Physinae 亜科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 08:31 UTC 版)
「サカマキガイ」の記事における「Physinae 亜科」の解説
サカマキガイ Physa acuta Draparnaud, 1805 日本全国に分布する帰化種。本項で詳述。古くから世界各地に広がったため、その土地の在来種と誤認されて別名で新種記載されたものなどが複数あるが、日本ではサカマキガイの移入が比較的遅かったこともありそのような分類上の問題はほとんどなかった。2000年代初頭になって日本産のサカマキガイは生殖器の形態には少なくとも2型が認められ、複数種が混在しているのではないかとの意見が出されたが、これら2型の生殖器はともに Costatella 型である。また、過去に記録された Physa heterostropha は上記のようにサカマキガイと同種であるとの研究結果が出されている。 ヒダリマキガイ Physa fontinalis (Linnaeus, 1758) 殻頂はあまり尖らず、内唇の滑層が広いのが特徴。小型で黄褐色。本州に移入している、もしくはしていたとされるが確実な記録はない。Physa 属のタイプ種で、生殖器の陰茎鞘が腺状になることでサカマキガイのグループと区別される。別名:ウスカワヒダリマキガイ。 タスキガケサカマキガイ Physa cf. gyrina (Say, 1821) 成長の途中に何度か殻口外唇内面に縦の梁(はり)を形成し、その部分の炭酸カルシウムの沈着量が多くなるため白っぽく見え、殻に何本かの「たすき」がかかっているように見える。サカマキガイに酷似するが、殻はやや厚く体層は整い、色が全体として赤茶けている。また、螺塔もやや高い。千葉県などから記録された。P. gyrina は北米の種であるが、殻の特徴のみで同定するのは難しい場合がある。サカマキガイ類の飼育実験では、殻を丸ごと壊して捕食する動物(魚)と共に飼うと殻全体が幅広く厚くなり、殻口を壊して捕食する動物(ザリガニ類)と一緒にすると殻口を補強するため「たすき」が形成される例が知られている。 Physa heterostropha (Say, 1817) 過去に記録された。体層がややへしゃげて角張り、内唇の滑層が明瞭で色はクリーム色~白色とされるが、上述のように Dillon他(2002)によってサカマキガイと同種とされた。
※この「Physinae 亜科」の解説は、「サカマキガイ」の解説の一部です。
「Physinae 亜科」を含む「サカマキガイ」の記事については、「サカマキガイ」の概要を参照ください。
- Physinae 亜科のページへのリンク