グレースケール カラーをグレースケールに変換する

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グレースケール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 04:37 UTC 版)

カラーをグレースケールに変換する

カラー画像英語版をグレースケールに変換する方法はいくつかある。色のチャンネル英語版の違いによって白黒画像でもカメラのレンズフィルターに異なる色が生まれる。

輝度保存変換

一般的な方法の一つに、光度学英語版や色度学の理論を用いて、グレースケールの画像の輝度をもとのカラー画像の輝度に合わせるという方法がある[2][3]。この方法は、双方の画像の絶対輝度が等しく、国際単位系カンデラ毎平方メートルで測定することができる。また、この画像には白色点が存在する。さらに、輝度を合わせることで、CIE 1931 色空間での輝度Yによって決まる、CIE1976年Lab色空間のL*のような知覚的な明度英語版)の測定もできるようになる。

RGBに基づく色空間の色を光度だけで表されるグレースケールに変換するためには、線形RGB空間において重み合計英語版を計算しなければならない。それはつまり、ガンマ圧縮関数は最初にガンマ拡張によって取り除かれるということである[4]

sRGB(英語版)色空間では、ガンマ拡張は次のように定義される。

ただし、CsRGBはガンマ圧縮されたsRGBの原色(RsRGB、GsRGB、BsRGB)のうちのいずれかの光の強さの値で、それぞれ0以上1以下である。また、Clinearは、それに線形的に対応するRGBの光の強さの値である。(こちらも0以上1以下)したがって、光度は3つの線形的な光の強さの値の重み合計として計算される。sRGBの色空間は、CIE1931色空間では線形光度Yで表され、以下のように与えられる。

.[5]

係数は、人間の三色型色覚における各色の認識の強さを測定したものを表しており、原色ごとに異なる値である。特に、人間の視覚が最も敏感に反応するのはで、最も反応が鈍いのはである。グレースケールの強さを線形のRGBに変換する際、3つの原色の光の強さは全て同じ値(計算によって導かれた線形光度Y)に設定されている。(この時、(R,G,B)=(Y,Y,Y)となる。)線形光度は通常ガンマ圧縮して非線形表現に戻さなければならない。しかしsRGBでは、3原色の強さの値が全て、上に示したガンマ拡張の逆操作であるガンマ圧縮によって求められるYsRGBに設定されている。

実際には、3原色の強さの割合が全て同じであるため、値をsRGBおよび単一チャンネル表現に対応した画像フォーマット(英語版)に一度保存するだけでよい。sRGBの画像を認識できるウェブブラウザやその他のソフトウェアは、sRGBを用いている時には、通常3原色が全て同じ値である場合のカラー画像とグレースケールの画像で全く同じ処理が行われる。

映像システムにおけるluma符号化

PALSECAMNTSCなどの標準的なカラーテレビや映像システムで用いられるYUVやそれに似た色空間における画像では、非線形luma要素(Y’)がガンマ圧縮された重み合計としての原色の強さから直接計算される。重み合計は、色度法においてグレースケールの計算で使われるようなガンマ値の拡大や圧縮をせずに直接求められる。PALやNTSCで用いられるYUVモデルやYIQモデルでは、Rec.601英語版のluma(Y')を次のように計算する。

ここで、文字にプライムをつけたのは、先述のガンマ圧縮された線形のRGBおよびYと区別するためである。ATSCによって開発されたHDTVに用いられるITU-RRec. 709では異なる係数が用いられており、lumaを次のように計算する。

.

この係数は先のsRGB法での係数と同じだが、ガンマ圧縮値がそのまま式に代入されるため、色彩の効果はsRGBとは異なる。

普通はこれらの色空間は画像表示のためのレンダリングの前にR’G’B’に戻される。精度が十分高ければ、画像を正確にレンダリングできる。

しかし、luma要素自体が画像のグレースケール表現の代わりとなる場合、元の画像の光度は保存されない。2色は同じluma(Y')をとることができるが、CIE線形光度Yが異なる(そのため非線形光度YsRGBも異なる)ため、見る人には元のカラー画像より明るいか、暗くなって見える。同様に、同じ光度Yを持つ2つの色(この時YsRGBも等しい)はY’の定義より異なるlumaを持つことになる[6]


  1. ^ Stephen Johnson (2006). Stephen Johnson on Digital Photography. オライリーメディア. ISBN 0-596-52370-X. https://books.google.co.jp/books?id=0UVRXzF91gcC&pg=PA17&dq=grayscale+black-and-white-continuous-tone&ei=XlwqSdGVOILmkwTalPiIDw&redir_esc=y&hl=ja 
  2. ^ Poynton, Charles A. "Rehabilitation of gamma." Photonics West'98 Electronic Imaging. International Society for Optics and Photonics, 1998. online
  3. ^ Charles Poynton, Constant Luminance
  4. ^ Bruce Lindbloom, RGB Working Space Information (retrieved 2013-10-02)
  5. ^ Michael Stokes, Matthew Anderson, Srinivasan Chandrasekar, and Ricardo Motta, "A Standard Default Color Space for the Internet - sRGB", onlinePart 2.の終わりの行列を参照
  6. ^ Charles Poynton、 The magnitude of nonconstant luminance errors in Charles Poynton,、A Technical Introduction to Digital Video、ニューヨーク: ジョン・ワイリー・アンド・サンズ、 1996年






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