全天自動超新星サーベイとは? わかりやすく解説

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全天自動超新星サーベイ

(ASAS-SN から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/05 08:43 UTC 版)

チリにあるASAS-SN 5 (Bohdan Paczyński)の4台の望遠鏡ユニット

全天自動超新星サーベイ(ぜんてんじどうちょうしんせいさーべい英語: All Sky Automated Survey for SuperNovae, ASAS-SN)はオハイオ州立大学の天文学者、クリストファー・コチャネク(英語版)やクリストフ・スタネク(英語版)らが主導する超新星などの天文学上の突発現象を自動で捜索する観測プログラム・サーベイである。空全体を毎晩1回ずつ観測することができる[1]。

使用している「望遠鏡」はニコンの口径14cmの400mmF2.8望遠レンズでProLine PL230CCDカメラが取り付けられており、ピクセル解像度は7.8秒角しかないので検出した天体について正確に位置を測定するには他の望遠鏡による追観測を要する[2]。 プロジェクトの立ち上げ時には4台ずつの望遠鏡がハワイのハレアカラ天文台(ASAS-SN1)とチリのセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)内にあるラスクンブレス天文台(英語版)(LCO)の管理区域(ASAS-SN2)に設置され、それぞれ「Brutus」「Cassius」と名付けられた[3]。 2017年に、オハイオ州立大学やゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団、キューバ山天文財団、中国、チリ、デンマーク、ドイツの出資により、南アフリカにLCOが有する区域に「Cecilia Payne-Gaposchkin」と名付けられた4台の望遠鏡ユニット(ASAS-SN3)が、テキサス州のLCO施設に「Henrietta Leavitt」と名付けられた4台の望遠鏡ユニット(ASAS-SN4)が、チリのCTIOに追加で「Bohdan Paczyński」と名付けられた4台の望遠鏡ユニット(ASAS-SN5)が[4]、2018年に入り中国に「Tian Shan」と名付けられた4台の望遠鏡ユニット(ASAS-SN6)が設置されており、計4か所24台の望遠鏡で南北半球・時間・気象条件に左右されず常に夜空を監視している[3]。 望遠鏡の数が増えシステムが改修されたことで、当初はおよそ6000万個の恒星を2,3日おきに一度観測していたのが、現在は見かけの等級が18等級までの銀河系内の1億個もの恒星を毎晩観測することが可能となっている[2]。

チリにあるASAS-SN 2の4台のユニット

プロジェクトの主要目的は明るい超新星を捜索することであり、実際に観測史上最も高エネルギーと言われる超新星の1つであるASASSN-15lh(英語版)を発見している。しかし銀河系内などの近傍で生じる潮汐破壊現象(ASASSN-19bt(英語版)など)や新星(おおかみ座V407星(英語版)として知られるASASSN-16ktや、いて座V5856星(英語版)として知られるASASSN-16ma、りゅうこつ座V906星(英語版)として知られるASASSN-18fvなど)、激変星や恒星フレアも頻繁に発見しており、恒星フレアには観測史上最大級のものも複数含まれる。 その他太陽系天体の観測成果もあり、2026年8月時点で、C/2017 O1とC/2018 N2の2個のASASSN彗星が発見されているほか[5]、2019年7月地球近傍小惑星の2019 OKについて、発見観測の後の2番目の観測を検出した。

CTIO内のLCOにある、ASAS-SN2とASAS-SN5が入った建物

ASAS-SNで発見された天体については、ASASSNのあとに-が付き、その後発見年の下2桁とアルファベットの小文字で構成された通し番号で構成される仮符号で呼ばれる[6]。

2026年8月時点で国際天文学連合で突発天体を一元集約するウェブサイト、TNSで超新星と確認された19600個余りのうち4%の844個をASAS-SNが発見している[7]。

また膨大な数の恒星の明るさを高頻度に観測したデータから20万個以上の変光星を発見しており[8]、市民科学プロジェクトのズーニバース上で行われたCitizen ASAS-SN(日本語版名:ご注文はアサシンですか?)プロジェクトで、一般市民がASAS-SNで観測された光度曲線を見て分類することで発見したおよそ2万個の変光星が含まれている[9]。

関連項目

脚注

出典

  1. ↑ Dong, S.; Shappee, B. J.; Prieto, J. L.; Jha, S. W.; Stanek, K. Z.; Holoien, T. W.- S.; Kochanek, C. S.; Thompson, T. A. et al. (January 15, 2016). “ASASSN-15lh: A highly super-luminous supernova”. サイエンス 351 (6270): 257–260. arXiv:1507.03010. Bibcode:2016Sci...351..257D. doi:10.1126/science.aac9613. PMID 26816375.
  2. 1 2 “ASAS-SN's (Assassin's) Homepage”. www.astronomy.ohio-state.edu (2016年1月5日). 2016年1月19日閲覧。
  3. 1 2 “ご注文はアサシンですか? 研究”. 2026年8月5日閲覧。
  4. ↑ “ASAS-SN 5”. 2026年8月5日閲覧。
  5. ↑ “AllCometEls.txt”. Minor Planet Center. 2026年8月2日閲覧。
  6. ↑ “AllCometEls.txt”. 2026年8月2日閲覧。
  7. ↑ “TNS Transients Statistics, Skymaps and Plots”. 2026年8月2日閲覧。
  8. ↑ “ASAS-SN Variable Stars Database”. 2026年8月5日閲覧。
  9. ↑ “ご注文はアサシンですか? 結果”. 2026年8月5日閲覧。

外部リンク




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