マカオ 地理

マカオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 15:13 UTC 版)

地理

1990年代のマカオの地図
現在のマカオの地図

南シナ海に面するマカオは、中心地となる半島部と、タイパ島とコロアネ島の間を埋め立ててつなげた島からなる。半島部は、東には珠江(パールリバー)、西には西江があり、中華人民共和国の本土の珠海経済特区と隣接している。

1970年代以降に大規模な埋め立てが行われたため、マカオの地形は概ね平坦であるが、険しい丘が多数あり元の地形の名残をとどめている。マカオ半島はもともと島だったが、徐々に砂州が伸びてゆき、狭い地峡になり、その後の埋め立てにより狭い水路を残して大陸と一体化した(陸繋島)。

マカオは高度に構造物が密集した都市であり、耕地、放牧地はなく、実質的に農業はほとんど行われていない。このために、マカオの人々は伝統的に海に目を向けて生計を立ててきた。

行政地域

マカオの行政区分地図

かつては、半島部を澳門市、その他島嶼部を海島市とした基礎自治体により構成されていたが、2002年に両市は廃止され、全域を民政総署が管轄することとなった。

法人的地位を持たない行政区画としては、そこにある代表的な教会堂を冠した七つの堂区 (Freguesia)タイパ島およびコロアネ島をつなぐ埋立地であるコタイ地区、中国本土にある澳門大学並びに帰属未定の埋立地(マカオ新城区)により構成される。

各堂区等は以下のとおり(右の地図の番号に一致)、なお澳門大学はコタイ、コロアネ島の対岸である横琴島に位置し(2014年の澳門大学移設により中国内地からマカオ特別行政区に編入)、マカオ新城区は、マカオ半島東岸およびタイパ島北岸の埋立地である。

  1. 花地瑪堂区(ファティマ堂区)
  2. 聖安多尼堂区(聖アンドレ堂区)
  3. 望徳堂区中国語版(聖ラザロ堂区)
  4. 大堂区中国語版(主教座堂区)
  5. 風順堂区中国語版(聖ロレンツォ堂区)
  6. 嘉模堂区(ノッサセニョーラドカルモ堂区)− タイパ島氹仔島
  7. 路氹城 − コタイ地区
  8. 聖方済各堂区(聖フランシスコ・ザビエル堂区)− コロアネ島(路環島)

気候

マカオは、温帯夏雨気候ケッペンの気候区分: Cwa)に属し、年間の平均湿度が75% 〜 90%[26]とかなり高い。他の華南地域同様、モンスーンの影響を強く受け、夏と冬の気温差・湿度差が、大陸内部ほどではないにせよ、顕著である。年間平均気温は22.7℃[27]であり、7月が平均気温28.9℃と最も暑く、1月が平均気温14.5℃で、もっとも寒冷な月となる[26]

マカオは中国の南岸地域に位置し、年間降雨量2120mmと多雨地帯に属する。しかし冬季はシベリア高気圧の影響を受け、比較的乾燥する。10月から11月にかけての秋季は、晴天に恵まれ、温暖で湿度も低いなど過ごしやすい季節となる。12月から3月初旬の冬季は、平均的最低気温は13℃と穏やかであるが、時折8℃を割るほど低下することもある。3月から湿度が上昇し始め、夏季は気温がかなり高くなり(しばしば、日中30℃を超える)、亜熱帯性の豪雨や時には台風に見舞われる[26]

マカオの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 17.7
(63.9)
17.7
(63.9)
20.7
(69.3)
24.5
(76.1)
28.1
(82.6)
30.3
(86.5)
31.5
(88.7)
31.2
(88.2)
30.0
(86)
27.4
(81.3)
23.4
(74.1)
19.6
(67.3)
25.2
(77.4)
平均最低気温 °C°F 12.2
(54)
13.1
(55.6)
16.2
(61.2)
20.2
(68.4)
23.6
(74.5)
25.7
(78.3)
26.3
(79.3)
26.0
(78.8)
24.9
(76.8)
22.3
(72.1)
17.8
(64)
13.8
(56.8)
20.2
(68.4)
雨量 mm (inch) 32.4
(1.276)
58.8
(2.315)
82.5
(3.248)
217.4
(8.559)
361.9
(14.248)
339.7
(13.374)
289.8
(11.409)
351.6
(13.843)
194.1
(7.642)
116.9
(4.602)
42.6
(1.677)
35.2
(1.386)
2,122.9
(83.579)
平均降雨日数 (≥0.1 mm) 6 10 12 12 15 17 16 16 13 7 5 4 133
湿度 74.3 80.6 84.9 86.2 85.6 84.4 82.2 82.5 79.0 73.4 69.3 68.8 79.27
平均月間日照時間 132.4 81.8 75.9 87.8 138.4 168.2 226.2 194.7 182.2 195.0 177.6 167.6 1,827.8
出典:SMG [28]

  1. ^ 澳門特別行政區政府統計暨普查局>統計資料>澳門主要統計指標 2018年10月8日閲覧 [1]
  2. ^ a b c The World Factbook — Central Intelligence Agency
  3. ^ 黄翊、『澳門語言研究』p3、北京・商務印書館、2007年
  4. ^ 森島守人著、『真珠湾・リスボン・東京 続一外交官の回想』、岩波新書、1956年
  5. ^ A guerra e as respostas militar e política 5.Macau: Fim da ocupação perpétua (War and Military and Political Responses 5.Macau: Ending Perpetual Occupation)”. RTP.pt. RTP. 2020年1月1日閲覧。
  6. ^ Naked Tropics: Essays on Empire and Other Rogues, Kenneth Maxwell, Psychology Press, 2003, page 279
  7. ^ 何贤:公认的“影子澳督”和“澳门王””. 环球网 (2009年12月11日). 2017年12月22日閲覧。
  8. ^ Far Eastern Economic Review, 1974, page 439
  9. ^ Far Eastern Economic Review, 1974, page 439
  10. ^ 内藤陽介『マカオ紀行 ― 世界遺産と歴史を歩く』173p
  11. ^ Macao Is A Relic Of Bygone Era Of European Gunboat Diplomacy, David J Paine, Associated Press, Daily News, May 14, 1971, page 17
  12. ^ Macao Locals Favor Portuguese Rule, Sam Cohen, The Observer in Sarasota Herald-Tribune, June 2, 1974, page 4H
  13. ^ New lease for an old colony, The Straits Times, 28 March 1980, page 15
  14. ^ マカオもてあますポルトガル 返す・・・中国は「いらぬ」『朝日新聞』1977年(昭和52年)2月3日朝刊、13版、7面
  15. ^ Entrepreneurs and Enterprises in Macau: A Study of Industrial Development, V.F.S. Sit, R. Cremer, S.L. Wong, Hong Kong University Press, 1991, page 175
  16. ^ 【中国探訪】世界の不夜城マカオのいま 革命歌が流れ、人民解放軍も人気! いったい何が”. 産経ニュース (2017年8月24日). 2018年5月2日閲覧。
  17. ^ China Regains Macau After 442 Years”. ワシントン・ポスト (1999年12月20日). 2019年3月4日閲覧。
  18. ^ Macau: Macau's Big Gamble”. TIME (1999年12月20日). 2019年3月4日閲覧。
  19. ^ Macau handover: Asia's last colony”. BBC (1999年12月20日). 2019年3月4日閲覧。
  20. ^ a b マカオ、ラスベガスを抜いて世界最大のカジノに - 香港”. AFPBB (2007年4月4日). 2020年12月7日閲覧。
  21. ^ Li, Sheng (2016). "The transformation of island city politics: The case of Macau" (PDF). Island Studies Journal. 11 (2): 522.
  22. ^ a b Chan, Kam Wah; Lee, James (2011). "Social Welfare Policy: A 'Flexible' Strategy?". Hong Kong University Press: 197–214. JSTOR j.ctt1xwg2h.20.
  23. ^ a b Ferrao, Silvia O. S.; Gaspar, Elisa Lei (2013). "Public healthcare system in Macao". 2013 IEEE 2nd International Conference on Serious Games and Applications for Health (SeGAH). pp. 1–8. doi:10.1109/SeGAH.2013.6665312. ISBN 978-1-4673-6165-1.
  24. ^ a b マカオ、市民へ現金給付継続 カジノ税収潤沢で”. 日本経済新聞 (2013年11月14日). 2019年7月26日閲覧。
  25. ^ マカオ政府、12年連続で市民へ現金配布…7月から順次=支給額は前年から11%アップの約13.6万円、カジノ税収潤沢で富の還元”. マカオ新聞 (2019年5月10日). 2019年7月26日閲覧。
  26. ^ a b c Macau Climate, Temp, Rainfall and Humidity”. Nexus Business Media Limited. 2007年12月16日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年1月6日閲覧。
  27. ^ 100 years of Macau Climate”. Macao Meteorological and Geophysical Bureau. 2011年1月10日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年2月15日閲覧。
  28. ^ 100 Years of Macao Climate”. 2011年1月10日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年2月16日閲覧。
  29. ^ “澳門特區政府頒布《維護國家安全法》 3日生效”. 中國新聞網. (2009年3月2日). http://www.chinanews.com.cn/ga/gaynd/news/2009/03-02/1584878.shtml 2019年8月11日閲覧。 
  30. ^ 人民解放軍、マカオで災害出動 返還後初めて日本経済新聞アジアニュース(2017年8月25日)
  31. ^ The World Factbook
  32. ^ "GDP per capita, PPP (current international $)", World Development Indicators database”. 2015年11月5日閲覧。
  33. ^ Scott, Ian (2011). "Social Stability and Economic Growth". Gaming, Governance and Public Policy in Macao: 1–16.
  34. ^ 消費税0%で、住民には年12万円のボーナス。中国のマカオが発展した理由”. FNN (2018年11月24日). 2019年7月26日閲覧。
  35. ^ 広東・香港・マカオを結ぶベイエリア 名実ともに世界一になれるか?”. AFPBB (2018年6月24日). 2019年5月19日閲覧。
  36. ^ 発行全額に相当する香港ドルがマカオ金融管理局に預託されている。
  37. ^ 澳門特別行政區政府統計暨曁普查局>統計資料>澳門主要統計指標 2018年10月8日閲覧 [2]
  38. ^ マカオの17年1〜11月累計カジノ税収17.9%増の約1.2兆円…年間予算は10月終了時点で達成済み=歳入の8割占める(マカオ新聞)”. 大航海時代新聞出版社. 2018年10月8日閲覧。
  39. ^ [http://www.macaotourism.jp/downloads/talkabout/201903.pdf 2020年2月26日閲覧
  40. ^ public cector reformchina perspective 2020年2月26日閲覧
  41. ^ マカオ、カジノ監視を制限 AI機器に許可必要、データは部外秘”. フジサンケイビジネスアイ (2019年8月19日). 2019年8月27日閲覧。
  42. ^ 台頭するマカオIR市場 ITを武器に成長  編集委員 関口和一”. 日本経済新聞 (2019年3月1日). 2019年3月4日閲覧。
  43. ^ a b The World Factbook — Central Intelligence Agency 2016年9月6日閲覧
  44. ^ GLOBAL RELIGIOUS LANDSCAPE 45 Table:Religious Composition by Country ピュー研究所
  45. ^ 2012 Report on International Religious Freedom: China (Includes Tibet, Hong Kong, and Macau) - Macau アメリカ合衆国国務省(2013年5月20日)
  46. ^ a b Global Results of By-Census 2006. Statistics and Census Service (DSEC) of the Macau Government. (2007) 
  47. ^ Macau 2007 Yearbook. Government Information Bureau of Macau SAR. (2007). ISBN 978-99937-56-09-5 
  48. ^ “マカオ、高等教育学歴取得率の上昇続く…15年間学費無償化や奨学・補助金充実で=人材の海外流出が課題”. マカオ新聞. (2019年4月28日). https://www.macaushimbun.com/news?id=27352 






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マカオ」の関連用語

マカオのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マカオのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマカオ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS