シャンテ
シャンテとはフランス語で、ともに歌おうの意味である。時代に先行するシティカーにふさわしい名前として命名した。初代キャロルに代わる軽乗用車で、1972年7月新発売。スタイリッシュな2ドアの2ボックスボディで、トランクを備えていた(ハッチバックではない)。ホイールベースは2200mmと超ロングで、当時の軽乗用車のなかでは抜群に長かった。リヤシートは折りたたむことができ、トランクとつながって大きいカーゴスペースが得られた。エンジンはAA型2ストローク2気筒359cc・35psで、4速MT(フロア)によって後輪を駆動した。サスペンションは前輪ストラット/コイル。後輪リジッド/リーフ。東京標準価格は、34万円から46万5000円。
このクルマは当初、ロータリーエンジンを載せて発売することを計画していた。軽の枠に入るよう、360cc程度の1ローターである。しかしこの計画に対して他の国産メーカーはすべて大反対し、監督官庁もそれを支持したと伝えられている。理由は、業界に無用の混乱を生じさせたくない、というものだったようである。
73年11月に保安基準改正に伴う変更と、諸経費の高騰による価格アップを発表。以降は変更もなく77年6月まで生産を続け、そこで慕を閉じた。
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