pHによるゲート機能の調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:23 UTC 版)
「ナトリウムチャネル」の記事における「pHによるゲート機能の調節」の解説
心臓のナトリウムチャネルNav1.5は最もpH感受性の高いナトリウムチャネルであり、知見の大部分はこのチャネルに基づいている。細胞外のpHの低下は活性化と不活性化の電位依存性を脱分極側へシフトさせる。そのため運動など血液のpHが低下する活動の間は、チャネルの活性化と不活性化がより正電位側で起こる可能性が高くなり、その悪影響が生じる可能性がある。骨格筋線維で発現しているナトリウムチャネルNav1.4は、比較的pH感受性が低くなる方向へ進化している。運動中の血液のpHレベルは極めて変動しやすいものの、骨格筋ではこのような過剰または過小な興奮に対する保護機構が存在していることが示唆される。近年、骨格筋ナトリウムチャネルNav1.4の変異には周期的な麻痺と筋強直を引き起こすものがあり、この変異では本来はpH感受性を持たないチャネルに感受性が付与され、心臓型のサブタイプと似たゲート機構となっていることが示されている。
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