480シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/26 07:31 UTC 版)
「デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道」の記事における「480シリーズ」の解説
480シリーズはK-36型の蒸気機関車で、デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道向けに設計され10両が製造された。これらの機関車は1925年にボールドウィン・ロコモティブ・ワークスで製造された。480シリーズは、デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道向けに製造された最後の狭軌の蒸気機関車であった。デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道の狭軌の鉄道網で貨物を牽引するために用いられた。型の36は、牽引力36,000 ポンドであるところに由来する。これらは外側台枠のミカド型で、全ての動輪に台枠より外側のカウンターウェイトが取り付けられており、実利的な外観を生み出している。現在はこれらの機関車は6-ET型自動空気ブレーキと、2次的に直通空気ブレーキを備えており、日常の運行に使用している。12両までの客車を牽引しているが、それ以上の客車の時には重連運転にする必要がある。デュランゴ以外では重連運転にしないのは、煙のせいであると一般に信じられているが、実際にはK-36型が2両以上同時に通ることができない15番通りの橋の重量制限のためである。K-28型は重連運転にできる。機関車は製造時点では煙室の設計がマスター・メカニックス式 (Master Mechanics) であったが、デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道が時期は不明であるもののアンダーソン式 (Andersson) に改造している。ボイラーへの給水は2つのノン・リフティング式のインゼクタによっている。40 平方フィート(約3.7 平方メートル)の火格子面積は、狭軌用の機関車としては最大で、手作業で投炭が行われている。K-28型に比べれば、これらの機関車の投炭は単純ではあるが、大きな火床面積のために多くの石炭が必要である。典型的には、シルバートンへの登りで3 - 5 トン、デュランゴへの帰りで1 - 2 トンの石炭を消費する。人間工学的には、乗務員の座席が後ろに位置しすぎていて、加減弁や砂まき装置を操作するために機関士が頻繁に前のめりにならなければならないので、他の機関車に比べて快適とは言いがたい。アルコ設計のK-28型に比べると、走り装置も速く傷みやすく、その荒々しい乗り心地により乗務員の健康を損ないかねないものがある。 デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道では、480号・481号・482号・486号の4両のK-36型を所有しており、全て運行可能な状態である。カンブレス・アンド・トルテック・シーニック鉄道が483号・484号・487号・488号・489号を所有している。485号は不運にも、1955年にサリダ (Salida) にある転車台の穴に転落してしまった。その後解体されたが、いくつかの装備品、走り装置関係や弁装置などが残されて、他の機関車に使用されている。
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