field systemとは? わかりやすく解説

FIELD system

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/14 05:24 UTC 版)

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FANUC Intelligent Edge Link and Drive (FIELD) systemは、ファナックが開発する製造業向けIoTプラットフォームである。FIELD systemを導入することで、複数台の産業用ロボットの学習情報を共有して学習時間を短縮したり、機械に取り付けられたセンサの情報をディープラーニングで解析することで故障予知が可能になるとしている[1]

2016年4月に開発が発表された[2]。FIELD systemの発表当初から米シスコシステムズ、米Rockwell Automation、東大発ベンチャー企業のPreferred Networksが開発に加わっており、さらに同年7月にはNTT[3]、同年10月にはNVIDIAが加わった[4]。2016年8月には、FIELD systemに参画するパートナー企業向けイベント「FIELD system Partner Conference」が開催され、トヨタ自動車日立製作所本田技研工業など約200社が参加した[5]

2018年1月31日には、日立製作所およびPreferred Networksと、合弁会社Intelligent Edge Systemの設立に合意した[6]。日立製作所のOT、ITを取り込むものと見られる。

2018年4月16日には第2版が発表された。第2版では、機器の状態を分析することに加えて、分析結果や解析結果に基づいて機器に指令する機能が追加された[7]

特徴

  • アプリケーションは、「FIELD system Store」からネットワーク経由で購入する[8]。FIELD system Storeでは、サードパーティのアプリケーションも購入できるようになる。
  • エッジヘビーの思想を取り入れており、リアルタイム性とセキュリティに優れているとされる[9]
  • エッジから取得したデータの解析には、深層学習による人工知能を利用できる[10]
  • オープンプラットフォームを謳っており、サードパーティの開発者が自由にアプリケーションやコンバータを開発・販売できる。
  • コンバータを用いることで、何十年も前の古いCNC装置や、ファナック以外のメーカのCNC装置も接続することが可能である[11]。OPC UAに対応しており、MTConnectにも対応予定。
  • 小規模システムを構成するためのハードウェアとして、FIELD BASE Proを用意している[8]

アプリケーション

下記のアプリケーションが発表されている。

  • iPMA on FIELD[8][12]
    • 工場の稼働分析や生産性改善のためのアプリケーション
    • 接続された機器の稼働状況をリアルタイムで監視できる
    • PMAはProduction Monitoring & Analysisの略
  • iZDT on FIELD[8][13]
    • ダウンタイムを削減するためのアプリケーション。
    • ファナック製のCNC装置やロボットの状態を監視し、事前保守を促す。
    • ZDTはZero Down Timeの略。
  • 加工時間予測
    • 工作機械の加工時間を高精度に予測するアプリケーション。
  • 個人認証・履歴管理
    • 製造現場の利用者の操作権限や操作履歴を管理する

パートナー

同システムの導入をサポートするために、パートナー制度が設けれられており、2017年9月末現在で約400社が登録している[14]

パートナーは、役割に応じて下記の区分に分かれる。

  • トータルインテグレーションパートナ
    • FIELD system全体の導入および保守
  • システムインテグレーションパートナ
    • セルやラインの機器を中心とした導入および保守
  • ネットワークインテグレーションパートナ
    • ネットワークシステムの導入および保守
  • アプリケーションデベロッパ
    • アプリケーションやコンバータの開発および保守
  • デバイスパートナ
    • デバイスや関連コンバータの開発および保守

脚注

出典

  1. ^ "FIELD system の国内向けサービス運用開始について - ファナック", 2018年3月6日閲覧
  2. ^ “製造業のリーダー企業によるコラボレーション”. ファナック. http://www.fanuc.co.jp/ja/whatsnew/notice/osirase20160418.html 2016年10月9日閲覧。 
  3. ^ “IoTにより製造・生産の最適化を実現する FIELD system の早期確立とサービス運用開始にむけた協業に合意”. ファナック. http://www.fanuc.co.jp/ja/whatsnew/notice/osirase20160728.html 2016年10月9日閲覧。 
  4. ^ “ファナック、NVIDIAのAIプラットフォームで未来の工場づくりへ”. ファナック. http://www.fanuc.co.jp/ja/whatsnew/notice/osirase20161005.html 2016年10月9日閲覧。 
  5. ^ “ファナックが工場向けIoTプラットフォームのイベント、トヨタや日立など約200社が参加”. IT pro. http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/082902499/ 2016年10月9日閲覧。 
  6. ^ "インテリジェント・エッジ・システムの開発に向けた合弁会社の設立に合意 - 日立製作所", 2018年3月4日閲覧
  7. ^ 製造現場を自動化するアプリ作成を簡単に、ファナックのFIELD systemが進化」『MONOist』。2018年5月25日閲覧。
  8. ^ a b c d "FIELD system - ファナック", 2018年3月7日
  9. ^ "現場志向のIoT基盤「FIELD system」が運用開始、稼働監視などを年間100万円で - MONOist", 2018年3月6日閲覧
  10. ^ FIELD systemについて”. ファナック. 2018年3月23日閲覧。
  11. ^ "古いNC装置をIoT化、ファナックのFIELD system - 日経 xTECH", 2018年3月7日閲覧
  12. ^ 見える化・分析を行うiPMA on FIELD”. ファナック. 2018年3月23日閲覧。
  13. ^ 予防保全を実現するiZDT on FIELD”. ファナック. 2018年3月23日閲覧。
  14. ^ 止めない工場への第一歩、ファナックがFIELD systemで描く世界 (2/2)”. Monoist. 2018年3月29日閲覧。

関連項目


FIELD system

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 00:48 UTC 版)

ファナック」の記事における「FIELD system」の解説

2016年4月には製造業向け IoT (Internet of Things) プラットフォームである「FANUC Intelligent Edge Link and Drive (FIELD) system」の開発発表した。FIELD systemを導入することで、複数台のロボット学習情報共有して学習時間短縮したり、機械取り付けられセンサ情報ディープラーニング解析することで故障予知可能になるとしている。FIELD systemの発表当初から米シスコシステムズ、米Rockwell Automation東京大学ベンチャー企業Preferred Networks開発加わっており、さらに同年7月にはNTTが、同年10月にはNVIDIA加わった2016年8月には、FIELD systemに参画するパートナー企業向けイベント「FIELD system Partner Conference」が開催されトヨタ自動車日立製作所本田技研工業など約200社が参加した2018年1月31日には、日立製作所およびPreferred Networksと、合弁会社Intelligent Edge System設立合意した日立製作所OT, ITを取り込むものとみられる。 パレタイジング適用事例

※この「FIELD system」の解説は、「ファナック」の解説の一部です。
「FIELD system」を含む「ファナック」の記事については、「ファナック」の概要を参照ください。

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