アペックスシール
ロータリーエンジンの作動室の気密を保持するガスシールのひとつで、3角形のローターの各頂点に設置されている。ピストンエンジンの、ピストンリングの一部の機能に相当する。シール両端部のガス漏れ面積を減らすため、メインピースと3角形のサイドピースに分割するものや、メインピースを上下に分割して、ローターのシール溝との密着性向上をはかる3分割構造のものがある。アペックスシールはトロコイド面とは線接触を行いながら高速で摺動するため、シール自体の耐摩耗性が重要である。そのため、初期には自己潤滑性に優れるアルミ含浸カーボンが用いられたが、現在は、先端部を電子ビームによるチル硬化処理が施された鋳鉄製が用いられる。また、ローターのシール溝の底部に設けたひとつあるいは複数のシールスプリングによって、シールは常に摺動面に押し付けられる。なお、サイドカバーとローター側面はサイドシール部材により気密が保たれ、アペックスシールとサイドシールが交わる近傍にはコーナーシールが用いられる。
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