エールフランス
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日本におけるエールフランス
第二次世界大戦終結後の1952年に、ロッキード コンステレーションで運航されていた南廻りヨーロッパ線のパリ - ベイルート - カラチ - サイゴン線をアジア極東路線として、フランス領インドシナサイゴン市(現・ベトナム社会主義共和国ホーチミン市)から東京(東京国際空港)まで延長する形で乗り入れを開始した。1958年にはアンカレッジ経由の北廻り線も開設され1960年にはボーイング707を投入しジェット化も行われた[21]。
1960年2月には日本航空と共同運航体制に合意し、アンカレッジ経由の北周り線に用いられるボーイング707には4月より日本航空のロゴをあしらった機体も投入された[21]。
その後は、モスクワ経由のシベリア上空ルートでの乗り入れを経て、極東路線として現在ではパリから羽田、成田、関西の3空港に直行便で乗り入れている。
成田からは、夜21:50前後に出発して、翌早朝にパリに到着する便を「スターウイング」の名で運航していたが、2014年3月の夏期ダイヤより羽田発の深夜出発便が就航したことで、成田発着は廃止された。ちなみにこの便はパリへの到着時刻を調整するために、ほかの便よりも飛行時間を延長する措置として、成田空港を出発後に、太平洋上空を北上し続けてベーリング海上空に入り、アリューシャン列島と北極の各上空を通過し、ノルウェー海上空を通るルートで航行して、パリにフランス時間の早朝4時台に到着するように設定されていた。
本来であれば、真夜中に成田を離陸することが最適であるが、成田国際空港の離着陸時間が、日本標準時の23時までに厳しく制限されており(それ以外は緊急着陸等でない限りまず認められない)、滑走路上の移動時間やその他の遅延要因を考えて、ぎりぎりの時間に設定していることによる(これより後に成田を出発する便は、2013年11月15日現在、日本航空のホノルル行き、エミレーツ航空のドバイ行き、カタール航空のドーハ行き、トルコ航空のイスタンブール行きだけである)。
日本では一時期「エールフランス国営航空」と名乗っていた時期があった。また、一部では英語読みの「エア・フランス」と呼ばれることもある[22]。なお、関西空港が開港した翌日やサミット時などにコンコルドが数回特別便として乗り入れたことがある。
日本乗り入れ空港
これら日本便には日本人の客室乗務員が複数名乗務している。かつては、名古屋/小牧線も就航していた。日本航空の国内線にも、エールフランスの便名をつけてコードシェア便の運航をしている。
東京国際空港(羽田)の2010年10月末に、新滑走路開設で配分された国際線発着枠は、深夜早朝限定であったため、効率が悪く機材繰りが難しかったり、公共の交通機関(特に鉄道)が運行しておらず、搭乗客はバスあるいはタクシーの利用を強いられることになるため、就航の意欲を示した欧州勢のブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザドイツ航空は現実的でないとして今回は見送る方針で固めていたが、ブリティッシュ・エアウェイズは2011年2月末から週5便発着枠獲得で羽田就航を表明。エールフランスとルフトハンザは、羽田就航を見送る代わりに成田線にエアバスA380を就航させるが、2011年11月に成田線は2往復ともボーイング777-300ERでの運航となり、捻出されたA380を同年12月5日以降パリ-ドバイ線へ運航させていた[23]。
2012年4月下旬以降は、AF275・AF276を再びA380による運航へ戻した。2014年の国際線昼間発着枠配分でエールフランスを含む欧州各社は、40発着枠増枠(欧州路線最優先枠)での就航を目指し、2014年3月30日からパリ/CDG線を週10便(毎日運航+週3便運航)で就航開始[24][25][26]。
このうち、東京/羽田 - パリ線の東京深夜発便は、日本航空が座席を買い取るコードシェア便として販売されていたが、2010年10月31日から日本航空が羽田-パリ線自社乗り入れを開始したため、2015年3月にてコードシェアは解消された[27]。
注釈
出典
- ^ “7340.2F with Change 1 and Change 2 and Change 3”. Federal Aviation Administration. p. 3–1–11 (2016年9月15日). 2017年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月30日閲覧。
- ^ http://www.airfrance.co.jp/JP/ja/local/voyageurfrequent/flyingblue/flyingblue.htm?BV_SessionID=vxwrQ240uSEdigkht2ffZxn&BV_EngineID=140ufo3ia
- ^ JOON, the new Air France company - Air France
- ^ https://web.archive.org/web/20090420124712/http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090417/trd0904171119003-n1.htm
- ^ Air France Fleet Details and History
- ^ 当社の機材
- ^ エールフランスKLM、エアバスA350型機を50機確定発注 オプション40機も
- ^ “エールフランスの747、14日退役”. Aviation Wire. 2019年9月7日閲覧。
- ^ エアセイシェル、競争激化で4月からパリ、アンタナナリボ線を運休へ | FlyTeam ニュース".
- ^ "エールフランス航空、11月2日からパリ/サンホセに季節便で就航 週2便 | FlyTeam ニュース".
- ^ "KLM、アムステルダム/フォルタレザ線に就航 A330で週2便 | FlyTeam ニュース".
- ^ "エールフランス航空、2018年4月からパリ/台北線に就航 週3便 | FlyTeam ニュース".
- ^ "エールフランス航空、11月からモルディブ路線を開設へ 週2便 | FlyTeam ニュース".
- ^ "Air France announces new New York route, will resume Iran flights".
- ^ "エールフランス、3月末でプノンペンへの乗り入れ終了 コードシェアのみに | FlyTeam ニュース".
- ^ "エールフランス、2015/16冬スケジュールでパリ/クアラルンプール線運休 | FlyTeam ニュース".
- ^ http://airlineroute.net/2016/02/03/af-cgk-s16/
- ^ "Business(ビジネス)の新キャビン". AirFrance.
- ^ “日本発着路線をもつアルテア利用航空会社 (2015年6月現在)”. 2015年9月26日閲覧。
- ^ “Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
- ^ a b 第2編成長期 第2章ジェット機の就航 第3節欧州線の開設 - 日本航空社史1951~1971(日本航空 1974年)
- ^ 日本・フランス航空当局間協議の結果について(2008年10月24日 国土交通省報道発表資料) ここでは「エア・フランス」となっている。
- ^ "Los Angeles and Dubai: 2 new destinations for Air France’s A380".
- ^ 2014年、羽田-パリ線に自社便 仏エールフランス航空 2012.11.28 17:12 SankeiBiz(サンケイビズ)
- ^ エールフランス、3月30日から羽田/パリ線に就航 FlyTeam 2013年12月11日付
- ^ エールフランス、東京/羽田〜パリ/シャルル・ド・ゴール線を開設!=ダブルデイリーも! Traicy 2013年12月11日付
- ^ エールフランス航空の運航する羽田(深夜発夕刻着)-パリ線がJAL便としてご利用いただけます 2014年1月28日 日本航空株式会社
- ^ “エールフランス、皇居上空を低空飛行 国「異例の事態」:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル 2018年10月13日閲覧。
- ^ 共同通信. “エールフランス機が都心低空飛行” (日本語). JP 2018年10月13日閲覧。
- ^ 産経新聞. “エール機「ルート未設定」 都心低空飛行、原因を報告” (日本語). JP 2018年11月10日閲覧。
- ^ “エールフランス、経営再建をめぐる労使対立”. 独立行政法人労働政策研究・研修機構 (2016年3月). 2018年4月8日閲覧。
- ^ “エールフランス、計7日間のストで220億円損失の見通し”. AFP (2018年4月10日). 2018年4月10日閲覧。
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