手の指骨
別名:手の指節骨,Phalanx/Phalanges of hand
【英】:Ossa digitorum,Phalanges
片手には5本の指を支える14個の小管状骨がある。母指では2個、第2~第5指には3個ずつあり、近位のものから順に基節骨、中節骨、末節骨という。母指の場合は中節骨が欠ける(母指の末節骨は本来の末節骨に中節骨が癒合したものともいわれる)。どの指の骨も底・体・頭の3部を区別する。基節骨は指骨の中で最も長く、底には中手骨頭に対応するややへこんだ関節面がある。また、頭には滑車状の関節面がある。中節骨は基節骨より小さいが、基本的にはよく似た形をしている。中節骨底の関節面は浅いくぼみになっているが、その中央に高まりがみらえる。末節骨は中節骨よりさらに小さく、底には中節骨頭に対する関節面がある。また、近位端はややふくれたのち急に細くなって終わる。遠位端の掌側面には深指屈筋のつく末節骨粗面がある。
母指3指節triphalangela thumbは正常では基節と末節の2個よりなる母指の指節が、3個存在するものをいう。過剰指節の形成の程度により、第1度(末節の近位端が肥大して変形し、楔状の小骨片が末節と基節との間に現れる)、第2度(末節と基節との間に短い中節が生じたもの。中節には独立した骨端化骨核はない)、第3度(過剰中節が長く、独立した骨端化骨核を有するもの)に分けられる。また単一母指3指節のものと重複母指3指節(軸前性多指)があり、重複した母指に3指節あるもの)がある。過剰指骨が長くてほぼ正常指骨に近く、かつ第1指が他の4指に対向しえない場合は5指手[症](fibe finger hand)という。母指3指節は一般に両側性の場合が多く、性差は認められない。一般に母指では、中・末節骨の癒合により2節が正常形となっているが、ときに先祖返りとして3節を示すという説がある。本症の多くの場合、単純優性遺伝であるがサリドマイド症候群にみられるように環境因子によっても生じる。母指の欠損または3指節と心房心室中隔欠損の合併の特徴とするものとしてHolt-Oram症候群がある。
足の指骨
別名:趾骨,Phalanx/Phalanges of foot
【英】:Ossa digitorum,Phalanges
片足には通常14個の趾骨がある。第2~5趾はそれぞれ3個の趾骨からなり、中足骨の遠位にある骨で、数・配列・形は手の指骨と同様であるが、手に比較して非常に短い。第1趾(母趾)は最も太く、第2趾骨がふつう最も長い。趾骨は、近位側から基節骨・中節骨・末節骨の順で存在するが、第1趾骨には中節骨がない。また第2~第5趾骨でも中節骨の発達が悪い。基節骨・中節骨・末節骨のおのおので近位端の底、中央部の体、遠位端の頭を区別する。基節骨底の近位端は中足骨頭に対する凹面の関節面をなす。基節骨と中節骨の頭は滑車上の凸面の関節面をなし、それぞれ中節骨底および末節骨底(第1基節骨頭は直接末節骨底)の凹面の関節面と連結する。また底および頭の足底面の内側および外側には小隆起がある。体は左右に圧平された形をし、長軸方向で背側に凸弯している。末節骨の尖端足底面にある粗面が末節骨粗面である。母趾の基節骨と末節骨は扁平で太く大きいが、その絶対的および他の趾に対する相対的な大きさは女子より男子で大きい。
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