銀河宇宙線に関する雲への効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 18:44 UTC 版)
「太陽変動」の記事における「銀河宇宙線に関する雲への効果」の解説
多くのエアロゾルに与えるイオン化量変化の影響は、雲の凝結核形成に与えられる。結論として、イオン化レベルは低層雲の凝結量のレベル、湿度、および雲のアルベドに影響を与えると考えられる。また、これらの大量の凝結核を含む雲の形成はより白く反射し、長寿命に加えて、降水量の低下を招くことも考えられる。曇りがちの天候と同時発生的な雲頂の温度の3から4パーセントの変化は、11年と22年の太陽黒点周期に関連し、同じ期間に銀河宇宙線の増加が「反・並行的」周期として現れていたという研究がある。雲が原因であるとされる地球全体に平均化した日射遮蔽量の変化は、1.5から2パーセントの範囲で見出された。また、銀河宇宙線と雲量変化についてのいくつかの研究によれば、南北の緯度50度よりも高緯度の領域においては明らかな関連性を見出しているが、低緯度域では、むしろ否定的な結果がもたらされた。何れにせよ、現時点において銀河宇宙線に関する、すべての科学者に受け入れられるような、統計的な気候変動に関する特徴は見出されていない。これは他の太陽変動に属性を持つ現象 (例: 紫外線、総太陽放射の変動に由来するもの) の方が銀河宇宙線の変化よりも遥かに直接的なことによる他の太陽活動の変動が様々な測定面で同時発生することと、気候システムへの反応が遅れて発生することから、太陽活動の変化に連動する銀河宇宙線の影響をそのまま気候変動などに結びつける解釈を行うことは困難である。
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