パラボラアンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/11 03:16 UTC 版)
トピック
- 国立天文台などでは電波天文学の科学実験として中華鍋の放物面を利用したパラボラアンテナによるBS放送の受信実験を紹介している[4]。
- 2007年9月22日に容疑者が逮捕されたネットオークション詐欺事件で、容疑者が「アルミ箔で作った直径30センチ程度のパラボラアンテナ」を使って、他の家庭やオフィスにあるルーターの無線LANを捕らえて、インターネットにアクセスすることでIPアドレスから個人が特定されにくいようにしていたとみられることが報じられた。なお、こうしたパラボラアンテナやこれに類似した形状の金属製ボウルなどの構造物で自分自身や同居者が運用している無線LANや、4Gなどのキャリア通信[注 1]の受信強度を改善するテクニック自体はそれほど珍しくない。
- 地上デジタル放送を受信する、ほぼ水平な向きを向いたパラボラアンテナもあり、ケーブルテレビの受信所やテレビ局の中継局で親局からの受信のために用いている他、電気工事の会社がデモとして設置する事例がある。パラボラアンテナは指向性が極端に強いため、スピルオーバー潰し(=デジタルテレビの地上波に見られる作為的な混信)や異常伝幡などによる混信を八木アンテナを水平スタックにするよりも強力に抑制できる。しかし、パラボラアンテナは受信する電波の波長が長いほど性能が低下し、安定受信のために必要なサイズが大きくなるため、BSと比べて波長が15倍以上長い地上波のパラボラアンテナは費用面・サイズ・質量面において、個人にとっては極めてハードルが高い。なお、アナログ放送時代には、当時VHF帯域を利用していたテレビ局の親局を受信するために、UHF用パラボラアンテナよりも更に巨大なパラボラアンテナが設置されているテレビの中継局も存在した。
注釈
- ^ ただし、キャリア通信が利用している周波数が比較的低い場合にはテレビの地上デジタル放送をパラボラアンテナで受信する場合と波長がそれほど変わらないため、十分な利得を得るために必要なアンテナのサイズがテレビの地上波の場合と同様に巨大になるので実用的ではなく、契約したキャリア通信が比較的高い周波数を使用している場合のみ実用的となる。
出典
- ^ Anderson, Harry R. (2003). Fixed broadband wireless system design. US: John Wiley & Sons. pp. 206–207. ISBN 978-0-470-84438-0
- ^ TANAKA, Hiroaki (2008). “Surface Error Measurements of Reconfigurable Antennas Based on Antenna Gain Analyses”. SPACE TECHNOLOGY JAPAN, THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES 7 (0): 19–25. doi:10.2322/stj.7.19. ISSN 1347-3832 .
- ^ “ISAS | 衛星構造の高精度化 / 宇宙科学の最前線”. www.isas.jaxa.jp. 2020年9月18日閲覧。
- ^ 「アルマーの冒険」第3回、国立天文台、2019年10月8日閲覧。
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