イイジマムシクイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 21:01 UTC 版)
生態
スダジイ・タブノキからなる高木層や亜高木層の被度が高い常緑広葉樹林などに生息する[3]。
食性は動物食傾向の強い雑食で、昆虫、クモなどを食べるが果実、種子を食べることもある[5]。樹上を移動しながら獲物を捕食するが[5][6]、停空飛翔しながら獲物を捕食することもある[3]。
繁殖形態は卵生。広葉樹の樹上やアズマネザサに球状の巣を作り、4 - 7月に3 - 4個の卵を産む[3]。ホトトギスに托卵されることもある[3]。
人間との関係
森林伐採や道路工事による繁殖地の破壊などにより生息数は減少している[3]。主要な繁殖地であった三宅島では2000年の噴火により約60%の森林が消失あるいは影響を受け、本種への影響も懸念されている[3]。繁殖地よりも、不明である越冬地の環境破壊の方が生息数減少の原因となっている可能性も考えられている[3]。日本では1975年に国の天然記念物に指定されている[5]。
参考文献
関連項目
- ムシクイ属
- 鳥類天然記念物一覧
- 鳥類レッドリスト (環境省)
- ^ BirdLife International. 2012. Phylloscopus ijimae. The IUCN Red List of Threatened Species 2012: e.T22715353A38197619. doi:10.2305/IUCN.UK.2012-1.RLTS.T22715353A38197619.en, Downloaded on 20 June 2016.
- ^ a b c 日本鳥学会 「イイジマムシクイ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、289-290頁
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 山本裕 「イイジマムシクイ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、218-219頁。
- ^ a b c 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、205頁。
- ^ a b c d 加藤陸奥雄、沼田眞、渡辺景隆、畑正憲監修 『日本の天然記念物』、講談社、1995年、672、675頁。
- ^ a b 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥類III』、平凡社、1986年、157頁。
- ^ 山形則男・吉野俊幸・五百澤日丸=写真、五百澤日丸・山形則男=解説 『新訂 日本の鳥550 山野の鳥』文一総合出版、2014年、206頁。ISBN 978-4829984000。
- ^ a b c d e f 『BIRDER』第25巻 3号、文一総合出版、2011年、26、36、41頁。
イイジマムシクイと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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