ガンダムNT-1 ネティクス

ガンダムNT-1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 19:01 UTC 版)

ネティクス

ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』に登場(型式番号:RX-78NT-X / MRX-003)。

一年戦争終結後、ジオン公国の各機関からサイコミュ技術を接収した地球連邦軍によって、研究の一環として開発された。背部に有線式ビットを2基装備しているのが特徴であり、それを用いたオールレンジ攻撃が可能であるが、当時の連邦軍の技術力では有線式サイコミュシステムの小型化には至らず、超重量の機体となった。しかし、この実験データはインコムの元になったといわれており、後のMSに影響を与えたようである。

なお、当機はオーガスタ基地にて開発が行われていたが、のちにムラサメ研究所へ引き継がれ、その際にMRX-003の型式番号を与えられている。

漫画『機動戦士ガンダム カタナ』では、宇宙世紀0084年にシン・フェデラルによって開発されたFA-78NT-1 フルアーマー・アレックスをベースに、グラナダの元ジオン勢力がムラサメ研究所の元ジオンの協力者から横流しされたデータを元に製造した、サイコミュ機器のパーツを換装した機体が登場する。この機体に搭載している2基の有線大型ビットには、ビット自体を展開することでビームのシールド面を作り、自機や僚機への攻撃を防御できる機能がある[26]

ガンダムAN-01“トリスタン”

諸元
ガンダムAN-01“トリスタン”
GUNDAM AN-01 TRISTAN
型式番号 RX-78AN-01
所属 バーナム
頭頂高 18.0m[27]
本体重量 45.0t[27]
全備重量 59.5t[27]
装甲材質 ルナチタニウム合金[27]
出力 1,920kW[27]
推力 114,000kg[27]
武装 ビーム・ライフル×1
ビーム・サーベル×2
60mm頭部バルカン砲×2
90mm腕部ガトリング砲×2
シールド×1
搭乗者 クァンタン・フェルモ

宇宙世紀0096年を舞台とする小説およびアニメ『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場。

ロナ家の私兵集団「バーナム」が秘密裏に運用した機体[27]。ロナ家が運営するブッホ・ジャンク社を介して製造されたかは不明だが、NT-1がベースとなっており、破損した頭部をはじめランドセル・胸部・腰部・足裏のスラスターは新造され、随所にガンダム系だけでなくさまざまなMSのジャンクパーツなどが流用されている[27][注 11]

漫画版では、宇宙世紀0084年にオーガスタ研究所でNT-1の破損箇所を修理されるとともに、ティターンズによって調達された部材を使用して[22]戦略戦術研究所(のちのサナリィ)によって改修されたとされる[29]。本機によって強化人間育成のために何人かのデータが採られ、最後にはフェルモ兄弟による双子の強化人間のプロジェクトで運用される[22]。その後、同研究所が解体閉鎖された際にサナリィへ移管されるが[22]、宇宙へ上がった際にフェルモ兄弟によって強奪され、彼らはバーナムに加入する。本機はサナリィと秘密裏に協定を結んだブッホ・コンツェルンに貸与され、次世代型MS開発のためのさまざまなコンセプトの試験母体となる[29]とともに、0096年のアクシズ探索でも運用される。なお、表向きは0096年当時もサナリィの機密計画にて運用中とされている[22]

武装
ビーム・ライフル
本機専用の長砲身大型ライフル[27]。外観はνガンダム用のものと同型。Eパック方式を採用しておらず、ライフル自体に直接エネルギーを内蔵する仕様である[27]
漫画版では、オーガスタ研究所時代はNT-1と同型のライフルを使用している。
ビーム・サーベル
ランドセルに2基装備。ガンダムMk-II用と形状が似ているが、同一かは不明[27]
90ミリ腕部ガトリング砲
外装は異なるが、NT-1のものをそのまま流用[27]。なお、小説版では「おそらくビーム砲」と表現されている[30]
シールド
専用シールドとして開発されている[27]。近接戦闘はもとより遠距離からのビーム兵器も防御可能であり、汎用性に優れる[27]

クレヴェナール

トリスタンをコアユニットとした巨大アームドベース[31](型式番号:RX-78KU-01)。バーナムが運用するがトリスタン同様、武装や外装の入手経路は不明。主武装のメガ・ビーム砲と大型ビーム・サーベル、機体上面部の大型ウェポンコンテナ、さらにはガンダムタイプのMSをセンターユニットとする構成などは、ガンダム試作3号機(デンドロビウム)を彷彿とさせるものの、Iフィールド・ジェネレーターの非搭載や特殊な武装構成など差異は少なくない[32]。そのためクレヴェナールは拠点制圧機としての側面が強いと考えられる[32]。コア・ユニットとして置かれたトリスタンは肩部までアームドベースに接合されており、この状態では腕部の使用はできない[32]。しかし、分離後も速やかに戦闘を行えるようビーム・ライフルを把持したままの姿勢で接合されている[32]。武装はメガ粒子砲、ミサイルコンテナ、大型ビーム・サーベルユニット。

武装
ウェポンコンテナ
本機に装備されたウェポンコンテナは3段式で、先頭から順番に使用する構造となっている[32]。使い切ったコンテナは戦闘中に随時パージされ、次段が展開する[32]
マイクロミサイル・ポッド
ウェポンコンテナの1段目に装備されている実体弾兵器[32]。一般的なものと性能面で差異は無いようで、敵への牽制や弾幕などで効果を発揮する[32]。主兵装であるビーム兵器と併用することで敵へのダメージも期待できる[32]
5連装ビーム・ポッド
2段目の武装。クレヴェナール本体から切り離して展開し、連携射撃を行う。
大型クロー
ウェポンコンテナの3段目に装備されている格闘戦用の装備[32]。無線誘導式で本体から射出され、敵に攻撃を加える[32]サイコミュを利用しているかは不明[32]
メガ・ビーム砲
機体下部に装備された主武装[32]
HSD・キャノン
機体上部に装備する高出力ビーム砲[32]
大型ビーム・サーベル
本体ユニットの両舷に装備されている近接格闘用のビーム兵器[32]。通常のビーム・サーベルと比べて刃長も長くリーチを稼げる[32]。MS(トリスタン)の腕部で操作するのではなく、クレヴェナール本体ユニットのアームで把持して使用する[32]

ガンダム・トリスタン〈フェイルノート〉

諸元
ガンダム・トリスタン〈フェイルノート〉
GUNDAM TRISTAN <FAILNAUGHT>
型式番号 RX-78AN-01FA[29]
全高 20.6m[29]
頭頂高 18.0m[29]
本体重量 45.0t[29]
全備重量 60.4t[29]
出力 2,488kW[29]
推力 230,600kg[29]
武装 インコム×8
搭乗者 クァンタン・フェルモ

クレヴェナールとは別仕様の強化ユニット装備形態[33]。全身に配された装甲と推進器に加えてインコムも装備されており、一種のフルアーマー形態ともいえる[33]。初出は漫画版で、クレヴェナールに代わってマスティマ部隊を強襲する。

装備された「フェイルノートシステム」は、ブッホ・コンツェルンが試験的に製作した強化ユニットであり、攻撃・防御を半自動型の兵装であるインコムで対応し、パイロットは高機動な機体の操作に専念するというコンセプトのもとに開発されたものである。全身に装甲とスラスターが追加されているほか、バックパックの左右には後年のクロスボーン・バンガードで開発されるビギナ・ギナのフィン・ノズルのひな形ともいえる推力偏向システムと、後頭部には同じくデナン・ゾンなどに搭載される特徴的なツインアイタイプのセンサーパックが増設されている。

追加武装としてバックパックに2基、両肩・両腕・両脚にそれぞれ1基ずつ計8基のインコム・ユニットを搭載しており、両肩のものはビーム砲、両腕のものはビーム砲兼ビーム・サーベルとして未展開状態でも使用できる。また、インコム8基を円形に束ねた状態でビームを斉射することにより、強力なビーム砲としても使用できる。

劇中においては、バイアラン・イゾルデとの交戦によって消耗したR・ジャジャや、未完成状態のサイコミュ実験艦ファドラーンと交戦し、前述の火力と機動力で圧倒する。しかし、サイコフレームに導かれたファドラーンのマザー・ファンネルによってフェイルノートシステムを破壊されたうえ、パイロットのクァンタンがアルレットとの共鳴によって戦意を喪失し、撤退している。

推力偏向システムとセンサーパックについては、良好な結果を受けて後年のブッホ・コンツェルンのMS開発に活かされる一方、武装をインコムに集中するというコンセプトは破棄されたようである。


注釈

  1. ^ NT-1の正式な受領や就役は終戦に間に合わず、アムロの操作ストレスへのフォローはRX-78-2へのマグネットコーティング処理のみに終わる。これについて、アムロは反応速度の向上を歓迎しつつも、機体構造にかかる負担が増えることには不安を述べている。
  2. ^ アムロが搭乗したRX-78-2と同じくトリコロールに塗られたNT-1が、模型誌『月刊ホビージャパン』の作例として掲載されたり、玩具の限定商品になったことがあった[要出典]
  3. ^ 同基地にはNTに関する論文を提出していた研究員がいたことから、開発を担当する運びとなった[6]
  4. ^ NTでないクリスが搭乗してザクII FZ型と交戦した際には、ジム以下の性能しか発揮できなかったとする資料も存在する[11]
  5. ^ ただし、これは水平・垂直360度を網羅していない不完全なものであり、完全な状態での採用は後年に開発されるガンダム試作3号機が初となる。
  6. ^ アレックスに搭載された教育型コンピュータは「NICNシステム」と呼ばれるもので、ガンダムに搭載されたものの性能を凌駕する[16]
  7. ^ 現実世界のチョバムアーマーはイギリスが開発したチャレンジャー主力戦車用ハイブリッドアーマーのことであり、これを開発した陸軍の研究所のある地名から命名され、NT-1のものとは構造も含めてまったくの別物である。
  8. ^ 重装甲から運動性が極端に低下したとする記述も存在する[4]
  9. ^ 小説版においては、ジオン軍がNT-1を未完成品ということで「できそこない」(グリナス・ヘッド)と呼ぶ場面が存在する[21]
  10. ^ ただし、このアニメの解説アニメのMSカタログ編では、RX-78 ガンダムとしての紹介および説明がなされており、ガトリングガンも確認できない。
  11. ^ ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』公式サイトでは、オーガスタ研究所の閉鎖後にロナ家へ渡ったNT-1がブッホ・ジャンク社に貸与され、さまざまな改修を受けて「トリスタン」と命名されたほか、バックパックはガンダムMk-IIに似た可動式スラスター・アームを採用したものに換装されたと説明されている[28]

出典

  1. ^ a b c 『出渕裕メカニカルデザインワークス 1』ムービック、2000年8月、6-7頁。(ISBN 978-4896014907)
  2. ^ a b c ガンプラファクトリー 2005, p. 99.
  3. ^ MOBILE SUIT”. 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』公式サイト. 創通・サンライズ. 2016年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
  4. ^ a b c d e 『機動戦士ガンダムMS大図鑑[PART.3 アクシズ戦争編]』バンダイ、1989年6月、84-86頁。(ISBN 4-89189-019-3)
  5. ^ 『B-CLUB VISUAL COMIC 機動戦士0080 ポケットの中の戦争 VOL 2』バンダイ、1989年10月、108頁。(ISBN 978-4891890476)
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 『MG 1/100 ガンダム RX-78 NT-1』バンダイ、1999年10月、組立説明書。
  7. ^ a b c d e f 『電撃データコレクション 機動戦士ガンダム 一年戦争外伝』メディアワークス、1997年3月、34-35頁。(ISBN 4-07-305840-1)
  8. ^ a b c 『マスターアーカイブ モビルスーツ RX-78 ガンダム』ソフトバンククリエイティブ、2011年12月、100-106頁。(ISBN 978-4797366181)
  9. ^ 『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編I]』角川書店、2010年4月、174-176頁。(ISBN 978-4047154452)
  10. ^ a b c d 『1/144 ガンダムNT-1』バンダイ、1989年8月、組立説明書。
  11. ^ a b c d e f g h 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 オリジナル・アニメ・ビデオ・フィルムコミック PART.2』旭屋出版、1998年7月、244-245頁。(ISBN 978-4751101315)
  12. ^ ゲーム『機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡』 M.S.GRAPHICS 「RX-78NT-1 "ALEX"」より。
  13. ^ Cyber comix』1989年6月号、バンダイ、282頁。
  14. ^ a b c 『HGUC 1/144 RX-78-NT-1 ガンダムNT-1』バンダイ、2004年5月、組立説明書。
  15. ^ a b c d 『ガンダムMSヒストリカvol.4』講談社、2010年8月、6-8頁。(ISBN 978-4063700824)
  16. ^ a b 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、204-205頁、ISBN 978-4063757958
  17. ^ モデルグラフィックス11 1989, p. 11.
  18. ^ モデルグラフィックス10 1989, p. 9.
  19. ^ a b 『マスターアーカイブ モビルスーツ RX-78 ガンダム』ソフトバンククリエイティブ、2011年12月、110-111頁。(ISBN 978-4797366181)
  20. ^ a b 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 オリジナル・アニメ・ビデオ・フィルムコミック PART.2』旭屋出版、1998年7月、218-219頁。(ISBN 978-4751101315)
  21. ^ 結城恭介『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』角川書店、1989年10月、102頁。(ISBN 978-4044111014)
  22. ^ a b c d e 漫画TwilightAXIS1 2018, p. 196-199.
  23. ^ a b c d e f ロボット魂MS開発秘録NT1プロト 2022.
  24. ^ a b モデルグラフィックス11 1989, p. 6.
  25. ^ a b ウェブROBOT魂NT1プロト 2022.
  26. ^ ガンダムカタナ7 2013, p. 19.
  27. ^ a b c d e f g h i j k l m n HGUCトリスタン 2017.
  28. ^ トリスタン”. 『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』公式サイト. バンダイナムコエンターテインメント. 2022年10月5日閲覧。
  29. ^ a b c d e f g h i 漫画TwilightAXIS3 2019, p. 252-253.
  30. ^ 機動戦士ガンダム Twilight AXIS 【第2回】 - 矢立文庫。2016年11月21日、2017年9月20日閲覧。
  31. ^ Mechanical”. アニメ 『機動戦士ガンダム Twilight AXIS(トワイライトアクシズ)』 公式サイト. サンライズ. 2017年9月1日閲覧。
  32. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q MS全集17 2023, pp. 72–73.
  33. ^ a b MSバイブル27号 2019, p. 21.






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