ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!
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視聴率
1990年10月13日の初回放送で16.1%を記録して以来、視聴率は年間通して安定した数字を得ていた。1990年12月1日には土8戦争のライバルだった裏番組の『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS)を初めて逆転する。1991年の平均視聴率は17.4%。番組歴代最高は1992年10月17日放送の20.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。以下略)。全放送回の平均視聴率は16.2%。
ウォン・カークイ死亡事故とその影響
1993年6月24日未明、フジテレビ第4スタジオで人気コーナー「やるやらクエストII」の収録中、ゲストとして参加していた香港のロックバンドBEYONDの黄家駒(ウォン・カークイ)がセットから足を滑らせて転落して頭部を強打し、重体(急性硬膜下出血、頭蓋骨骨折、脳挫傷)となって東京女子医科大学病院に搬送される事故が発生した。この事故では内村も転落しており、全治2週間の打撲傷を負った。スタジオには狭いゴンドラのようなセットが約3メートルの高さに釣り上げられ、当時現場にいた関係者によればそのセットは水浸しになっていたといい、セットの下に緩衝材を設置するなどの安全対策は何らとられていなかったという[2][3][4]。内村はこの時のことを「後ろから崩れるような音が聞こえ、気がついたら転落していた」と振り返っている[5]。
6月26日、番組冒頭に「先日、番組収録中に事故があり、皆様にご心配をおかけしましたことをおわび申し上げます。負傷されたウォン・ガークゥイさんの一日も早い回復をお祈り申し上げます。」とのテロップを表示し、通常通り放送された。番組の最後には、内村が「来週のやるやらはまたナイターでお休みでございます。再来週7月10日にお会いいたしましょう」と予告した。しかし、この日の放送が結果的に最終回となる。
6月30日16時15分、黄家駒が収容先の病院で死亡した。その夜にフジテレビの村上光一編成局長(当時)が緊急記者会見を開き、番組の今後について「当面、放送自体が野球ですとかJリーグですとか、24時間テレビ(平成教育テレビ)[注釈 7]といったようなことで、たまたま休みが入りましたので、その間にしかるべき結論を出したいという風に思っています」と発言した。
7月2日、この日の日中に黄家駒の遺体を納めた棺が香港に無言の帰国を果たす。夜には有楽町のニッポン放送でウッチャンナンチャンの2人による謝罪の記者会見が行われ、「彼の分まで頑張っていきたい。残されたメンバーも僕らで役に立つことがあったら、また仕事をしたい」と涙ながらに謝罪した[5]。会見後の25時(7月3日1時)、内村が『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』の番組冒頭より今回の事件に関して二人の口から語られ、黄家駒への追悼としてBEYONDの曲をかけ、リスナーから届いた励ましの便りなどを紹介した。
7月3日、ナイター中継[注釈 8]が予定通り行われた[6]が、当日のテレビ欄に雨傘番組として『やるやら』は掲載されず、特番「あなたの心のスター大全集!!」(司会:峰竜太、中山秀征、鷲見利恵[7] 制作:ジャパンプロデュース)が掲載されていた[8]。
土曜20時枠は、上述の6月26日の放送で予告された7月10日にJリーグ中継[注釈 9]、7月17日に上記の「あなたの心のスター大全集!!」が放送。
7月20日、フジテレビの記者会見で番組の打ち切りが正式に決定され、『タイム3』で詳細を公表した。
7月24日、土曜20時枠はプロ野球「中日×巨人」が雨天中止のため、『いたずらウォッチング!!』を放送。
7月31日、土曜20時枠は『人気バラエティ感動の最終回大特集!』が生放送され、冒頭で露木茂による本番組打ち切りのお詫びと黄家駒への追悼の挨拶がなされた。この際、露木が「秋から形を変えてウッチャンナンチャンには頑張ってもらいます」と説明し、秋からフジテレビでのウンナンの新たなレギュラー番組が予定されているのを示唆するものだったが、実際は番組制作会社(イースト)・制作スタッフの異なる『ビートたけしのつくり方』のレギュラー出演だった。
12月、被害者側への賠償問題などを経てコーナーの収録に携わった番組のプロデューサー以下スタッフ数名が警視庁により書類送検(後日、不起訴)された。
1994年4月11日から『やるやら』と同じスタッフによるウンナンの新たなレギュラー番組として『ゲッパチ!UNアワー ありがとやんした!?』を開始するが、1994年9月12日に全23回の放送で終了となる。
さらに3か月後、1994年12月28日の15:00 - 17:25に『ウッチャンナンチャンの年末ジャンボ総集編』を放送[注釈 10]。『誰やら』『やるやら』の総集編とともに『やるやら』未放送の「ウチムラセブン 第6話約束」が放送された。
その一方で、土曜20時台は、1996年10月19日に、『めちゃ×2イケてるッ!』(『めちゃ×2モテたいッ!』の深夜からゴールデンタイムへの枠移動版)が開始するまで、再び迷走することとなる。
その後
この事件をきっかけとして、しばらくの間出演者・内容を含めた『やるやら』全体に対するバッシングがマスコミによって行われ、これについてダウンタウンの松本人志は自身の著書「遺書」の中で、「ウンナンもスタッフも番組を面白くするために必死に頑張った。そこはきちんと認めてあげなきゃいけない」「(謝罪会見やバッシングなど)ウンナンだけに責任を押し付けようとしたマスコミや偉い人にも責任がある」と述べている。
死亡の知らせに病院に駆け付けた内村は、「自分のせいだ」と泣き崩れたが、BEYONDの他のメンバーに「あれは事故だった」と励まされた。大きなショックを受けた内村と南原は引退も考えたが、黄家駒の遺族らから慰留され、復帰を決意した[9]。
死亡事故による打ち切りという不本意な幕切れとなった番組だが、同局の過去に放送された番組を振り返る番組や、ウンナンが出演するバラエティ番組(前述の『ありがとやんした!?』や『笑う犬』)では番組の映像を交えて紹介されることがあり、2009年10月10日放送のフジテレビ50周年記念特番『記録よりも記憶に残るフジテレビの笑う50年 〜めちゃ×2オボえてるッ!〜』でも当番組が紹介された。また、2009年12月25日には、『ウッチャンナンチャンのやるやらフォーエバー』として、『誰かがやらねば!』時代の映像とともにDVDボックスが発売された。そして、2009年12月23日に実に16年半ぶりに特番(南原曰く宣伝)としてハイビジョン制作で放送された。このとき、過去の思い出などをちはると語った。
1998年から始まった『笑う犬の生活』のサブタイトルには「YARANEVA!!」と付けられている。その背景には、不慮の事故で終わってしまったこの番組への、出演者・スタッフの想いがある。このサブタイトルは、相方の南原に許可をもらって、内村が付けたものである。
ビデオ・DVD
『ウッチャンナンチャンのビデオもやらねば!』 発売元:フジテレビ/販売元:ポニーキャニオン 収録時間:各60分
- vol.1(1991年9月29日発売)
- vol.2(1992年7月17日発売)
『ウッチャンナンチャンのやるやらフォーエバー』(2009年12月25日発売) 発売元:フジテレビ/販売元:ポニーキャニオン 収録時間:合計約450分、15750円(税込)
- Disc1:『誰かがやらねば!編』
- Disc2:ウッチャンセレクション
- Disc3:ナンチャンセレクション
- Disc4:もう一度みたい!ベストコントセレクション
- Disc5:もう一度みたい!ベストパロディセレクション
- 初回限定封入特典:特製「命影郎身代御守」
注釈
- ^ 当番組開始半年前の1990年3月まで、テレビ朝日系土曜19時台前半でアニメ版が放送されていた。
- ^ ただし序盤でそのパターンは終了し、それ以後は映画やドラマ等のパロディの後にマモー自らと戦うパターンに変更された。
- ^ 『とんねるずのみなさんのおかげです』や『SMAP×SMAP』でも同パロディ企画があった。
- ^ 月曜16:00 - 16:55→深夜枠に放送。番組打ち切り時(遅れネットの為、放送自体への影響はなかった。)は、後続番組を繰り上げる措置を行った。なお後に同時刻では『ダウンタウンのごっつええ感じ』の遅れネットを開始した(初期は同時刻での放送で、末期は月曜深夜に放送。)。
- ^ テレビ朝日系列へのネットチェンジに伴い打ち切り。ただし、ケーブルテレビなどで近隣のフジテレビ系列局(仙台放送・福島テレビ・秋田テレビ・新潟総合テレビ)を受信できた場合は4月以降も引き続き視聴可能だった。
- ^ 火曜17:00 - 17:55に放送していた。放送開始当初は8ヶ月程の遅れが生じていたが、番組打ち切り時点では遅れ幅は3ヶ月程度に縮まっていた。なお、打ち切りまでの経緯を説明したつなぎ番組については当局でも放送された。その後は、つなぎ番組として『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ)などを放送していた。なお『生ダラ』は、テレビ大分がテレビ朝日系列を脱退した1993年10月にレギュラー放送開始・同時ネット化された。
- ^ 当時の『FNSの日』は20時または21時から23〜24時間の放送が主流で、『FNS24時間テレビ』という通称もあった。1993年の実際の放送は7月24日の土曜21時から22時間58分。同日の土曜20時台は野球中継「中日 - 巨人」の予定だったが台風4号の接近で、試合が中止となっている。
- ^ 「ヤクルト×巨人」、神宮球場
- ^ 1993年前期の優勝決定試合。16時から「G大阪×V川崎」、19時から「鹿島×広島」。
- ^ テレビ情報誌の仮題は『ウンナン大全集'94』。12月29日はダウンタウン(『ごっつええ感じ』)、12月30日はビートたけし(『平成教育委員会』『北野ファンクラブ』)と「フジテレビバラエティ総集編」を年末の夕方に3日連続放送。
出典
- ^ 笑う犬の生活2フジテレビ出版P.123より。
- ^ “『永遠に家駒をしのびます』コンサート”. 商業放送主催、取材無綫電視. (1993年7月4日)
- ^ “黄家駒の出棺する過程”. 亜州電視と無綫電視のニュース. (1993年7月5日)
- ^ “黄家駒の埋葬する過程”. 無綫電視のニュース. (1993年7月5日)
- ^ a b 冠番組で死亡事故 ウッチャンナンチャンの過去ライブドアニュース
- ^ 朝日新聞 1993年7月4日朝刊 19面、スポーツ面。
- ^ 週刊TVガイド 1993年7月23日号 p.120
- ^ 朝日新聞 1993年7月3日朝刊 32面、テレビ欄。
- ^ “内村光良が番組事故を起こしてた?死亡の噂や放送事故エピソードは?”. エントピ. (2015年7月10日) 2019年9月17日閲覧。
固有名詞の分類
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