1958年 - フルカウル禁止、500ccクラス MVアグスタの17連覇開始、ホンダの荒川テストコース完成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 08:16 UTC 版)
「ロードレース世界選手権の沿革」の記事における「1958年 - フルカウル禁止、500ccクラス MVアグスタの17連覇開始、ホンダの荒川テストコース完成」の解説
今シーズンからカウリング形状としてフルカウルが禁止となり、ハーフカウル(ドルフィン型)のみが承認されることになり、各チームはハーフカウルを採用する。フルカウルは、ストリームライニング(Streamlining)と呼ばれる前輪から後輪まで覆う形状をしており、空気抵抗は少なく、直線ではスピードが伸びるが、当時のブレーキの性能は、トップスピードからのフルブレーキングに耐える耐久性と制動力は十分なものではなく、そのためブレーキメーカーはブレーキライニングの材質の選定に緻密な計算を要した。ライダーも貧弱なブレーキ性能を補うためのライディングを編み出してマシンを走らせた。しかし、フルカウルは横風に弱く危険であり、また、当時のタコメーターの表示にはタイムラグがあったために実際のエンジン回転数とタコメーター表示が一致しておらず、その上風圧も受けないためにライダーのスピード感覚が鈍ってしまい、常識では考えられない事故が多発するようになった。このため、FIMはフルカウルを禁止することにした。ハーフカウルは、前輪は覆わず、ハンドルやステアリングヘッド、エンジン、クランクケースなどを覆う。現在のGPマシンのカウリングがハーフカウルである。今シーズンからハーフカウルとなったため、平均速度は昨シーズンのフルカウル時代よりも落ちたが、その差は1km/hに満たなかった。初期には最高速度に挑戦するためのスピードブレーカーのようにマシンとライダーを覆ってしまう形状のカウリングも試作されたが、FIMがこの形状のカウリングの使用を禁止したため、レースでは使用されなかった。
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