銀河宇宙線とは? わかりやすく解説

銀河宇宙線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 00:52 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

銀河宇宙線英語:Galactic cosmic rays; GCR)とは、太陽系外を起源とする高エネルギー荷電粒子のことである[1]。これは一次宇宙線であり、ほとんどが陽子によって構成されている[2]地球大気中においては、宇宙線による核破砕によって二次宇宙線を発生させる[3]

起源

特に磁気の影響によって、銀河宇宙線の経路は変更されるため、その検出方向からは、発生源を確定できない[4]。高エネルギーの分布のすそにおいて、いくつかの銀河宇宙線は余りに高いエネルギーを持つため、それらを作り出す物理過程は知られていない[要出典]。銀河宇宙線の観測された一部の同位元素は、それら形成以来の時間間隔に匹敵する半減期を持つので、同位体比はそれらが形成してから経過した時間について何らかの情報を伝えることができる。いくつかのケースでは、電子捕獲に対して不安定な同位元素の銀河宇宙線もあるが、完全に剥き出された状態のため、飛来中に減衰しない。

観測

ほとんどの銀河宇宙線は地球大気を突き抜けるほどのエネルギーを持っておらず、地磁気の螺旋軌道半径はそれらを極に導く傾向にあり、この点で、これらの銀河宇宙線は、太陽風を形成する荷電粒子に似ている。それらが大気とぶつかるとき、ミュー粒子のようなエキゾチック粒子を含む二次粒子の大きなシャワー(en:Particle shower)を作ることができ、これらの二次粒子は地球表面で検出することができる。非常に高エネルギーの宇宙線は大気に浸透することができ、それらの螺旋軌道半径は数千キロメートルはあるので、地磁気によって導かれることは事実上ない。

放射線障害

銀河宇宙線は有人宇宙船による惑星間旅行計画を阻害する最も重要な障壁の一つである(en:Health threat from cosmic raysを参照)。

脚注

  1. ^ 乗鞍岳におけるミューオン強度の精密測定”. 東京大学. 2016年7月2日閲覧。
  2. ^ 湯川雅枝. “第2章 放射線の人間との関わり”. 2003年「原子力のすべて」-地球と共存する知恵-. 「原子力のすべて」編集委員会 編. 2016年7月2日閲覧。
  3. ^ 宇宙船搭乗員の放射線防護”. ATOMICA (2002年). 2016年7月2日閲覧。
  4. ^ ガンマ線宇宙物理学”. 名古屋大学宇宙地球環境研究所. 2016年7月2日閲覧。

関連項目

外部リンク


銀河宇宙線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 18:44 UTC 版)

太陽変動」の記事における「銀河宇宙線」の解説

太陽表層活動活性化 (黒点数増加) は、太陽面から放出される荷電粒子、その殆どが陽子電子である、すなわち"太陽風"を伴っている。太陽磁気圏太陽風地球磁気圏は、銀河宇宙線 (GCR) に対す遮蔽効果持ち太陽活動低下すると、銀河宇宙線が成層圏から対流圏侵入する量は増加する。銀河宇宙線の核種対流圏地表から1km上上空では最上位イオン源である (地表から上空1km以内においては多くの場所でラドン (222Ra) が主たるイオン源となる)。 過去の銀河宇宙線のレベルは、14Cおよび10Beの産生量に影響することから、間接的に記録されている。 約2300年とされるハルシュタット太陽周期は、ダンスガード・オシュガーサイクル気候変動反映するという。約80年90年のグライスベルグ太陽周期は、同じ周期内に含まれる11年周期沿った期間変動示し、このタイムスケール従った同様の気候変動パターン発生見られる

※この「銀河宇宙線」の解説は、「太陽変動」の解説の一部です。
「銀河宇宙線」を含む「太陽変動」の記事については、「太陽変動」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「銀河宇宙線」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「銀河宇宙線」の関連用語

銀河宇宙線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



銀河宇宙線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの銀河宇宙線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの太陽変動 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS