スーサイドドア
後ろヒンジのスイング式ドア。乗降性はよいが、走行中に開いたり対向車に接触すると大事故につながるので、自殺ドアと呼ばれたことからこの名がある。しかし1990年代に見直され、前ドアを開けなければ後部ドアが開かない安全設計で後ろヒンジドアが実現した。ただし、降りるときは容易だが乗るときには前ヒンジドアのほうが乗りやすいので、主流にはなっていない。
両開きドア
センターオープニング・ドアともいう。最近ではGMのサターン・クーぺに採用されたのをきっかけにマツダRX-8、ホンダ・エレメント、ロールスロイス・ファントムなどに、両開きドアが採用されている。ただし後ろのドアは、安全基準上はドアとは認められず、アクセスハッチとして左右幅の狭いものに限られ、開くときには前ドアを、閉めるときには後ろドアを先に操作しなければならない。両開き式親子ドアともいう。しかし、新型ファントムは後ろドアの独立型開閉が認められた。両開きドアに対して通常のドア(前後のドアがともに前ヒンジのもの)は、片開きドアという。
観音開き
観音像を納める厨子や仏壇によく使われる扉。内側に中折れする両開きのドアのこと。初代トヨペット・クラウンの両開きドアを観音開きと呼んだため、両開きドアをこう呼ぶ人が多い。
参照 両開きドア、ツーウェイ・ドアスーサイドドア
(Suicide door から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/24 01:34 UTC 版)
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スーサイドドア(英: suicide door)は、自動車のドアの形態のひとつである。
多くの自動車のサイドドアはヒンジが前に、ロックやドアハンドルを含むラッチ機構が後ろにあり、ドアの後ろ側から乗り降りするが、このドアの場合、逆に、ヒンジが後ろ、ラッチが前にあり、ドアの前側から乗り降りする。
和訳すると「自殺ドア」となるが、この由来について複数の説がある。
- 何らかの理由で走行中の自動車から飛び降りなければならなくなったときに、後ろ側に開いたスーサイドドアがあると、飛び降りるときドアにぶつかってしまうから。
- 通常のドアは走行中万一開いても風圧がしまる方向にかかるが、スーサイドドアの場合ドアが風圧でますます開いてしまい、最悪捥ぎ取れてしまい、ドアに身を寄せたりする同乗者にとって転落の危険があること。
このようなデメリットもあるが、足元側が大きく開くため、特にキャブオーバー車などでは乗り降りがしやすいというメリットもある。
1960年代まではごく一般的な形式であったため、スバル・360やスバル・サンバー(初代)など、いわゆるクラシックカーに多く見られる他、観音開きのリアドアもこの形式となる。
シトロエン・タイプH(Hトラック)のように、車体やドア形状はそのままに、モデルライフ半ばで仕向地(輸出先)によってヒンジの位置を後ろから前に変更したものもある。この例ではステップの高さと角度の変更で乗降動作の変更に対応してはいるものの、安全性の向上と引き換えに乗降性は損なわれる結果となった。
近年ではBMW傘下となったロールス・ロイスが付加価値のひとつとして積極的に採用し、他社との差別化に利用している。同ブランドでは2ドア車と4ドア車のリアドアに採用。
自動車メーカー以外の例では、カーショーなどに出品するカスタムカーに、見た目のインパクトを狙ってボディワークの末に取り付けられることもある。
また鉄道車両でも、3500系以前の名鉄の車両[1]は、乗務員室ドアのヒンジが通常の鉄道車両とは逆の客室側についており、スーサイドドアの一形態と言える(ただし内開き)。
採用例
- シトロエン・タイプH
- スバル・サンバー(初代)
- スバル・360
- フィアット・500
- フィアット・500 3+1[2]
- フィアット・ムルティプラ600
- 三菱・ミニカ(初代)
- Wモータース・ライカンハイパースポーツ
- リンカーン・コンチネンタル 初代
- リンカーン・コンチネンタル 1961-1969年モデル
- リンカーン・コンチネンタル・コーチドア・エディション[3]
- ロイト・LT600バン
- ロールス・ロイス・ファントム
- ロールス・ロイス・レイス[4]
脚注
- ^ 国鉄(JR)・地下鉄への直通用の車両と閑散線区用に投入されたレールバスを除く。
- ^ “第679回:新型「フィアット500」にも観音開きの「3+1」登場 イタリア人が“3ドア”を好む理由 【マッキナ あらモーダ!】”. webCG. 2022年1月18日閲覧。
- ^ DIGITAL, AUTOCAR. “リンカーン・コンチネンタル80周年 80thアニバーサリー・コーチドア・エディション”. AUTOCAR JAPAN. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “2ドアでもさすがの乗降性! スーサイドドアが特徴的なロールス・ロイス レイスを写真でチェック!|フォトギャラリー【MOTA】”. MOTA(旧オートックワン). 2022年1月18日閲覧。
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