POWER_SCALEとは? わかりやすく解説

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POWER SCALE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/26 05:17 UTC 版)

POWER SCALE
Icemanスタジオ・アルバム
リリース
録音 1996年12月1日
- 1997年1月26日[1]
ジャンル J-POP
レーベル エピックレコードジャパン
プロデュース 浅倉大介
チャート最高順位
Iceman アルバム 年表
POWER SCALE
1997年
Digiryzm Mutation
1998年
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POWER SCALE』(パワースケール)は、1997年3月26日にリリースされたIcemanの1stアルバム。発売元はエピックレコードジャパン

概要

累計売上は5.5万枚を記録[2]

リードシングル3曲が収録されているが、いずれも表記はされていないもののアルバムバージョンとなっており、シングル版とは微妙にミックスが異なる。初回限定版は紙ケース入り仕様となっており、ブックレットが付属。

2013年9月11日、ソニー・ミュージックダイレクトよりBlu-spec CD仕様で再発された。

録音

1996年12月1日にスタジオ入りして、年末一杯はシンセサイザーのパートの録音を行った。年明けにギター・ボーカルのパートを録音し、1997年1月19日から1週間、ロサンゼルスにてミキシング・トラックダウン・マスタリングを行った[1]

「音のパワー・エネルギーをできるだけ良い状態でリスナーに聞いて欲しい」「今回は特に重低音にこだわりたい」という浅倉の意向から、浅倉のソロ作品で参加していたフィル・カッフェルを指名した[1]

音楽性

制作上のコンセプトは「テクノポップユーロビートファンク等のリズムをそのまま引用して使うのではなく、ハードディスクドライブに取り込んで、Pro Toolsでリズムを編集した上で、メンバー3人がそれぞれ何を乗せていくのか」をテーマにしている[3]。そのために色々なリズムを設けているため、全11曲の中で一つも同じリズムを採用していない[1]

ギターのパートでは葛城哲哉鳥山雄司も参加することもあり、伊藤は曲調によって「自分が担当する箇所・担当しない箇所」をはっきり示す様に努めた。浅倉も「伊藤君が全てのギターを受け持つ事はないと思っています。それよりも彼にはコーラスや間奏も含めて、全体のサウンドをチェックしてもらいたい」と狙いを語っている[1]

アルバムタイトルは「メンバー3人のスケールの大きさ・力のバランスを強く主張する」ための造語である[3]

収録曲

# タイトル 作詞 作曲 編曲 時間
1. DARK HALF〜TOUCH YOUR DARKNESS 井上秋緒 浅倉大介 浅倉大介
2. 「Something feel like Heaven」 麻倉真琴 浅倉大介 浅倉大介
3. 「Nartic Boy」 黒田倫弘 浅倉大介 浅倉大介
4. 「黎明 -REIMEI-」 井上秋緒 浅倉大介 浅倉大介
5. 「Mr. D」 伊藤賢一 伊藤賢一 浅倉大介
6. 「White Fusion〜仮想恋愛の手引き」 麻倉真琴 浅倉大介 浅倉大介
7. 「Dear My Friend〜make your shine way」 麻倉真琴 浅倉大介 浅倉大介
8. 「フリーター・ブルース」 黒田倫弘 浅倉大介 浅倉大介
9. BREATHLESS NIGHT SLIDER 井上秋緒 浅倉大介 浅倉大介
10. Edge of the season 井上秋緒 浅倉大介 浅倉大介
11. 「ICE BREAKER」 伊藤賢一、麻倉真琴 浅倉大介 浅倉大介

楽曲解説

DARK HALF〜TOUCH YOUR DARKNESS
ミキシングを担当したフィルにより、シングル盤よりきつく、鋭い音色になった[4]
Something feel like Heaven
1980年代のニュー・ウェイヴを意識したリズムを使用している[1]
ボーカルは全編オーバー・ダビングで処理されている。特に英語詞のサビは何回も繰り返した[4]
間奏の女性の声色による呪文を思わせる詞は存在しない言葉で、伊藤が担当している[1]。伊藤が「オリエンタルな女性の声が聞こえる」とその場で閃いて、浅倉の前で囁いた所、即採用となった。伊藤の裏声によるボーカルをテープの回るスピードを落として録った[1]
コンセプトは「みんなそれぞれが『天国』と思える場所を探しにいこう」と掲げている[1]
PVは様々な文字・幾何学模様のCGを被らせたビデオドラッグを志向した[5]
黎明 -REIMEI-
スローテンポなジャングルと8ビートのリズム[1]パーカッション[4]を掛け合わせたバラード。
コンセプトは「10代にはわかりにくいかもしれない大人の恋愛の歌」と評している[1]
Mr. D
伊藤は「ライブで3人でストーリー性を持ったパフォーマンスをしたい」という気持ちで作った[3]
伊藤の出したデモテープをハードディスクドライブに取り込んで、浅倉がPower Macintoshで一旦バラバラにした後、再構築した[1]
ボーカル・コーラス[3]・ラップ・ギター[4]は伊藤が担当した。
伊藤は「グラムロック[4]「ドラキュラと浅倉」を意識して歌詞を書き、タイトルもそれのダブルミーニングである[3]
PVは「ドラキュラの親玉」を浅倉・「その僕」をオナペッツ・「ドラキュラを討伐する正義の味方」を黒田・「語り部」を伊藤が担当した。CGのブルーバックが間に合わず、黒田がメインのシーンだけ背景が青い[5]
後にMC-K2(現コタニキンヤ.)がアルバム『Mad soldiers'LABORATORY』にてカバーしている。
White Fusion〜仮想恋愛の手引き
歌詞は「ゲームと恋愛しているような感じ」を意識した[4]
まず浅倉がリズムのベーシックを作った[4]。伊藤のギターのリフをPower Macintoshに入れて、編集した[1]
ニューロマンティックのリズムを意識している[1]
ミキシング作業に一番凝り、6,7時間かけた[4]
Dear My Friend〜make your shine way
浅倉が「黒田君の声にはエレクトリックピアノが似合う」と思って制作した[1]
アナログ盤のノイズをループさせたリズムを背景として流している[1]
PVは「Edge of the season」「Something feel like Heaven」「Mr. D」撮影時の舞台裏とライブツアー「Iceman PROTO STAGE」の映像で構成されている[5]
フリーター・ブルース
浅倉が曲を作っている時に、黒田が「この曲の詞は僕が書きたい」と言い、Aメロのガイドメロディが作られていないデモテープを渡した[1]
黒田は「長いフリーターの時期の昔懐かしいドキドキする様な恋」[3]をテーマにした。
歌詞は1日で仕上げることができた[1]
間奏で数原晋による生のホーンを入れている。浅倉は「強引に暴走族やってよ」と注文した[1]
BREATHLESS NIGHT SLIDER
ミキシングを担当したフィルにより、シングル盤より音色に重量感を出し、スピード感を出した[1]
ICE BREAKER
ユニットの語源にもなっている言葉がそのままタイトルになった[1]
歌詞は「古代から言い伝えられてきた、世の中に対する哲学的なメッセージが今になって価値観を帯びだした」という物語性を出した[4]

参加ミュージシャン・スタッフ

  • プログラミング&キーボード:浅倉大介
  • ギター:葛城哲哉(#1.3.9.10)
  • ギター:鳥山雄司(#4)
  • ベース:美久月千晴(#7)
  • サックス:平原まこと(#8)
  • トランペット:数原晋(#8)
  • トロンボーン:中川英二郎(#8)
  • コーラス:葛城哲哉(#4)
  • コーラス:石井妥師(#6.7.8)
  • レコーディング・エンジニア:松本靖雄(Sony Music Artists)
  • レコーディング・エンジニア:Motonori Sasaki、Hitoshi Hashimoto(Sony Music Shinanomachi Studio)
  • ミキシング・エンジニア:フィル・カッフェル
  • マスタリング・エンジニア:ブライアン・ガードナー(Bernie Grundman Mastering)
  • プロデューサー:浅倉大介
  • A&Rディレクター:井上哲生(Epic/Sony Records)
  • エグゼクティブ・プロデューサー:青木高貴(Realrox)
  • エグゼクティブ・プロデューサー:小坂洋二(Epic/Sony Records)

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u ソニー・マガジンズ刊「WHAT's IN?」1997年4月号「Iceman 究極のヒューマン・テクノロジー・パワー」pp100-101,「セルフライナーノーツ」p.125より。
  2. ^ a b オリコンランキング情報サービス you大樹
  3. ^ a b c d e f ブティック社刊「月刊歌謡曲」1997年5月号「Iceman VIRTUAL MIRACLE PYRACLE」pp.16-17,「Iceman デジタルな人間味!」P.227-238より。
  4. ^ a b c d e f g h i ソニー・マガジンズ刊「PATi PATi」1997年5月号「Iceman Detail of "POWER SCALE"」pp.108-109より。
  5. ^ a b c ソニー・マガジンズ刊「PATi PATi」1997年6月号「Iceman アルバム『POWER SPACE』を聴いて POWER UP!」p.112より。





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