Zαドメイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/10 07:53 UTC 版)
Alan Herbertによって開発されたアプローチを用いて、Z-DNAへ高親和性で結合するドメイン(Zαドメイン)がADAR1中に発見された。結晶学とNMRによる研究によって、このドメインは配列非特異的にZ-DNAに結合するという生化学的知見が裏付けされた。配列の相同性に基づいて、関連するドメインが他の多数のタンパク質中に同定された。同定されたZαドメインは新たな実験的ツールとして利用され、結晶学的研究によってZ-RNAやB-Zジャンクションの特性解析が行われた。ADAR1のZ-DNA結合ドメインは、新生RNAの配列修飾を行うこの酵素を、活発な転写が行われている部位へ局在させる役割を持つ可能性が生物学的研究からは示唆されている。Zαドメイン、 Z-DNA、Z-RNAはヒトではAluの侵入に対してゲノムを保護しており、そこからさらに二本鎖RNAに対する自然免疫応答の調節機構へ進化したと考えられている。Zαドメインの変異は、エカルディ・グティエール症候群など、インターフェロノパシー(interferonopathy)と総称されるインターフェロン関連疾患の原因となる。
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