CIDRブロックの割り当て
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/01 09:22 UTC 版)
「Classless Inter-Domain Routing」の記事における「CIDRブロックの割り当て」の解説
Internet Assigned Numbers Authority (IANA) は、地域インターネットレジストリ (RIR) に対して大きなCIDRブロック(つまり短いCIDRプレフィックス)を発行する。例えば、62.0.0.0/8 には1600万以上のアドレスが含まれ、ヨーロッパのRIRである RIPE NCC が管理している。RIRはそれぞれ1つの大きな地理的領域(ヨーロッパ、北米など)を管轄しており、割り当てられたブロックを細かく分割して一般に発行している。この分割は階層的に何度か行われる。大規模なインターネットサービスプロバイダ (ISP) はRIRからCIDRブロックの割り当てを受け、それを小さいCIDRブロックに分割して加入者に割り当てる。このとき、分割する大きさは加入者のネットワーク規模によって調整する。単一のISPでインターネットと繋がっているネットワークについてIETFは、そのISPからIPアドレスのブロックをもらうことを推奨している。一方複数のISPと繋がっているネットワークの場合、適当なRIRから直接CIDRブロックをもらう。 例えば、1990年代後半に 208.130.29.33 というIPアドレスは www.freesoft.org で使っていた(既に再割り当て済み)。このアドレスには3つのCIDRプレフィックスが対応していた。208.128.0.0/11 は200万以上のアドレスをカバーする大きなCIDRブロックで、ARIN(北米のRIR)がMCIに割り当てていた。そして、バージニア州のVARである Automation Research Systems (ARS) がMCIからインターネット接続をリースしていて、208.130.28.0/22 というブロックが割り当てられていた。1000以上のデバイスにアドレスを割り当てられるブロックである。ARS は /24 ブロックを1つ、同社の一般開放しているサーバ群に割り当てていて、208.130.29.33 はそのうちの1つだった。 これらのCIDRプレフィックスはいずれもネットワークのどこかで同時に使われていた。例えば、MCIのネットワークの外では、208.128.0.0/11 というプレフィックスがMCIへのトラフィックをMCIに向けるのに使われていた。そのトラフィックには 208.130.29.33 向けだけでなく、11ビットのプレフィックスを共有する約200万のIPアドレス向けのトラフィックが含まれている。MCIのネットワーク内では 208.130.28.0/22 が見えるようになり、ARS のリースしている線へのトラフィックに対応していた。208.130.29.0/24 というプレフィックスはARSのネットワーク内でのみ使われた。
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