン語訳聖書では h が付いたり付かなかったりする。
  14. ^ ノアの方舟に乗らないユニコーンたち。Tobias Stimmer, Neue künstliche Figuren Biblischer Historien, Basel 1576 の中の木版画。ユニコーンのつがいが、ノアの方舟に乗り込むことを拒否している。
  15. ^ バールラームとヨサファートの物語は、中世ヨーロッパにおいて、沢山の異本が知られており、6世紀のビザンチンに起源を持つという。さらに、いくつかの物語は、仏陀の生涯にかなり類似しているという。
  16. ^ The Worshipful Society of Apothecaries of London






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