孔版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 01:19 UTC 版)
孔版画(こうはんが, 英: screenprinting または 英: serigraphy)とは、インクが通過する穴とインクが通過しないところを作ることで製版し、印刷する技法。「孔」とは「突き抜けた穴」の意味である。 孔版画にはたくさんの種類の技法が存在するが、特に歴史が長く、よく知られているものは、ステンシルとシルクスクリーンである。スクリーンは、英語の 英: screen が語源で、細かい穴がたくさんある布状の網目のシートのことである。昔は絹の布が孔版画の版の材料として使われたが、現在ではさまざまな材質のスクリーンが使われる。糸と糸の間の隙間がある絹の布は英語で silk screen (シルク・スクリーン)だが、silk screen を使った孔版画は英語で silk screen printing (シルク・スクリーン・プリンティング)と言う。しかし、現代は絹は孔版画に使われないので、孔版画の技法や日本語で言うところのシルクスクリーンの技法は、英語で screen printing (スクリーン・プリンティング)または serigraphy (セリグラフィ)と言う。screen print または serigraph とは、 screen printing または serigraphy と呼ばれる版画の技法を使って作られた版画作品を呼ぶ言葉である。 もし「印刷」の意味に製版の意味を含まず、紙の上にインクを付ける、狭義の意味だとすれば、孔版画の製版の方法にはたくさんの種類があるが、印刷の方法の種類は少ない。孔版画の典型的な印刷方法は、製版された版のスクリーンと紙を密着させ、スクイージー(英: squeegee)でインクをスクリーンの穴を通して紙へ押し出すというものである。 孔版画の製版の方法の例として、切り抜かれた型紙をスクリーンに貼るカッティング法、スクリーンに感光によって固まる乳剤を塗り、光を通す部分と通さない部分を描いた原画をスクリーンに合わせて露光して製版する直接法、特殊な描画材で描いた上に乳剤を塗って描画材の部分のみを剥離させる直間法、露光でスクリーンに定着する感光乳剤を利用する写真製版法などがある。 孔版画の他の種類の技法として、謄写版、コロジオン版画または毛筆謄写版と呼ばれるもの、プリントゴッコまたは新孔版画と呼ばれるもの、サン描画スクリーン技法、メディウムはがし刷り版画などがある。 詳しくは、シルクスクリーンを参照。
※この「孔版画」の解説は、「版画」の解説の一部です。
「孔版画」を含む「版画」の記事については、「版画」の概要を参照ください。
- 孔版畫のページへのリンク