アリスソフト
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沿革
- 1983年1月 - チャンピオンソフト設立。設立当初は奈良県橿原市中町に所在。
- 1989年4月 - ブランド「アリスソフト」を発足。
- 1989年7月15日 - 『Rance -光をもとめて-』と『Intruder -桜屋敷の探索-』でデビュー[1]。
- 1990年10月 - ユーザークラブを発足。
- 1995年4月 - 本社を大阪市北区天満3-12-3ハニービルに移転。
- 2002年 - ボーイズラブ系ブランド「Alice Blue」ほか、「Alice noir」、「Alice crimson」のブランドを発足。
- 2003年4月15日 - 「配布フリー宣言」を発表。
- 2004年7月16日 - 「Alice Blue」の当面の活動休止を発表[2]。
- 2006年春 - 東京事務所を開設。
- 2014年夏 - 東京事務所を閉鎖。
- 2020年夏 - 新ブランド「IMYUIC」を発表[3]。
概要
アダルトゲームの創生期から存在し現存している数少ないブランドの一つで、1980年代はパソコンショップ高知 (PSK) やジャストなどと共に業界を盛り上げた。1990年代には「東のエルフ、西のアリス」と謳われたほどに[4]、アダルトゲーム業界およびその流通分野の中でも特別視された。
設立時は「チャンピオンソフト」名義でゲームを発売していたが、昭和から平成へ時代が変わるのを機に「アリスソフト」ブランドを発足して以降、「チャンピオンソフト」名義ではゲームソフトを発売していない。
メインブランド「アリスソフト」 (ALICESOFT) 以外に、「Alice Blue」、「Alice noir」、「Alice crimson」などのブランドが存在していたが、2014年以降はメインの「アリスソフト」以外活動を休止している。
2020年7月22日にアリスソフト・プロデュースの新ブランド「IMYUIC」(いみゅいっく)および、同人RPG『HENTAI LABYRINTH』(ヘンタイ・ラビリンス)を発表した[3]。「IMYUIC」のディレクターであるIMAYUIは、同ブランド設立の経緯について「『HENTAI LABYRINTH』のα版およびβ版を見た経営陣からIMAYUI個人の独自色が濃いことを指摘され、それを伸ばすために新しいブランドを設立した」とBugBugによるインタビューに答えており、ブランド名もIMAYUIにちなんでつけられた[3]。なお、IMYUICは2022年にアリスソフトのプロデュースを離れ、独立している。
著作権ガイドライン[5]を掲載しており、著作物の利用範囲を定めている。
イメージキャラクターは「アリス」で、アリスソフトが制作するほとんどのゲームにスタッフルームの案内役などで登場するが、服装などの造形や登場シーンのBGMは過去作品から現在の作品まで一貫して同じものが使われている。デザインと初代作画はYUKIMI、2代目作画はむつみまさと、3代目作画は織音がそれぞれ担当している。また、ゲームによってはMINや魚介が作画したアリスも存在する。アリスと一緒にいるカラスのような鳥は「ユキチ」といい、名前は創業者社長が慶応義塾大学卒だったことに由来する。なお、アリスとユキチとは別に、埴輪の「ハニー」というマスコットキャラクターがおり、同社の社屋「ハニービル」の名前の由来にもなっている[4]。
特徴
システム面
アリスソフトのゲームシステムはユーザーに対しても公開されており、ユーザー自身でも新たにゲームの開発が行なえる可能性を与えている(ただし、無保証・無サポートである)。
なお、かつてはSystem3.x系の開発キットが一般に公開されていたことがあるが、その後に同系列についての開発キットは公開が終了している。また、ユーザークラブ会員向けにSystem4.x系の開発キットが公開されていたが、これもその後に公開を休止している。
特色
恋愛アドベンチャーゲームが多くを占めるアダルトゲーム業界にあって、アリスソフトのゲームは育成RPGや国盗り(地域制圧)SLGなど多種多様なジャンルのゲームを制作している。基本的には一作ごとに世界設定を変更するという方針であるが、「学園戦記」シリーズの次元3E2、看板ソフト『ランス』シリーズのルドラサウム大陸のように複数の作品で世界設定を共有するゲームも少なくない。
2002年(平成14年)3月15日には、当時のアダルトゲームとしては低価格帯に入る2800円で『妻みぐい』を発表した[1](結果、2002年(平成14年)のアダルトゲーム売上数第1位となる)。
長期的な展望から、新品を購入してくれるユーザーとの信頼関係を重視しており、前述の『妻みぐい』から始めた低価格シリーズや廉価版への展開を積極的に行うほか、後述する「配布フリー宣言」や、販売終了作品の一部を無料配布(例として『アリスの館7』に収録されていた『しまいま。』など)するなどのサービスの展開も行っている。また、その後年には、新作や一部の過去作品のダウンロード販売を開始した。
アダルトシーン無しではシナリオが成立しないゲームが多いため、家庭用ゲーム機への移植は『Only You 〜リ・クルス〜』(移植時の題名は『Only You 〜リベルクルス〜』)、『ぱすてるチャイムContinue』など数少ない。このほかにも、他社によるリメイク移植としては、イメージエポックが『闘神都市II』をニンテンドー3DSに移植した『闘神都市』がある[6]。
上記作品の移植以前にも、『闘神都市』が「闘神都市υ(ユプシロン)」として前作のリメイク(前半)+新規追加(後半)で移植される計画が進んでいたが、前半の80%まで進んだ時点で頓挫した。なお、同作の設定は、『ランスIV』[7]と『闘神都市II』に引き継がれることになる。作品のアニメ化も同様に、15禁または18禁のアダルトアニメ(成人向けOVAビデオアニメ)という形のみ行われ、UHFアニメなどの一般アニメになった作品は未だ存在していない。
アリスソフトはメインのイラストレーターやシナリオライターが社内に在籍したままでも、続編の製作に際して交替を実施するケースが『ランス』シリーズなどで見られている。
社員の一部は個人的に同人活動を行っているが、彼らの同人誌は社内規定によって500部までと制限されており、アクアプラス所属のスタッフ同様(みつみ美里、そのほかの原画家はLeaf所属ゆえ、その規定内ではない)、コミックとらのあななどの業者へ卸されることはない。
2020年11月27日発売の『ドーナドーナ いっしょにわるいことをしよう』では初めてダウンロードカードが付属した[8]。
- ^ a b c 今俊郎、黛宏和 (2019年8月1日). “【ゲームの企画書】エロゲー業界の重鎮アリスソフトのTADA氏が駆け抜けた現場30年。平成に始まり平成に終わった『Rance』シリーズを完結させた「作り続ける人」が向かう先(1ページ目)”. 電ファミニコゲーマー. マレ. 2020年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
- ^ Alice Blue、ふみゃ (2004年7月16日). “開発休止のお知らせ”. Alice Blue. チャンピオンソフト. 2009年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月12日閲覧。
- ^ a b c d e “アリスソフトの新ブランド・IMYUICが同人RPGでデビュー!? 噂の『HENTAI LABYRINTH』をディレクター・IMAYUI氏のインタビュー付きで大特集!!”. bugbug.news (2020年8月11日). 2020年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月27日閲覧。
- ^ a b 『電撃王 増刊 電撃姫 Vol,1』(1997年発行)p.12
- ^ “著作権ガイドライン”. アリスソフト公式サイト. アリスソフト. 2020年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月6日閲覧。
- ^ 川崎政一郎 (2013年11月30日). “あのシナリオをどうやって3DSに? 20年の時を経て甦る「闘神都市」の疑問を,イメージエポック・御影氏とアリスソフト・TADA氏に聞いてきた”. 4Gamer.net. 2019年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月27日閲覧。
- ^ 福山幸司 (2019年6月7日). “平成元年に始まり平成で終わった美少女ゲーム『ランス』シリーズを振り返る。各種文献から見るアリスソフトとTADA氏の軌跡”. 電ファミニコゲーマー. 2020年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月12日閲覧。
- ^ “ドーナドーナ公式ブログ【枕】”. アリスソフト公式サイト. アリスソフト (2020年8月20日). 2020年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月27日閲覧。
- ^ “配布フリー宣言”. アリスソフト公式サイト. アリスソフト. 2020年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月27日閲覧。
- ^ “ドーナドーナ公式ブログ【東雲】”. アリスソフト. 2020年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
- ^ “【TG Leaks】TG10月号8/21(金)発売! SAGA PLANETS最新作『かけぬけ★青春スパーキング!』を表紙&スタッフインタビューで大特集!!”. TECH GIAN. 2020年8月19日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “奥さまの回復術”. 2022年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月28日閲覧。
- ^ “【ハニワ開発室】2011年の総括&〆のご挨拶 : アリスソフトBlog”. アリスソフト (2011年12月22日). 2012年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月27日閲覧。
- ^ a b “私のアリスソフト史17(2012-2014)”. ハニワ開発室 (2022年4月7日). 2022年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月13日閲覧。
- ^ “【ハニワ開発室】春は出会いと別れの季節 : アリスソフトBlog”. アリスソフト (2012年3月12日). 2019年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月12日閲覧。
- ^ “ご報告 わたくしPKタートルズは一身上の都合により昨年末を持ちましてアリスソフトを退社致しました。”. Twitter. 2020年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月22日閲覧。
- ^ a b “『ランス01 光をもとめて』を手掛けたイラストレーター・魚介氏と、ディレクター・いってんちろく氏が「アリスソフト」を退社”. インサイド (2021年6月16日). 2021年6月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月16日閲覧。
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