VC10タンカーへの改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:37 UTC 版)
「ビッカース VC10」の記事における「VC10タンカーへの改造」の解説
1960年、イギリス空軍は戦略輸送機の仕様書を発行し、翌年にVC10改造機の採用を決定した。胴体はコンビタイプ (Type 1103) を基本にし、エンジンはスーパー VC10、翼は新設計され1965年11月26日にテスト飛行を行った。同機はVC10 C Mk. 1(VC10 C1と略される)と命名された。ヴィッカース社がブリティッシュエアクラフトコーポレーション (BAC) 社へ統合されたため、1978年にRAFはBACと既存のVC10とスーパー VC10の、空中給油機への改造契約を結んだ。 C1は給油ポッドを追加したのみの改修に留めC1Kとなった。続くK2、K3は胴体にも給油用ホースを追加し、胴体中央キャビンに燃料タンクを設置する大規模な改修が行われたため、キャビンの乗客用スペースは前部に残すのみとなった。K4は基本的にはK3と同じだが、胴体に燃料タンクは設置されなかった。 VC10は胴体にエンジンを装備しているため、他の給油機と異なり主翼に給油ポッドを搭載しても被給油機がエンジン排気に入る心配がなく給油を受けやすいというメリットがあった。 2006年、朝鮮民主主義人民共和国が実施を発表した核実験に関連して、2機のRAF所属VC10が沖縄県のアメリカ空軍嘉手納基地に飛来した。これは大気中の核実験由来の放射性物質の観測・採取を目的としたもので、主翼下に空気採取カプセルを装着して東シナ海上などで行動していた。ちなみに、このイギリス空軍の行動は朝鮮戦争に由来する国連軍としての活動の一環と位置づけられていた。
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