DPMIの問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 05:02 UTC 版)
DPMIの最大の問題点は、登場時期が遅すぎたことである。 DPMI0.9の最初の実装は、Windows 3.0である。 Windows はGUIばかりでは無く、プロテクトメモリへのアクセスもアプリケーションに提供した。MS-DOS のメモリ不足の解消方法の選択肢に Windows アプリケーションが加わったのである。このため、ユーザインタフェースのあるアプリケーションを新規に開発する場合には、わざわざDPMIアプリケーションとして開発するのではなく、Windowsアプリケーションとして開発する方がその将来性を考えて望ましい時期に入っていた。 ただし既存のDOSエクステンダや既存のプロテクトモードアプリケーションをDPMIに対応させることは、それらの製品寿命を延ばす意味があるので価値があった。またコンパイラやリンカー等のようにファイルしかアクセスしないアプリケーションを新規に開発することにも意味があった。 また、最初に公開された仕様のバージョンが0.9であるということも問題であった。DPMIの最初の仕様が1.0では無く0.9であった理由は、機能不足であったためである。事実、DPMI 0.9公開後、各DOSエクステンダのベンダは、自社のDOSエクステンダをDPMI 0.9に対応させたが、DPMI 0.9の機能不足を補うために、仮想デバイスドライバ (VxD) を同時に開発したところが少なくなかった。 例えば Phar Lap社の386|DOS-Extenderは、バージョン4.0からDPMIをサポートするようになったが、386|DOS-ExtenderをWindowsで動作させる時に起こる問題に対応するためにVxDドライバ PHARLAP.386が同時に開発された。
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