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黒木欽堂


黒木欽堂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 05:37 UTC 版)

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黒木 欽堂(くろき きんどう、1866年3月11日-1923年大正12年)8月31日)は、明治大正時代の書家・漢学者。名は安雄。字は武卿。別号に欣堂、蓍園。讃岐国(香川県)出身。金石文の権威であり、楚辞文選等を得意とした。

略歴

慶応2年(1866年)讃岐国那珂郡良野村(現・まんのう町吉野)大宮神社祠官黒木茂矩(しげのり)の子として生まれる。黒木家は江戸時代から続く漢学者の家系で、父・茂矩は秋山厳山、日柳燕石らに学び、高松藩藩校・講道館学寮教授、教部省の神道教導職金刀比羅宮禰宜(ねぎ)等を務めた。

欽堂は父・茂矩と片山冲堂に学んだ後、漢学塾・二松學舍を経て、1885年(明治17年)東京大学文学部附属古典講習科漢書課後期入学、1888年(明治21年)7月卒業。二松學舍から同じ東大古典講習科に学んだ同級生に児島献吉郎長尾雨山山田済斎らがいる。卒業後、東京府師範学校で教鞭をとった。1890年(明治23年)には香川県尋常師範学校(現・香川大学教育学部)教諭となり、1902年(明治35年)香川県工芸学校長(現・県立高松工芸高等学校)も務めた。その後上京し、東京帝国大学東京美術学校(現・東京芸術大学)、二松學舍などの講師を務める。

他にも、1909年(明治42年)東亜学術研究会の評議員となり儒学や中国学術の振興に努める。書に造詣が深く、1911年(明治44年)法書会を設立して近代書道の発展に尽力し月刊誌「書苑」を発行した。また、犬養木堂(犬養毅)との共著で、古い書を解説した本『書道及書蹟』を出版している。詩文にも長け、乃木希典漢詩の師範を務め、息子の黒木典雄は、希典の「典」の字を貰った。1921年(大正10年)頃、東京帝国大学上田萬年教授と支那に遊学するが、帰国後、病により1923年(大正12年)8月31日死去。58歳。

著作に「讃岐史要」「学書の方法述」などあり、郷土史関係の書も多い。その功績を称えて明治34年(1901年)11月27日に、香川県教育会から「教育功労者トシテ表彰」されている。

著書

単著

  • 『日本歴史用掛図解説』(集英堂、1891年)
  • 『本邦文学之由来』(進歩館、1891年)
  • 『小学校用日本史談』(集英堂、1892年)
  • 『讃岐史要』(宮脇開益堂、1899年)
  • 『小学校用讃岐史談』(宮脇開益堂、1900年)
  • 『讃岐国十二勝景図記』(1901年)
  • 『古文書鑒』(中興館、1923年)
  • 『学書の方法述』(法書会出版部、1929年)

共著

  • 『地理歴史 讃岐唱歌 鉄道之巻』川添安藏共著(1890年)※黒木は作詞、川添は作曲を担当
  • 『書道及書蹟:書画骨董叢書第5巻』犬養木堂共著(書画骨董叢書刊行会、1921年)
  • 『書道書蹟大観』犬養木堂共著(東洋書院、1976年)※「書道及書蹟」の復刻

参考文献

  • 梶原猪之松『讃岐人名辞書』(高松製版印刷所、1936年第3版)
  • 大学資料展示室運営委員会『三島中洲と近代-其三-』(二松學舍大学付属図書館、2015年)
  • 杜軼文「児島献吉郎の支那文学史研究について」『二松學舍大学人文論叢第71輯』(二松學舍大学人文学会、2003年10月)
  • 松本竜之助『明治大正文学美術人名辞書』(立川文明堂、1926年)
  • 溝渕利博「香川県郷土教育史研究序説(一)」『研究紀要第64・65合併号』(高松大学・高松短期大学、2016年2月)
  • 20世紀日本人名事典

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