3次元レーダー
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/14 13:49 UTC 版)
3次元レーダー(さんじげんレーダー)とは、距離のほか、方位と仰角を同時に調べる一次レーダー。レーダーサイトなど、主に航空機を警戒捜索するレーダーとして用いられる。これに対して、距離・方位、距離・仰角のいずれかのみを走査するレーダーは2次元レーダーと呼ばれる。3次元レーダーは、偏波やビーム(位相の揃った状態の電磁波)等を利用し、探知目標の3次元データを得ている。
概要
レーダーの実用化後しばらくは、目標の距離と方位は捜索レーダーによって、また高度については高角測定レーダー(Height finding radar)によって測定していた。3次元レーダーは、これらを統合するものとして開発されたものであり、おおむね下記のような方式がある[1]。
- 多重ビーム(stacked-beam)方式
- 送信時にはファンビームを用いるが、受信時は、多数のペンシルビームを垂直方向に隣接させて並べて、水平面内で回転させる方式。仰角は隣接したビーム間の振幅比較モノパルス法によって測定する。アメリカ海軍のAN/SPS-2で採用された(試作のみ)。レーダー波の干渉を利用し、多重ビームを構成させるグレーディング・ローブ方式というのもある。
- パルス内周波数走査(frequency scanning, FRESCAN)方式
- 送信パルス1個を、周波数の異なったサブパルスn個に分けて送信することで、各周波数に対応してn個のビームを形成する方式。アメリカ海軍のAN/SPS-39などで採用された。
- ペンシルビーム方式
- 垂直面内は位相走査で、測角にはモノパルス法を用いる方式。多数の周波数を使わずに自由にビーム方向を操ることができるという長所がある。フェーズドアレイレーダーで採用されている。
- Vビーム方式
- 傾斜させた偏波を利用し、その交点から高度を求める方式。ソビエト連邦のアンガラーM(ヘッドネットC)で採用された。
機種一覧
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地上用
- 「ガンマ-DYe」
- 96N6Ye 「ガンマ-S1Ye」
- 59N6-Ye 「プロチーヴニク-GYe」」
- 5N59 ST-68
- 96L6Ye
- 「コリツォー」
艦載用
- MR-310U 「アンガラーM」
- MR-650 「ポドベリョーゾヴィク」
- MR-700 「ポドベリョーゾヴィク-E、-ET1、-ET2」
- MR-750 「フレガート-MA」
- MR-755 「フレガート-MA-1」
- DRBI-23
- DRBJ-11B
- ヘラクレス(ハーキュリーズ)
- 「フレガート-MAE、-MAE-1、-MAE-2」
- 「フレガート-MAE-3」
- 「フレガート-MAE-4K」
- 「フレガート-M2EM、-MAE-5」
- 「ポジチーフ-MA1」
- 「フールケ-2」
参考文献
- 「図解 電子航空戦―最先端テクノロジーのすべて」 立花正照 原書房 1986年 ISBN 9784562018277
- ^ 吉田孝「第11章 特殊なレーダ技術」『改訂 レーダ技術』電子情報通信学会、1996年、273-298頁。ISBN 978-4885521393。
脚注
注釈
出典
関連項目
3Dレーダー
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