Nux (くるみ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 08:06 UTC 版)
「オウィディウス」の記事における「Nux (くるみ)」の解説
エレギーア形式の91対句が伝わる「ヌクス」は、アイソーポスの寓話集にある「クルミの木(英語版)」の寓話を下敷きにした内容を持つ。もともとの寓話は恩を忘れやすい人の性(さが)を主題にしているが、本作もクルミの木が、その実を得ようと石を投げつける少年たちに石を投げないでくれと頼む内容である。クルミの木は実りにあふれたかつての黄金時代と、実りの少ない今を対比し、乱暴に実がもぎ取られ枝が折られる現在を独白する。続けて自分を神話の登場人物何人かと比べ、皇帝のもたらした平和を賞賛し、このまま苦しむよりも誰かに切り倒されたいと願う。本作はオウィディウス作品の平凡な模倣を含むため偽作ではあろうが、詩人の同時代人により詠われた作品と考えられている。
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