m/z 値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 05:36 UTC 版)
質量分析においては、試料はイオン化され、電界または磁界中で分離される。このとき、イオンが受ける力は質量 m と電荷 z の比、m/z に比例する。したがって、マススペクトルの横軸は質量でなく、m/z の値である。 分子 M をイオン化する際、1価イオン M+ のみでなく、2価イオン M2+ などが生じることがある。この場合、M2+ はマススペクトル上において M の半分の質量 (m/2) を持つ分子のように現れる。このように1より大きな価数 n を持つイオンを多価イオンと呼び、Mn+ と表す。多価イオンは質量の 1/n 倍の値を持って現れる。 また、会合しやすい分子では、2量体や3量体など、多量体の形でイオン化することがある。このようなイオンを会合イオンと呼び、m 量体由来のピークを mM+ と表す。会合イオンは試料質量の整数倍の値をもって現れる。 多価イオンは酸性マトリックスを使ったMALDI法などを用いた際に、また会合イオンはESI法などのイオン化法を用いた際に多く見られる。
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