TaqManプローブ法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/16 00:28 UTC 版)
「リアルタイムPCR」の記事における「TaqManプローブ法」の解説
配列特異的なオリゴヌクレオチドの5'末端にレポーター、3'末端にクエンチャーを標識したプローブを用いる方法である。Realtime PCRではレポーターの蛍光物質を検出することで増幅を確認する。レポーターにはFITCやVICを用いることが多い。一方、クエンチャーはレポーターの蛍光を蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により消光させる標識物で、従来はTAMARAなどの蛍光物が用いられることが多かった。この場合、レポーターから受け取ったエネルギーを光として放出していたが、最近はEclipseやDABCYL、MGBなどのエネルギーを熱に変えるダーククエンチャーが用いられることが多い。後者の利点として、バックグランドが低いことが挙げられる。FRETはクエンチャーとレポーターの距離が離れると起こらなくなり、レポーターから蛍光が発せられる。PCR反応がすすみ、Taq DNAポリメラーゼの5'→3'エキソヌクレアーゼ活性によりハイブリダイズされていたTaqManプローブが加水分解されるとレポーターとクエンチャーの距離が離れ、蛍光シグナルが発せられ、これを検出することでPCR産物量を定量することが出来る。TaqManプローブ法の利点は、特異的な配列をもつ蛍光プローブを用いるため、SYBR Green法のようなプライマー二量体の非特異的な検出がない点で特異度にすぐれる。また、複数のプローブに別の蛍光物質を標識しておけば、マルチプレックス解析を行うことも可能である。欠点としては、蛍光プローブを検出する配列ごとに設計、合成しなければならないため、SYBR Green法よりも費用と手間がかかることが挙げられる。
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