3:2プルダウン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 19:56 UTC 版)
毎秒24フレームのフィルム映像をNTSC方式や一部のPAL方式の毎秒30(29.97)フレームのテレビジョン方式で記録・放送する時は何らかの変換作業が必要となる。幸いな事に両者のフレームレートは4:5という単純な整数比だが、いずれにしても4枚の連続した絵から5枚の絵を作り出さなければならない事に変わりはない。 3:2プルダウンと呼ばれる変換方式は、フィルム映像の4フレーム毎に1フレームに相当する絵を2回使用して5フレーム分のテレビジョン信号を作り出す。実際にはテレビジョン信号が飛越し走査を行うので、フィルム映像4フレームのうちの2フレームを各フレームについて1フィールド(1/2フレーム)分再使用する。 例えばフィルムの連続した4フレームを1、2、3、4としてそれぞれの奇数フィールド走査と偶数フィールド走査を1o、1e、2o、2e、...とすると、これらのフィルムのフレームは以下のような10フィールド(5フレーム)のテレビジョン信号に変換される。 1o 1e 1o 2e 2o 3e 3o 3e 4o 4e 一見してわかるように、フィルム映像の各フレームが交互に3フィールドまたは2フィールドのテレビジョン信号に変換される。 この方式の欠点は、フィルムの速度が3フィールドと2フィールドで送り出すタイミングを切り換える瞬間にフィルムの送り出し速度が変化するのでフィルムに負荷がかかり傷めやすいというところである。そこでフィルムの速度は一定にし、カメラ側のデジタル処理で3:2プルダウンに相当する変換を行う方式が生み出されている。
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