タイムクライシス3
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ジャンル | ガンシューティング |
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対応機種 |
アーケード[AC] PlayStation 2[PS2] |
開発元 | ネクスエンタテインメント |
発売元 | ナムコ |
人数 | 1 - 2人(協力プレイ可) |
メディア |
[AC]:システム246 [PS2]:DVD-ROM |
発売日 |
[AC]:2003年 [PS2]:2003年11月20日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:T(13歳以上) |
デバイス |
[PS2]:ガンコン2 [欧州版PS2]:ガンコン、ガンコン2 |
これまでのペダルリロードシステムに加え、ハンドガン・マシンガン・ショットガン・グレネードの4種の武器が使用可能な武器チェンジ機能が搭載されている。
2003年11月20日、PlayStation 2にガンコン2対応で移植された。日本版においては、タイムクライシスシリーズで初めてDVD-ROMを採用した作品でもある。
アーケード版は、『ガンバレット』以来一部を除いて使われてきた、同一形状設計のブローバック機構搭載のガンコントローラーが採用された最後の作品となった。なお、ナムコ発売としてはアーケード版ガンシューティング前作である『ヴァンパイアナイト』同様に、走査線読み取り方式を採用しない代わりにモニターやプロジェクターに組み込まれたCCDカメラセンサーを読み取る方式を採用しており、内部パーツが走査線読み取り方式のものとは異なる。
武器チェンジ機能
この作品から新しい要素として「武器チェンジ機能」が導入された。
これは、プレーヤーが回避動作中にガンコンのトリガーを引くことで、装弾数9発のハンドガンの他に、マシンガンなどのサブウェポンを選択することができるというシステムである。
これにより、状況や戦術に応じて効果的な戦闘を行うことが可能となった。反面、ボスを含め耐久力を有した敵[1]が前作より増えており、攻略にはかなりの労力が必要となった。
サブウェポンの弾薬は、「アイテム兵」と呼ばれる特定の敵を倒すことで補充できる。なお保有できる弾数はサブウェポンにより決まっており、その制限数以上はいくらアイテム兵を倒しても保有できない。
コンシューマ版ではクリア状況により、この制限を解除することができる隠し要素が盛り込まれている。
サブウェポンには以下のものがある。
- マシンガン
- トリガーを引きっ放しにすることで連射可能なサブマシンガン。最大保有弾数は200発。1発の威力はハンドガン1発分に値する。
- マシンガン兵などの耐久力が高い敵兵やボス戦で非常に有効だが、うっかり使いすぎると途端に弾切れを起こす。その分入手は最も簡単。
- ショットガン
- 1発の弾が5つに分裂するセミオートショットガン。最大保有弾数は50発。分裂弾の威力は1発辺りハンドガン1発分に値する。
- もちろん至近距離では絶大な威力を誇り、耐久力のある兵士でも近距離なら1発で撃破できることが多い。遠距離の敵には全弾ヒットしにくい分威力は期待できないが、範囲は広いのでハンドガンより当てやすい利点もある。セミオートなので手動連射できるのも利点。
- グレネード
- グレネードランチャーを用いて発射する小型榴弾。最大保有弾数は5発。トーチカ、戦車、ティルトローターなど、主に対物目標に絶大な効果を発揮する。
- 倒しきれないほどたくさんの敵やボス戦でも非常に有効。強力な武器のため出現数が非常に低い。また、連射不可で着弾までにややタイムラグがありその分隙が生じるという欠点もある。狙いにくい位置にいるアイテム兵や、高速で通りすぎるアイテム兵、命中率が高いアイテム兵を撃って入手する必要がある。
なお、コンシューマ版オリジナルのヒロインシナリオではサブウェポンを使用し、パワーアップさせていく「武器成長システム」が搭載された。
当初のサブウェポンはアーケードモードより貧弱だが、サブウェポンを敵に当てるとゲージが溜まっていき、フルになるとレベルアップし弾薬が最大まで補充、攻撃力と最大保有弾数が増加する(最大レベルは5)。
また、ステージによっては装弾数3発のボルトアクション式スナイパーライフルを使用して、遠方の敵狙撃兵を狙撃する要素が追加されている。
ストーリー
自らは独立した主権国家であると主張する地中海の小国「ルカノ」とそのルカノが自国領土の一部と主張する「ザゴリアス連邦」の間では、長らく領土問題および独立問題がくすぶっていた。
一向に解決しないこの問題に苛立った連邦のタカ派の軍人ジオルジョ・ゾット将軍は、ザゴリアス連邦軍によるルカノ侵攻作戦を決定。
国際的な非難が集まる中、両国間の緩衝地帯とされていたルカノ領アスティゴス島に、ザゴリアス連邦軍空挺部隊による奇襲攻撃を開始。さらに揚陸部隊も投入し、武力による同島の制圧作戦を開始した。
ルカノ側もすぐさま応戦。ルカノ独立解放軍による抵抗運動が開始され、この「アスティゴス島紛争」は本格的軍事衝突へと発展した。だが物量で圧倒的に勝る連邦軍の前に、解放軍は一時撤退を余儀なくされる。
また国際連合による多国籍軍の投入が検討されるも、この地域は各国の利害が対立するため調整に難航。その間にアスティゴス島は、連邦軍によって全域の8割を占領されてしまった。
連邦によるアスティゴス島の実効支配開始から3ヶ月後、アスティゴス島の奪還を企図する解放軍は、同島に戦術弾道ミサイルが配備されたとの情報を入手。
解放軍司令官のダニエル・ウィンストンは自ら調査・破壊作戦を立案し、副官ジェイク・ヘルナンデスと数名の部下と共に極秘裏にアスティゴス島への侵入を開始した。
だがこの作戦はルカノを裏切ったジェイクにより連邦側にキャッチされており、ダニエルは共に潜入した解放軍兵士と共に連邦軍に拘束されてしまう。さらに連邦軍は、ダニエルらの身柄と引き換えに、解放軍の降伏を要求してきた。
ダニエルの妹で、解放軍女性兵士のアリシア・ウィンストンはそれを知り、ダニエルら捕虜の救出とミサイルの破壊を試みて単身アスティゴス島に潜入。
潜入した連邦軍前線基地にて、配備されているミサイルの正体が核弾頭搭載の戦略核ミサイルであるという情報を入手したアリシアは、国際特殊諜報機関「VSSE」にその情報を送信する。
ザゴリアス連邦の一連の軍事行動に疑問を抱き、独自に調査を進めていたVSSEは、アリシアから戦略核ミサイルの情報を入手、これを「当事国のルカノのみならず、周辺諸国の軍事バランスにも大きな脅威をもたらす」と判断。
問題解決のためにエースエージェントのアラン・ダナウェイ、ウェズリー・ランバートの2人を、アスティゴス島に送り込むのだった。
ステージ紹介(アーケード)
- ステージ1
- エリア1…アスティゴス島の海岸線[2]から侵入したVSSEエージェントのアランとウェズリーは、砂浜、塹壕で、ザゴリアス連邦軍兵士と戦う。終盤では、砲台付きのトーチカを撃破することになる。
- エリア2…ザゴリアス連邦軍からの猛攻を逃れるべく、難破船に逃げ込むアランとウェズリーだったが、そこに潜伏していたザゴリアス連邦軍兵士たちと激戦を繰り広げる。
終盤で、難破船はティルトローター機に乗ったザゴリアス連邦軍幹部:ビクター・ザンによる爆撃を受け、船体が大きく傾き、コンテナが滑っていく中で銃撃戦を行う。 - エリア3…軍用ジープに乗ったルカノ独立解放軍の女性兵士:アリシア・ウィンストンに助けられた彼らは、ビクター・ザンのティルトローター機、ザゴリアス連邦軍ジープ部隊と砂浜沿いのリゾート街で、熾烈なカーチェイスを繰り広げる。
- ステージ2
- エリア1…街でザゴリアス連邦軍からの奇襲を受けたVSSE一行は、アリシアと一旦別れ、応戦する。終盤では、多くの偵察バイクが彼らに襲いかかってくる。
- エリア2…アリシアとの合流場所である貨物駅に向かうべく、山間渓流を行くアランとウェズリーは、偶然ザゴリアス連邦軍の仮設前線基地に入り込んでしまい、そこで戦う破目になる。終盤では、多くの潜水艇が彼らを襲う。
- エリア3…貨物駅でアリシアと合流し、軍用列車の中ほどに乗り込んだアランとウェズリーだったが、そこでもザゴリアス連邦軍兵士たちによる激しい抵抗を受ける。
終盤では、ザゴリアス連邦からの暗殺者:ランディー・ギャレットにより、列車ごと谷底に落とされそうになるが、上手く切り抜け、彼と交戦する。
- ステージ3
- エリア1…山頂の孤城を改築したザゴリアス連邦軍基地に侵入できたVSSE一行。アリシアの兄であり、ルカノ独立解放軍の司令官:ダニエル・ウィンストンを救出すべく、アランとウェズリーは、陽動作戦に出る。
中盤からは資材置き場で、VSSEの宿敵ともいえる伝説の殺し屋:ワイルド・ドッグと、彼の弟子:ワイルド・ファングと戦うことになる。 - エリア2…爆破されつつある施設の中でザゴリアス連邦軍兵士たちと応戦しつつ、ザゴリアス連邦軍最高司令官:ジオルジョ・ゾット将軍を追う。
- エリア3…屋根の一部が崩れた礼拝堂を改築した仮設ミサイル発射基地兼司令部で、弾道ミサイルの発射ボタンを押したゾット将軍と、ルカノ国の運命、存亡を賭けた最終決戦。
ステージ紹介(ヒロインシナリオ)
PlayStation 2版でアーケードモードをクリアするとプレイ可能となる。本編よりも難易度が高い。このシナリオには撃ってはいけない民間人が登場する。
また、コンティニューするとステージの最初に戻されてしまう。このモードをクリアするとクライシスミッションがプレイ可能となる。
- ステージ1
- VSSEエージェントのアスティゴス島到着前夜、ルカノ解放軍の女性兵士アリシアは、捕らえられた彼女の兄でルカノ独立解放軍の司令官:ダニエル・ウィンストンを救出するために、単独で島に侵入を試みる。
- だが途中で発見されてしまい、アリシアは海岸線付近にいたザゴリアス軍兵士たちと一戦交えることになる。
- ステージ2(スナイパーモード)
- 海岸線の警備を突破したアリシアは、砲台が備え付けられたトーチカを偵察。十数名の狙撃兵が配備されていたが、狙撃という形で奇襲を掛ける。
- トーチカ内に侵入したアリシアは、その司令室らしき部屋で、アスティゴス島に配備されている戦術ミサイルが核ミサイルであることを知る。
- ステージ3
- 昨夜入手した戦略核ミサイルの情報をVSSEに送信したアリシア。情報を入手したVSSEは、アラン、ウェズリーの2人のエースエージェントを現地へ送り込んでおり、現在彼らとは連絡ができない状況であることをアリシアに明かす。
- 既にアスティゴス島に侵入したアランとウェズリーとの合流地点である海岸へ向かうために、民間人の変装を脱ぎ捨て、走り出すアリシアだったが、敵のパトロールに発見され、市民を巻き込んでの銃撃戦になる。
- このステージから、撃ってはいけない民間人が出現するようになる。
- ステージ4
- ジープを奪い、難破船で攻撃型ティルトローターによる爆撃を受けているアランとウェズリーを救出したアリシアは、ザゴリアス連邦軍幹部のビクター・ザンの乗る攻撃型ティルトローターと連邦軍ジープ部隊を相手に、リゾート街でのカーチェイスを展開する。
- アーケードの1-3と同じシチュエーションだが、登場する敵や攻撃型ティルトローターの攻撃パターン、破壊できる部位が異なる。
- ステージ5
- アランとウェズリーと合流したアリシアだったが、市街地でザゴリアス連邦軍の奇襲攻撃を受け、VSSEたちとは別に、市街地で銃撃戦を繰り広げる。終盤、装甲を強化されたザゴリアス連邦軍の主力戦車と戦うこととなる。
- ステージ6(スナイパーモード)
- 今度は敵の狙撃手からの奇襲攻撃に遭い、民間人を撃たぬよう、狙撃で応戦する。
- ステージ7
- アランとウェズリーが待つ軍用列車発着所へ向かう途中でアリシアはダニエルと共に捕らえられていたはずのジェイク・ヘルナンデスに出会い、彼の裏切りを知る。卑怯にも民間人を盾にして逃げていく彼を追走する。
- ステージ8
- 軍用列車の最後部に乗り込んだアリシアは、アランとウェズリーと合流しようとするが、ザゴリアス連邦軍兵士によって妨害され、銃撃戦になる。
- 途中より軍用列車ごとアリシアとVSSEエージェントを倒そうと、後方から迫る装甲機関車と交戦することになる。
- ステージ9(スナイパーモード)
- 再びアランとウェズリーと合流しようとするアリシアだったが、彼らはザゴリアス連邦軍兵士たちと暗殺者ランディー・ギャレットとの銃撃戦になっていた。
- その中で彼らを狙撃しようとする狙撃兵を、スコープからの光の反射で発見したアリシアは、VSSEたちを援護すべく、狙撃兵に対してカウンタースナイプを行う。
- ステージ10
- 山頂の古城を改築したザゴリアス連邦軍基地に到着した3人。アリシアの兄のダニエル・ウィンストンを救出すべく、アランとウェズリーが囮になっている隙に、アリシアは最善の狙撃地点に向かう。
- ステージ11(スナイパーモード)
- アランとウェズリーはザゴリアス連邦軍最高司令官ジオルジョ・ゾット将軍のもとにたどり着くが、ダニエルを人質に取り、身動きが取れない。アリシアはジオルジョ・ゾット将軍が持つ拳銃を5秒以内に、一発で狙撃し、弾き飛ばす。
- ステージ12
- ダニエルを救出したアリシアは、間髪入れず基地の収容所に急ぎ、捕虜となっているルカノ独立解放軍の兵士を助け出すための戦いに挑む。
- ステージ13
- アリシアは、ダニエルとその部下たちと共に、ザゴリアス連邦軍に包囲されていたアランとウェズリーを救う。ザゴリアス連邦軍兵士たちとの戦闘中、アリシアたちはミサイルの核弾頭を盗み出し、ザゴリアス連邦軍をも裏切ったジェイクを発見。
- ダニエルの命令でアリシアはジェイクの乗った攻撃型ティルトローター機の離陸を阻止すべく、格納庫で最終決戦を繰り広げる。
- ステージ14(スナイパーモード)
- 攻撃型ティルトローターを破壊され、自暴自棄になったジェイクが、核弾頭の起爆装置を取り出し、道連れにしようとしてくる。その核弾頭の起爆装置を5秒以内に、一発で狙撃し、破壊する。
クライシスミッション
本作も、前作『タイムクライシス2』同様に、家庭版オリジナルステージとしてクライシスミッションが追加されている。
今回の「アスティゴス島紛争」もVSSEによってあらゆる角度で分析され、ザゴリアス軍兵士に変装したVSSEの士官を相手に、演習弾(殺傷能力はほとんど無し)を用いて6日間にわたりアスディゴス島にて演習を行う。
このモードのプレイヤーは今作から本編主人公ではなく、名も無き新人エージェントとなる(顔も姿も確認できない)。今回も撃ってはいけない民間人がいる。なお、内容に関しては単なる攻略情報となるため省略する。
- ^ ボスを含めた耐久力を有す敵には、『クライシスゾーン』と同様に頭上にライフゲージが表示されるようになっている。
- ^ ヒロインシナリオステージ3冒頭のデモによると、この海岸の地名は「マラノビーチ」である。
- ^ a b “キャラクター紹介”. PS2/タイムクライシス3公式サイト. 2014年4月14日閲覧。
- ^ クライシスミッション最終日の相手としてプレイヤーの前に立ちはだかる際には、ウェズリーよりも命中率は低いが、素早い側転や姿勢変更を交えながら、近距離から連続攻撃を行ってくる。
- ^ クライシスミッション最終日の相手としてプレイヤーの前に立ちはだかる際には、アランよりも命中率が非常に高く、遠方からの精密射撃や不意を突いた格闘攻撃を行ってくる。
- ^ モーゼルC96のマガジン給弾モデル。今回は20発弾倉のロングマガジンを使用。
- ^ 厳密にはオリーブドラブに近い。
- ^ 背中には通信用装備と思われるバックパックも装備している。
- 1 タイムクライシス3とは
- 2 タイムクライシス3の概要
- 3 登場人物
- 4 登場兵器
- 5 外部リンク
固有名詞の分類
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