2,4,6‐トリクロロフェノールとは? わかりやすく解説

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2,4,6-トリクロロフェノール

分子式C6H3Cl3O
その他の名称オマール、ダウイシド2SOmal、Dowicide 2S、2,4,6-Trichlorophenol、2,4,6-TCP
体系名:2,4,6-トリクロロフェノール


2,4,6-トリクロロフェノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 02:33 UTC 版)

2,4,6-トリクロロフェノール
2,4,6-Trichlorophenol
識別情報
CAS登録番号 88-06-2 
ChemSpider 6648 
EC番号 604-018-00-5
国連/北米番号 2020
RTECS番号 SN1575000
特性
化学式 C6H2Cl3OH/C6H3Cl3O
モル質量 197.45 g/mol
外観 淡褐色の固体[2]
匂い フェノール臭[1]
密度 1.675 g/cm3
融点

69°C[3]

沸点

246°C[3]

への溶解度 800mg/l[2]
危険性
Rフレーズ R22, R36, R38, R40, R50, R53
Sフレーズ (S2), S36, S37, S60, S61
引火点 99°C[3]
半数致死量 LD50 820mg/kg(ラット)
関連する物質
関連物質 クロロフェノール
ジクロロフェノール
トリクロロベンゼン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2,4,6-トリクロロフェノール: 2,4,6-Trichlorophenol)は、有機塩素化合物の一種。2,4,6-TCPやオマール、ダウイシド2Sなどの別名がある。淡褐色の固体で、フェノール臭を放つ。

用途

殺菌剤木材防腐剤染料の中間体などとして使われている。

近年では、コルクの殺菌剤として用いられる同物質が微生物により2,4,6-トリクロロアニソールに変化し、栓をしたワインへ移行して「コルク臭」と言われる異臭の原因となることが指摘されている[4]

安全性

加熱分解により、塩素塩化水素などの有害ガスを生じる[1]

健康への影響

2年間の経口投与による動物実験において、雄のラット悪性リンパ腫白血病の発生頻度が有意に増加し、マウスでは雌雄ともに肝細胞癌および腺腫が増加している。このことから、アメリカ合衆国環境保護庁EPA発癌性評価をB2、国際がん研究機関はポリ塩化フェノール類およびそのナトリウム塩への混合暴露について発がん性リスクをGroup2Bと評価している[2]

製造グレードにより、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(en、PCDDs)やポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)が含まれることがある [5]

環境への影響

グッピーの96時間半数致死濃度(LC50)が610μg/l、藻類の一種のSelenastrum capricornutumに対する96時間半数影響濃度(EC50)が3,500 μg/lなどの研究結果がある[2]。急速分解性があることから、環境への慢性的な影響は低いと考えられる[1]

脚注



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