Charles Darwin Research Stationとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Charles Darwin Research Stationの意味・解説 

チャールズ・ダーウィン研究所

(Charles Darwin Research Station から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/08 22:19 UTC 版)

チャールズ・ダーウィン研究所の入口
エクアドル、ガラパゴス県、サンタ・クルス島プエルト・アヨラ
ガラパゴスリクイグアナ
(チャールズ・ダーウィン研究所の浜辺)
ロンサム・ジョージ(チャールズ・ダーウィン研究所、2011年12月)。ガラパゴスゾウガメピンタ島亜種 (Geochelone nigra abingdoni) 、2012年6月24日死亡。約100歳であったとされる[1]

チャールズ・ダーウィン研究所スペイン語: Estación Científica Charles Darwin, ECCD、 英語: Charles Darwin Research Station, CDRS)は、チャールズ・ダーウィン財団により運営される生物学的研究所である。研究所は、エクアドルに属するガラパゴス諸島サンタ・クルス島にあるプエルト・アヨラの東端に位置しており[2]イサベラ島およびサン・クリストバル島のサテライト・オフィスでもある。

歴史

1934年、エクアドルは動物保護区として14島を指定し、保護動物の捕獲を禁止していたが、生息環境破壊に対する規制は提示されておらず[3]、効果は認められていなかった[4]。1954年、ガラパゴス諸島の動物繁殖行動を調査したイレネウス・アイブル=アイベスフェルトからの諸島の現状報告により、1957年、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)と国際自然保護連合(IUCN)は、ガラパゴス諸島における研究所の設立を念頭に、アイブル=アイベスフェルトおよび1952-1953年にガラパゴス諸島でフィンチ類を調査していたロバート・ボウマンの2名を派遣[4]。3か月間にわたる調査の後[5]、1958年初頭にその報告書が提出された[6]。それを受けて同年、ロンドンの国際動物会議において「ガラパゴス委員会」の結成が決議された[7][8]。また1959年に、エクアドルはガラパゴス諸島を国立公園に指定して全体的保全を図った[9]

ダーウィンの『種の起源』(1859年)が出版されてから100年目となる1959年、ガラパゴス委員会の関係者らにより、ベルギーの首都ブリュッセルに本部をおくチャールズ・ダーウィン財団が設立され、翌1960年には研究所の設立のため、ガラパゴス諸島に初代所長が派遣された[7]。サンタ・クルス島の南沿岸のアカデミー湾に面する場所に建設が開始され、1963年末には三代目所長のもと、本棟、研究棟、気象観測施設、宿舎が完成し[10]、1964年1月21日、正式に研究所が発足した[11][12]

サンタ・クルス島のプエルト・アヨラでは、エクアドルおよび海外の自然科学者が、ガラパゴスの陸上や海洋の生態系の保全に対する調査ならびに課題について常に研究している。1964年に設立されたチャールズ・ダーウィン研究所には、自然史展示館があり、またガラパゴス諸島の保全を後押しする教育プロジェクトを実施している。

2002年に、研究所はコスモス国際賞を受賞した[13]

目的と研究

ガラパゴスゾウガメ
(チャールズ・ダーウィン研究所)

チャールズ・ダーウィン研究所の目的は、保全のための科学的研究ならびに環境教育を行うことである。研究所は、100名以上にのぼる世界中からの自然科学者、教育者、ボランティア、研究生、および補助スタッフからなる。

ダーウィン研究所における科学的調査およびモニタリング事業は、併せてその主要パートナーであり、ガラパゴスの保全および自然資源の問題を管理する主たる政府機関としての役割を果たすガラパゴス国立公園管理局(英語: Galápagos National Park Service, GNPS)と協同で行われる。

ダーウィン研究所の取り組みの主な目的:

  • 生物学的法則の理解、生態系のより一層の理解、および諸島の自然資源の適正な管理に必須の科学的調査を推奨し、促進し、計画し、実行すること。
  • ガラパゴス諸島の自然資源の保全および管理についてエクアドル当局に助言すること。
  • 諸島の科学的調査および教育に関わるプログラムの実施において、エクアドルの機関と協同で取り組むこと。
  • 科学的および自然科学および自然資源管理に特化した、エクアドルからの科学者および技術者の育成に寄与すること。
  • 諸島の保全に関連する教育プログラムに寄与し協力すること。
  • 科学的調査の結果および組織の他の活動の成果をまとめ、この情報を地域的、国内的、国際的に広めること。

脚注

参考文献

  • 伊藤秀三 『新版 ガラパゴス諸島 - 「進化論」のふるさと』 中央公論社〈中公新書〉、1983年ISBN 4-12-100690-9
  • 伊藤秀三 『ガラパゴス諸島 - 世界遺産 エコツーリズム エルニーニョ』 角川書店〈角川選書〉、2002年ISBN 4-04-703340-5
  • 藤原幸一 『ガラパゴス博物学』 データハウス、2001年ISBN 4-88718-616-9

外部リンク


「Charles Darwin Research Station」の例文・使い方・用例・文例



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Charles Darwin Research Station」の関連用語

Charles Darwin Research Stationのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Charles Darwin Research Stationのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチャールズ・ダーウィン研究所 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS