ドップ ドップの概要

ドップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 07:06 UTC 版)

作中の敵側勢力である「ジオン公国軍」の大気圏内用戦闘機。地球環境の充分なデータがないまま急造されたという設定で、機体の斜め上段にコクピットを配置するなど、現実の航空機にはない独特の形状を持つ。『機動戦士ガンダム』劇中では、緑色の一般機と、茶色に塗装されたジオン軍大佐ガルマ・ザビの専用機が登場する。

機体解説

諸元
ドップ
全高 4.6m(ランディング・ギア含む)[1]
/3.34m[2]
全長 9.2m[1]/7.9m[2]
全幅 12.1m[1]/13.4m[2]
全備重量 5.2t[1]/9.46t[2]
推進機関 化学燃料ジェット・エンジン[1]
最高速度 マッハ3.4[1]/マッハ2.91[2]
武装 30mm6連装戦闘砲×2[1]
/6連装ミサイルランチャー×2[2]
対空ミサイル×4[1]
/バルカン砲[2]
乗員 1名[1]

当初、地上侵攻作戦を予定していなかったジオン公国軍が急造した戦闘機。地上作戦が膠着化していくにつれ、国力の乏しいジオン軍の航空主力機として活躍する。

スペースコロニー国家であるジオンの技術者たちは、大気圏内航空機に関するノウハウも試験飛行を行う場所もなく、コンピューターシミュレーションによって本機を開発したとされ、地球上での試験飛行では試作1~4号機までことごとく墜落したと記録されている[3]。確認されている最高速度はマッハ5(テレビ版22話、オスカの報告)。空力特性がきわめて悪い機体を大推力のエンジンと多数の姿勢制御バーニアで強引に飛翔させているため、運動性は高いものの航続距離は短く、運用には母艦となるガウ攻撃空母のサポートが欠かせない。ミノフスキー粒子散布環境下の有視界戦闘を前提に設計されており、操縦席が機体から上方に大きく突出し、視界が広く取られている。

機体色は緑。ガルマ・ザビ専用機は茶色。

劇中での活躍

商品化

メインでガンダムと交戦した敵メカでガンプラブーム時に唯一プラモデル化されなかった。当時、森永製菓製の食玩「機動戦士ガンダム ミルクキャラメル」で商品化され、スケールは1/144(この食玩はアイテムごとにスケールが異なり、1/144と設定されたのはドップのみ)。

その後十数年経過して、「MS IN ACTION」の「ドズル専用ザクII」や超合金の「可動戦士ザク」に完成品モデルが付属した後に、EXモデルの第4弾として正式なプラモデルがリリースされた。1/100スケールと1/144スケールのセットで、商品名は「ドップファイター」とされた。

バリエーション

ドップ改
書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』において多数登場している機体だが、あくまでもリファイン版であり、別機種という訳ではない。デザインは『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のために出渕裕が描いたものの劇中には使用されなかったラフ画稿[4]を元にしているが、キャノピーの下に窓を有し、下部垂直尾翼はオミットされ、主翼の形状も異なる。
ドップII
漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』の単行本下巻の巻末ページで、大河原邦男によるドップの設定画を「ドップII」として紹介しているが、作品中に通常のドップはまったく登場しないため、同作品におけるアレンジされた形状のドップがそれに該当すると考えられる[5]。デザインはドップ改のラフ画稿[4]ほぼそのままで、下部垂直尾翼を二つ有し、キャノピーの下部の窓がオミットされている。また同漫画の劇中では、翼下にミサイルを懸架した本機が、エンドラ級巡洋艦インドラに配備され、ニューヤーク攻略作戦において戦線に投入された様子が確認できる。
リトル・ドップ 
MSV-R』に登場する、グフ複合試験型に内蔵された機体。ジオン版コア・ファイターとして作られたのではないかと推測されている。

  1. ^ a b c d e f g h i 『ファンタスティックコレクション・スペシャル 機動戦士ガンダム・マニュアル』(大河原邦男松崎健一監修、朝日ソノラマ、1981年3月)。
  2. ^ a b c d e f g 『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック1』講談社、1981年3月、126頁。
  3. ^ ガンダムセンチュリー』(みのり書房、1981年9月)50頁。
  4. ^ a b 『VISUAL COMIC 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 (Vol.2)』、バンダイ、1989年10月。同書では、「ドップ・アドバンスド」と名称が付けられているが、あくまで没となったラフデザインに付けられたもの。なお、月刊『ホビージャパン』にて連載された模型作例オリジナルの機体に「アドバンスド・ドップ」が存在するが、形状はドップから全く離れており関連性はない。
  5. ^ 「II」の呼び方および、ドップ改との関連は不明。紹介時の画稿が矛盾することから、設定として明確に定まった物ではない可能性もある。なお、月刊『ホビージャパン』に連載された模型作例オリジナルの機体に「ドップII(ドップ・ツヴァイ)」が存在するが、形状は大きく異なる物であり関連性はない。
  6. ^ 創作元サイト「Fly on the Cloud! オータム マガジン」宇宙世紀の駄ッ作機・創作形式に関するメモ参照。


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